本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

老化と進化と深化

2023-05-26 20:31:03 | 住職の活動日記

咲き誇っていたアマリリス

盛りを過ぎて

やや葉も萎みかけています

 

 

南向きなのでしょう

普通は4輪十文字に開く

のですが

4輪とも南に向かって

花を広げています

 

 

ふと、思うのですが

成長、進化とかありますが

いつの時点で

老化が始まるのでしょうか

科学の世界では

エイジングといいますが

老化というのは

細胞が生まれたときから

始っているそうです

 

気持ちだけは老化しない

いつまでも昔の若かりし頃の

自分のままでいる

しかし、

出かけるのは病院通い

あちこち不具合が出てきます

何でだろう??

それが老化です!!

 

なにかしら、前に向かって

前進、前進と

声かけしますが

以前、檀家の方

「前を向いたらあの世しか

ありません」

という答えが返ってきます

いくら

人生百年時代といっても

早々元気でおれる期間は

まじかに迫っています

 

あとは、残された道は

「深化」しかありません

自分の人生を振り返り

その人生を深めていく

それが唯一できることの

ように思います

 

「深心妙行」

よく安田先生が色紙に

書いておられた言葉です

「深いところに立って

 自由にはたらく」

ということです

さとりの世界を表現した

言葉です

 

しかしながら

私たちの日々の生活は

浅い心ですぐ腹を立て

落ち込んだり調子に乗ったり

と見るもの聞くものに

振り回される毎日です

 

 

今年は初めてですが

次の蕾が出てきております

本当に

「ご苦労さま、こんにちは」

ということです

こんな見事な花を咲かせ

ご苦労さまでした

とお礼を言っていたのですが

それに応えるように

また次の花を伸ばしている

 

生まれて成長して

見事に花を結び

花は萎み始め

更にまた新たな蕾を

膨らませている

 

この小さな鉢のなかで

成長と老化と繰り返している

ただボウーっと見るのでなく

花の不思議を思い

その命のハタラキの凄さに

驚きしみじみと眺める

 

思い出していくと

恥ずかしくなるような

失敗ばかり

そういうことも

忘れ去るのでなく

一つ一つ思い出し

恥ずかしいと思い直すのも

今までの自分のことの

深化なのかもしれません

 

いくらエイジングに

逆らってみても

着実に老化の道を

日々歩んでいるのです

そういうことは

心の奥に置いて忘れず

しかしそれだけに

囚われてしまうと

日々の動きが取れません

老化と向き合っていく

本当に大変で残酷なような

不安なような

難しい時なのですね。

 

 

 

 

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