本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

『 PPK 』

2012-07-27 21:17:23 | 住職の活動日記

 「 よかね~ !! 」

 「 おかあさんには もうしわけなかばってん

   あぎゃん 亡くなりかたしたかです。」

 

 最近、お参りに行くと、母と同世代の人から

よく聞く言葉です。

 「 PPK  」

 

 このごろは英語の3文字がはやります。

「 TPP 」  とか  「 AKB 」  とか  「 CEO 」  …  などなど

もっともっとたくさんあります。

 

 「 PPK 」  は単なる語呂合わせ

誰が言い出したかはわかりませんが、

「 ピン ピン コロリ 」 

死ぬまで元気で、最後は苦しまずにコロリと亡くなりたい。

 たしかに、本人にとってはいいかもしれません。

しかし、遺されたものには辛いものがあります。

なにもしてやれなかったという、悔いが残るのです。

せめて子どもとして看病の一つでも、

付き添って、食べさせたり、飲ませたりと、

そしてお別れの言葉でも言えれば、

それだけでいいのですが  …

 しかし、 「 死 」  ということは人間の計らいごとなど

お構いなしにやって来ます。

 

 最近届いた雑誌に

  「  ピン   ピン   キラリ   とした人生を 」

という見出しをみつけました。

 なるほど  ですね !

 「 ピン  ピン  コロリ 」  でなく、

「   キラリ  」  という表現はとてもいいですね。

 

 そいえば、母も  「 ピン ピン キラリ 」  とした

人生を送ったのではないか ?  と思います。

 90の年まで生涯現役で、亡くなるそのときまで、

為すべきことをして、次の計画に向かって、

日々歩み続けておられた。

 「 涅槃 」  とは何かが完成して、終わっていくのではなく、

目的に向かって歩みを止めないことが、 進行形のままで

終わっていくことが涅槃のような気がします。

 傍から見れば、道半ばかもしれませんが、

それはそれとして完成しているのでしょう。

未完成のままが完成、ということがあると思います。

 

 その日、一日為すべきことを為し終える

その時その時なすべきことを為し終える、ようなことが

人生を完成させていくのでしょう。

 時間の長短はあるとは思いますが、

短いは短いなりに精一杯いのちの限りをつくせば、

それはそれで人生として完成しているのです。

 一瞬、一瞬

    『 ピン ピン キラリ  』   

                  という人生を送りましょう。

 

 

 

コメント
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