本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

京都御所の迎賓館

2016-10-23 21:43:01 | 住職の活動日記

御所の一角に新しくなった迎賓館

申し込みをすれば誰でも見ることができます。

一見の価値あり!!

見事な造りもさることながら

その技術が伝承されるということも

大事なはたらきです。

 

 

玄関屋根の天井の造り

そこから手の入れように驚かされ、

 

 

待合の椅子の細工の繊細さ

やや薄暗く、

まず賓客に落ち着いてもらう

そのような仕掛けなのでしょうか?

 

 

「夕映えの間」に足を踏み込むと

パッと明るくなり

両脇の織物の画が出迎える

 

 

天上の工夫も面白く

光を天井に反射させ

その光がふりそそぐという、

 

そこから眺める池の景色

 

 

四国牟礼町の石を使った池

 

 

何気なく立っている石と

横たわっている石

これだけなんですが微妙な緊張感

が生まれています。

 

晩餐室である「藤の間」

 

 

この織物も見事です。

それよりも驚いたのは

 

 

この長押、20メートル以上あるような

大空間を生み出しています。

 

 

お料理はこういうセットで

出されるのでしょう。

その舞台にもなるところでしょうか

 

 

截金細工(きりがね)が美しい、

人間国宝の江里佐代子さんの

「響流光韻」(こうるこういん)

という舞台扉です。

 

また、釘隠しも凝っている

 

 

どこを見ても隙がない

 

 

ここの天井の照明も

細工が美しいものです。

 

ここからバックヤードを通り

 

 

厨房室も垣間見て、

和室の「桐の間」へ

 

 

圧巻はこのテーブル

12メーターほどの一本の木材から

漆の仕上げも見事で

蝋色(ろいろ)仕上げで磨き上げ

職人さんの手がやけどするほど

だったそうです。

 

そこから見る

庭の風情もがらりと変わり

 

 

四季折々の花が咲くよう

組み合わせて植えてあり、

ここの石も四国の牟礼町の石、

もしや牟礼町といえば

イサムノグチの美術館がある

そこの和泉正敏さんも関係

しておられるのかな?

 

 

そこから池を渡る渡り廊下

ここにも小さな遊び心

 

 

コオロギやトンボの透かし彫りが、

 

 

この渡り廊下からの眺めも

素晴らしく

 

 

池を囲むように建物が配置され

現代和の空間を作り上げています。

 

 

この池は舟遊びもでき

最初の方はブータン国王夫妻が

愉しまれたということです。

 

 

廊下には折り紙をイメージした

行燈が置かれています。

 

ふと気が付いたのですが

ちょうどいい温度設定

しかし、空気の吹き出し口は

見当たらない、

どこから出てくるかわかりませんが

全体をちょうどいい温度に

設定してあるそうです。

 

日本の技術の確かさが残っている

そういう建物・庭・織物・などなど

ありとあらゆる技術が集積された

空間です。

是非ぜひ一見の価値ありです。

 

 

 

 

 

コメント
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