決心してみると
心が豊かになってうれしい
トンイ より
毎週楽しみにしておりました、NHKの連続ドラマ 「 トンイ 」 も
今日がいよいよ最終回です。
( さびしくなります )
この言葉は先週の回で、王妃が言った一言です。
宮殿の中にあって、いろいろと政略が渦巻く中、どうしても
主人公の 「 トンイ 」 の事を信じられないでいた王妃なのですが 、
次第に 「 トンイ 」 の裏表のない、そして野心のない心に引かれて、
「 トンイ 」 の子どもを自分の養子として迎える決心をして出てきた言葉が
この言葉です。
人間はいつまでたっても、うろうろと迷うものです。
決心しろといわれても、決まったようでも、どこか決めれない。
けれども、歌の文句ではないのですが、
「 決めた ~ 決めた ~ お前と道連れに 」
ということがあると思います。
不思議なもので心が決まると、今週の言葉のように
「 決心してみると 心が豊かになって うれしい 」
という心境になるものです。
人間の心と身体、身体はほんとうは正直です。
その反対に心は結構ウソつくし自分をごまかします。
最近の若い方、面接とかでお話しているとき
前の会社を辞めた理由が、
「 この仕事は自分に合いませんでした。」
ということです。
おかしなもので、好きだろうが嫌いだろうが、辞めない以上は
身体はこの会社にいるのです。
しかし、今この会社にいるという現実を忘れて、
心はもはやこの会社からは逃げてしまっています。
合おうが合うまいが、黙って不平を言う心を支えているのは身体です。
今ある現実 ( 事実 ) を受け止めたくない、というのが
人間の心です。
今いる、という事実を受け止めてみると心は軽くなるものです。
東寺にいる頃、悩んだとき、三浦先生のアドバイスが
「 嫌なことを抱きかかえようとするから重たい、
背中に背負ったら軽くなる。」
抱きかかえてしまうから、持てなくなる、
徳川家康の人生訓にも、
「 重き荷を背負うて、遠き道を行くが如し 」
ということがあります。
いま一歩、踏みとどまって、今の現実を受け止めてみると
今まで見ていた世界が一変すると思います。
「 我がものと思えば軽し 傘の雪 」
という歌がありましたが、
嫌と思ってみてしまうとすべてが重たく逃げ出したくなるものですが、
自分のものと思って背負ってみると案外軽いものです。
今週の言葉の、王妃の言葉ですが
「 心が豊かになって うれしい 」
という表現がとても素晴らしいと思います。
とても実感のこもった言葉に聞こえてきます。
同じ世界でも、嫌と思って見てしまうか、
ここで頑張ろうと心を決めてみるのでは180度違ってくると思います。
今日の 「 トンイ 」 の総集編でも脚本の方の一つ一つに言葉に対する
思い入れも感じることが出来ました。
素晴らしいドラマをありがとうございました。