本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

牡丹落花

2020-04-20 20:40:12 | フラワー

豪華絢爛に咲いた牡丹の花も

最後の一輪が咲いて

今年の花はこれが見納めです

 

 

前の二輪は落花してしまいました

というより

本体が痛まないようにと

切ってしまったのです

 

 

最後の一輪

もう満開もやや過ぎて

花びらも風に踊っているようです

 

今頃はもう

桜も散ってしまったでしょう

 

「うらみずや うき世を

  花のいとひつつ

 さそふ風あらばと

   思ひけるをば」

 

と、藤原俊成の女とありますが

養女にした孫娘です

素晴らしい詠み手で、

この歌も

「人は恨まないのだろうか

 つらいこの世の中を

 花が厭わしいと思いながら

 誘う風が吹いてきたら

 いっそ散ってしまおうと

 思ったことを」

という意味を含んでいます。

 

私たちは花を楽しんで眺め

愛でていますが

花自身は

時期がくれば散っていきます

花を咲かすのも全力のハタラキ

それが終わると

今度は次の準備で

葉を思いっきり広げ

養分を蓄える作業に

入っていきます。

 

しかし、

花だけが美しいのではなく

新芽を出し始める

燃えるような葉のつぼんだ姿

その葉が開き

花芽を膨らませて

開花して散っていく

寒さに向かって力を蓄え

根を養い育てていきます

そして葉を落とし

幹だけになって

寒い冬を迎えます

寒さに逆らうことなく

ジッと耐えて次の春を待つ

 

咲くだけが美しいのではなく

どの一瞬にしても

それぞれが美しいのです

 

私たちも

生老病死、どの一瞬も

美しくありたいものです

我執を離れたところに

美しさが生まれるように

思うのですが

 

「初めも美しく

 中も美しく

 終わりも美しくあれ」

 

とは、お釈迦さまの言葉ですが

そのようにありたいものです。

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする