本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

お香について

2008-08-21 23:47:35 | 住職の活動日記
 不思議なご縁と言うか、インターネットから菩提樹苑の永代供養墓を求められま

した。それもロシア人の方です。

 ご主人を亡くされ、日本で自分の最後の安住の地を求められました。

今日で2回目のご法事です。ご親戚の方はおられませんので、本当にご縁の方々の

集まりで、なんか気持ちのいいご法事でした。

 そのとき、お香の話を少ししました。仏教の話もどうしていいのかわからず、香

りと言うことであれば、世界共通かな? と思ってです。


 『 仏様は香を以って食となす 』 ということで、仏さまとか、亡くなった方

は 「 香りが一番のご馳走なんです 」 と言うような話なんですが、少し頷い

ておられました。


 『 香をもる 』 私も一番大切にしているところです。

香をもる、といってもわからないと思いますので、写真で説明します。



これが燃えてしまったところの焼香台です。



これをというか、この灰を耕かしていきます。



この丸い鏝のようなもので灰を平らにならしてゆきます。



次に灰の中にお香を入れるために面白い写真のような道具で灰にくぼみを作ってい

きます。



そのくぼみの中に火種となる 「 抹香 」 というお香を入れて行きます。



最後に抹香の上に本当のお香を入れて、そしてきちんと押し固めて、香もり、の完

成となります。

 この単純な作業なのですがお参りのたびごとに、耕かし、香をもって、この繰り

返しが、とてもよい灰を作っていきます。

 また、何回もしているうちにお香の盛り方で時間の調節が出来るようになりま

す。このお勤めは時間がどれくらいかかる、というと、その時間に合わせた盛り方

が出来るのです。


 本山いるとき、『 後七日御修法 』 という、とても大きなお勤めがあり、そ

の時は、短時間で何十個というお香をもっていいきます。その盛り方しだいで時間

に合うようにするということは、とても手馴れた技が必要なのです。

 簡単そうで、 『 たかが香もり・されど香もり 』 なのです。
コメント (1)
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