本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

十地とは

2021-01-18 20:24:41 | 十地経

安田先生の「十地経講義」は

おもに、第七地・第八地あたりを

講義しておられます。

十地といってもそこが一番の

中心課題なのでしょう。

そこで他に「地」はどのような

ものがあるか

辞書を調べてみました。

 

第一は「初歓喜地」ショカンギジ

初めて教えを聞き大いに喜びの

心がおきるという位で、

見地(見道の智慧が生まれた)

堪忍地(耐えるということも

さらに無生法忍の智慧が起こる

ということ)

無生法忍は八地でも出てきますが

初地でも出てきます。

ものごとすべて歓喜がなければ

始まりません。

 

第二離垢地(リクジ)

垢というのは煩悩です

煩悩を離れる位。

具戒地、増上戒地ともいい

戒が具わるという位です。

 

第三明地(ミョウジ)

発光地(ホッコウジ)ともいい

禅定によって智慧の光を得て

聞・思・修の三慧にしたがって

真理があかされる位。

 

第四炎地(エンジ)

焔慧地(エンネジ)ともいい

智慧の火が煩悩の薪を焼いて

炎とするように

いよいよ智慧の炎が燃えるように

智慧の本体を見極める位。

 

第五難勝地(ナンショウジ)

確かな智慧を得て

それ以上に進むことが困難と

される位とも、

出世間の智を得て自在に

方便をもって救い難いものを救う

ともいいます。

 

よく講義で出てくるのは

「雑夾性」ということを言われます

智慧を得たといっても

そこにはまだ混じり気があって

その智慧を純化していく修行が

十地という段階だと

仰っています。

ですから、

ずっと智慧ということが

出てきますが繰り返し

それはそういうことで

一度智慧を獲たならば

それでいいということではなく

さらにさらにと智慧を磨いていく

ということです。

 

第六現前地(ゲンゼンチ)

智慧が目の前に現れてくる

という位。

般若波羅蜜ということと

対比して出てきます。

 

第七遠行地(オンギョウチ)

遠くへ行くと書きますが

行が完成するという位で

今までは世間の知恵と変わらない

ところもあるのですが

ここからが一応区別される

ところです

そしてこの位は「七地沈空」

といって、空に沈むという

大きな難関のところです。

「上に求めるべき菩提もなく

下に救うべき衆生もいない」と

見て、修行が出来なくなる

という十地の中でも一番の難です

 

この時、

十方の諸仏が七種の法をもって

勧め励まされるので

再び勇気を奮い起こして

修行に励み八地へと進むと

いわれています。

 

第八不動地(フドウチ)

無相の智慧が絶え間なく起こって

もう決して煩悩に動かされない

という位。

ですから色自在地とも決定地とも

無行無開発無相住ともいわれます。

 

第九善慧地(ゼンネジ)

菩薩の障さわりのない力で説法し

利他行を完成し智慧のはたらきが

自在な位。

心自在地、決定行地、無碍住とも

いわれます。

 

第十法雲地(ホウウンジ)

大法身を得て自在力を具える位。

究竟地、最上住ともいう。

 

ということです。

その名前だけでも知っておくと

便利ではないかと思います。

私自身ふと出てこなくなる時が

あるのでそのためにも記して

おきました。

 

 

 

 

 

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