本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

「山川異域・風月同天」&「温不増華・寒不改葉」

2020-04-13 20:54:54 | 住職の活動日記

コロナウイルス発生の時

日本から武漢へ

医療用マスクや医療品を

送りました

その時、段ボールの箱に

書かれていた言葉が

「山川異域・風月同天」

ということです

この言葉に

中国では大変感動したという

コメントが寄せられました。

 

それに対し

先日ですか中国より

サージカルマスクが30万枚

届けられたそうです

その時に書いてあった言葉が

諸葛孔明の

「温不増華・寒不改葉」

ということです。

 

こういう民際交流は

心熱くなるのもがあります。

日本から送った時の言葉は

古く、聖武天皇の頃(奈良時代)

長屋王が唐に送った千領の袈裟に

刺繍してあった言葉で

「山川異域・風月同天

 寄諸仏子・共結来縁」

という文句です

この言葉に感動して

鑑真和上は5回も失敗して

やっと六度目に渡航を果たし

日本に戒律を伝えました。

そのときにで来たお寺が

「唐招提寺」です。

 

その時、唐に向かったのが

第九次遣唐使です

その中には若き僧

普照フショウ・栄叡ヨウエイ達が

いました。

暴風雨に見舞われやっとの思いで

唐に着くことが出来ました

唐には阿倍仲麻呂もいたのです。

袈裟に書かれていた言葉も

鑑真の心を動かしたのでしょうが

やはり若き僧たちの熱意に

日本へ行く決心をしたのでしょう。

 

山川異域(サンセン イキヲコトニスレドモ)

風月同天(フウゲツ テンヲオナジウス)

寄諸仏子(モロモロノブッシヲヨセテ)

共結来縁(トモニライエンヲムスバン)

(共に来たって縁を結ぼう)

ということでしょう

 

日本から送る時に

よくぞ

この言葉を選ばれたと思います。

 

中国からもまた

諸葛孔明の言葉を添えて

送られたのもなんともいいですね

この言葉にも前後があって

「立派な人間の友情は

温かいからといって

花を増やすこともなければ

寒いからといって

葉を枯らすこともない

どんな時でも衰えず

順境と逆境を経験して

友情はいよいよ堅固なものに

なっていく」

という言葉が連なています。

 

いま中国は

いろいろの国にマスクを

送っておられるようです

困ったときはお互い様

一応の収束を見たので

送られているようです。

 

しかし、

このことも微妙な問題で

送りつつも

変わらず尖閣諸島には

巡視船が毎日のように来ている

また、

5Gの問題では

アメリカとの覇権争い

ヨーロッパではファーウェイは

いいものの

NATOとのつながりもあり

苦しい選択を迫られている

ということです。

 

自国ファーストというのも

自分さえよければいい

というのも問題ですし

すべてが国家に管理されていく

そういう体制も問題があるように

コロナウイルスという

意外な所から

世界のありようが変わろうと

しているような気がします。

 

注意深く見守らなければ!!

 

 

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする