本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

醍醐寺伝法学院卒業式

2012-04-24 22:37:13 | 住職の活動日記
 今日24日、お地蔵さまのご縁日である目出度き日に

『 醍醐寺第80回伝法学院卒業式 』 が挙行されました。



   


 伝法学院の入り口には、下界とを遮るように重々しく

「 伝法学院 」 の石柱が立っています。


そして、入り口には


   



 俗世間の人は入るなとばかり、この立て札が学院生たちを守ってきたのです。

反対に学院生たちには恨めしくも思えたかもしれません ? 。

 入学式と卒業式は親族の方も入院が許可されます。

  ( 「 入院 」 ももともとは仏教用語らしいです。

    こういう学院に入ることを意味したようです。)


    



 そして、下駄箱もこの時ばかりは、白い鼻緒のぞうりに混じって、

革靴・ハイヒールも並びます。

 聖と俗が一緒になるひと時です。



    



 玄関には醍醐未生流の生け花が待っていてくれました。

張りつめた空気の中にほっとする一コマです。



   



 「 実修実証 」 という、醍醐寺の面目である言葉が待ち受けています。

「 岡田宥秀門跡 」 の書になります。


 9時前には到着、衣に着替えさせていただき、

控えの間で、式まで待ちます。


   



 控えの間として用意していただいたのは、

学院生たちが一年間学んだ教室です。

 少し小さめの机が積み上げてあります。

いろいろ思い出の落書きもあるようです。

この机を前にして座り、正座に苦しんだことでしょう。


さて、

 本堂を覗いてみると、もう学院生たちは正座・合掌で待ち受けています。


    
 
  
 この時間から正座とは、式が始まってからが心配です。



   



 一年間の 「 行 」 の賜物でしょう、微動だにしないようです。



式はとても厳粛な中に進んでいきます。

 一人ずつ名前を呼ばれ、田村学院長より卒業証書が手渡され、

その人の一年間頑張ったことや辛かったことに対して、

それぞれに 「 ひとこと 」 ねぎらいや励ましの言葉を頂き、

みな感無量の気持ちで受け取られた事でしょう。



   


 式が終わると 「 仲田管長さま 」 を中心に記念撮影です。

手前の蓮池も学院生たちと育ち、その修行をじっと見つめていた事でしょう。

今はまた、静かな眠りについています。


 「 宗良君 」 卒業証書を持ってやってきました。



   



 坊守さんを見るなり、思わず涙がこみ上げてきました。

辛い修行もあり、悲しい出来事もあり、

じっと耐えてきたことが、どっと噴出してきたのだと思います。



    



 この半鐘によって目覚め、お勤めに入り、 …  と

学院生たちの生活にメリハリをつけて、

ときには恨めしく、ときには勇気をつけてくれ、

学院生たちの一挙手一投足を見守り続けてくれたことでしょう。



   



 学院の庭には 「 たけのこ 」 が目を出してきています。

卒業生たちもこれからが本番です。

この竹の子のように、ぐんぐんと成長して欲しいものです。

これから、実社会で悩める人、苦しむ人の友となり、

頑張ってほしいと願っています。


          








コメント (4)
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