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きらり

山コンビ小説 Drの翔くんと患者さんの智くん 4

2012-06-10 21:01:00 | 日記
大野からもらった紙をかれこれ何時間も何日間も眺めては溜息をつく。

ずっと嫌われていると思っていた。
あの告白後、急に空気が重い感じとなり自分自身がいたたまれなくなって早々に別れたのだ。

その後も、どうしても顔が見たくて彼の働くコンビニに通ってはいたが
話しかける勇気もなく、かといって向こうから話しかけてもらえるはずもなく
時だけが過ぎていったのだ。

だが、告白したことには後悔は全くなかった。
多分、自分は初めて顔を見た時に一瞬で恋に落ちたのだ。
あの天使のような寝顔、そして目覚めた時の美しい顔。今でもはっきりと憶えている。

こんなことは生まれてから初めてだった。
これが一目惚れっていうやつなんだろうな、と思うとなんだかおかしかった。
今まで男の人をそんな目で見たことはなかったのに、と。

彼が入院中は密かに上司に自分を主治医にしてくれた事を感謝しつつ、毎日病室に顔を出した。
毎日顔を見に行くのが楽しみで仕方なかった。
もちろん病状がだんだん落ち着いて元気になって行く姿を見るのも
医者として嬉しかったがそれ以上にただただ顔が見れる事が嬉しくてたまらなかったのだ。

そして日に日に彼の事をもっともっと知りたくなり毎日病室にいっては彼から情報を集めていたのだ。
彼は両親や友人に迷惑をかけたくないからと言って、入院を内緒にしていたため
病室に訪れる人が誰もいなかった。
だから病状が落ち着いて身体に余裕が出来てくると何だかいつも少し寂しそうにしていた。

そして彼女とも別れたばかだともいってて常に人恋しそうな感じだった。
だから時間がある時には病室を訪れ、病状の話以外にも全然関係のないバカ話などをしたりした。
その時の彼は何だか凄く嬉しそうにしていた。それを見て自分も嬉しくなる。
そしてその笑った顔がすごく可愛らしくてますます好きになる。

そして退院の日思いがけず彼から絵を貰ったのだ。それは凄く繊細で綺麗な絵だった。
何か描いているなとは思ってはいたがまさか自分の為に描いてくれていた自分の絵だとは
夢にも思わなかったので凄く嬉しかった。
そしてそれは自分の中で大切な宝物となった。

そして自分の中で諦めようと思っていた心がまた動き出してしまったのだ。
退院後は彼見たさにコンビニに通いそして諦めきれない心が彼を誘いそして告白をした。
その後も男の自分からそんな事を言われ嫌われたかなとは思ったが
どうしても顔が見たくて通い続けた。

そしてコンビニでの仕事が最後だと言われそして逢えなくなるのは寂しいと紙を渡された。
でもヘタレな俺はまだ連絡できずにいる。
遭えば勘違いをしてしまいそうだし、ますます好きになってしまうかもしれない。そう思うと怖かった。

でもそれも3日逢えないだけで限界だった。
彼に連絡する。

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