2016/08/22にデジカメinfoに掲載されたK-1の白点問題↓
http://digicame-info.com/2016/08/pentax-k-1.html
を検証しました。
この問題が真実だとすれば、天体写真撮影に於いて大問題です。
では、初めに検証結果を申し上げます。
<検証結果>
PENTAX K-1の長秒時露光に於いて、白点ノイズが大量に発生した。
<発生条件>
JEPG記録された画像にのみ、この白点ノイズが大量に発生した。
同時記録されたRAW画像には発生していない。
つまり、RAWとJPEGでノイズが全く異なる。
<K-1以外のカメラでも発生するのか?>
K-5 , K-5Ⅱs , K-30 , K-3 , K-1で確認したが、K-1のみで発生した。
<対策はあるのか?>
RAWで撮影した場合、この白点ノイズは発生していない。
また、ダーク減算の手順を正しく行うことで通常ノイズはキレイサッパリ
消えるため、実際には影響がない。
つまり、天体写真をRAWで撮っている限りは影響がない。
ダーク減算をしなくても、そもそも白点ノイズが発生していない。
<JPEG撮影ではどうなのか?>
JPEGで天体撮影を行うと、残念ながら大量の白点ノイズにまみれる
結果となる。ステライメージなどによるホット・クールピクセル除去
はJPEG画像の特性を考えれば無意味であり、殆ど効果が無かった。
では、JPEGで撮ったダークを引いたらどうなるかと言うと、
哀れ、黒抜けのポツポツ画像となるのであった。
|
+->よって、JPEGで撮るなら長秒時NRをONで撮る必要がある。
<対策>
RAW+JPEGで撮るべきである。
----------
以上より、
JPEG一発撮りで星景写真を撮る場合に影響がある。
特に岩陰などをトーンカーブで持ち上げた場合など、
大いに影響がある。
----------
それでは実際のデータを見てみましょう。
いずれも長秒時NRはOFFです。
まずは、同時記録したRAWとJPEGの違いです。
K-1_ISO3200_180sec_Dark画像
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/8f/979d1b8dd3e5ca95dffa1591508e6cd1.jpg)
ステライメージ7と言う天体撮影画像用ソフトを用い、諧調をσ(1.3)
に超強調した結果です。全く違う画像かと思いたいところですが、
間違いなく同時記録したデータです。
撮影日時:2016/07/06-07
撮影場所:三峰ヘリポート(標高850m)
天候:快晴・微風・結露なし
気温:19℃
この時に撮影したIC5067ペリカン星雲のJPEG1枚画がコレ。
K-1_ISO3200_180sec(200%拡大)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/71/ee/1be38584172d88166ce9f38dc18b094d.jpg)
言われてみれば不自然な白点が沢山写っています。
では、JPEGで撮ったダーク減算をやってみると・・・
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3b/4e/aaf53947e0e63232806a9068c1593aed.jpg)
哀れ黒点々の嵐になってしまいました。
そもそもJPEGでダーク減算が上手く行く道理がありません。
追記 2016/08/25
Photoshop ccのフィルターでダスト&スクラッチ除去と言うのが
あります。これを1pixelで適用したらアッサリ消えてしまいました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/36/fa/96c69d22b15727f6024744febd197d41.jpg)
2pixel適用でも画像的には殆ど影響がなく、更に白点が無くなりました。
この画像はJPEG1枚撮りなので、星景写真をJPEGで撮っても問題が無い
レベルになりますね。しかも200%拡大画像です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/a3/6ec3bae0a4a75251674b2abd1eae6d87.jpg)
では、同時記録のRAW画像ではどうでしょうか。
RAW1枚撮り画像
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3a/98/6952444427562bc20da5e2e7f2864862.jpg)
RAW1枚撮り画像にダーク減算を実施
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/57/7b/b972c89d3792f584d8030dc6fe9fcaa8.jpg)
見事にノイズレス画像となりました。
次に、
この白点ノイズは再現性があるのか? を検証しました。
この時に撮影した複数枚のダーク画像を比べてみたところ、
どうやらノイズの位置再現性があるようです。
K-1_ISO3200_180sec_Dark画像ピクセル等倍1
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6f/f4/5ba68e129443d2ff9a56babc6730bc96.jpg)
K-1_ISO3200_180sec_Dark画像ピクセル等倍2
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/7d/de651980d75cb34ba7150ee128f5ccc6.jpg)
K-1_ISO3200_180sec_Dark画像ピクセル等倍3
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/6e/a9c791a3f208bd78c0da84817c83ab41.jpg)
それでは、歴代PENTAXのデジイチではどうか見てみましょう。
K-5_ISO800_600sec_ピクセル等倍JPEG画像
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2c/47/ee73ed9b018eceb3e94487d4a9910fc2.jpg)
K-5Ⅱs_ISO3200_600sec_ピクセル等倍JPEG画像
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5e/80/2a9b9c1d5c582c3369e28a544864e60a.jpg)
K-30_ISO1600_611sec_ピクセル等倍JPEG画像
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/55/dc/8f67af02a5c0ecb3212d17273b5b8441.jpg)
K-3_ISO800_600sec_ピクセル等倍JPEG画像
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/01/35/aef8ddc99c0ea2251e83208b8f77d94c.jpg)
どのカメラでも白点問題と呼べそうなノイズは発生していません。
K-5の頃からISO800はもの凄く低ノイズだったと分かります。
-------------
<まとめ>
追記 2016/08/25
翌日の記事も合わせてお読みください。
http://sky.ap.teacup.com/eti_forest/628.html
白点ノイズはJPEG画像で記録する際に発生しているようです。
星景写真を撮る場合にも、必ずRAW+JPEGで撮るようにしましょう。
とは言え、
昨日まで私もこの問題に気が付いておらず、価格.comの口コミにも
K-1で撮影した天体画像を多数投稿していました。↓
http://bbs.kakaku.com/bbs/K0000856761/SortID=19833100/
K-1のJPEGは発色が良く、優秀ですね!
というコメントも残しています。
つまり、言われなければ気が付かなかったということです。
上記のRAWとJPEGの同時記録ダーク画像はあり得ない程に諧調を狭め、
超強調処理をしたものです。
私が価格.comに投稿した画像も、殆どがJPEGで処理した画像です。
RAWはこれから本気でやっていこうと思っていたところです。
(SI7がK-1に対応してくれたので)
確かにJPEGで撮ると白点が発生し、超強調処理をする天体写真では
気にはなります。しかし、デジカメinfoのリンク先画像は如何なものか
と思います。まず、定量的なデータが記載されていません。
この時点でアウトですね。
一体、どれだけの強調処理をやったのでしょうか?
このような神経質な記事を公表するなら、キチンとデータを示さな
ければならないと思います。
本件はリコーイメージングへ改善要求を上げておきます。
以上。
http://digicame-info.com/2016/08/pentax-k-1.html
を検証しました。
この問題が真実だとすれば、天体写真撮影に於いて大問題です。
では、初めに検証結果を申し上げます。
<検証結果>
PENTAX K-1の長秒時露光に於いて、白点ノイズが大量に発生した。
<発生条件>
JEPG記録された画像にのみ、この白点ノイズが大量に発生した。
同時記録されたRAW画像には発生していない。
つまり、RAWとJPEGでノイズが全く異なる。
<K-1以外のカメラでも発生するのか?>
K-5 , K-5Ⅱs , K-30 , K-3 , K-1で確認したが、K-1のみで発生した。
<対策はあるのか?>
RAWで撮影した場合、この白点ノイズは発生していない。
また、ダーク減算の手順を正しく行うことで通常ノイズはキレイサッパリ
消えるため、実際には影響がない。
つまり、天体写真をRAWで撮っている限りは影響がない。
ダーク減算をしなくても、そもそも白点ノイズが発生していない。
<JPEG撮影ではどうなのか?>
JPEGで天体撮影を行うと、残念ながら大量の白点ノイズにまみれる
結果となる。ステライメージなどによるホット・クールピクセル除去
はJPEG画像の特性を考えれば無意味であり、殆ど効果が無かった。
では、JPEGで撮ったダークを引いたらどうなるかと言うと、
哀れ、黒抜けのポツポツ画像となるのであった。
|
+->よって、JPEGで撮るなら長秒時NRをONで撮る必要がある。
<対策>
RAW+JPEGで撮るべきである。
----------
以上より、
JPEG一発撮りで星景写真を撮る場合に影響がある。
特に岩陰などをトーンカーブで持ち上げた場合など、
大いに影響がある。
----------
それでは実際のデータを見てみましょう。
いずれも長秒時NRはOFFです。
まずは、同時記録したRAWとJPEGの違いです。
K-1_ISO3200_180sec_Dark画像
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/8f/979d1b8dd3e5ca95dffa1591508e6cd1.jpg)
ステライメージ7と言う天体撮影画像用ソフトを用い、諧調をσ(1.3)
に超強調した結果です。全く違う画像かと思いたいところですが、
間違いなく同時記録したデータです。
撮影日時:2016/07/06-07
撮影場所:三峰ヘリポート(標高850m)
天候:快晴・微風・結露なし
気温:19℃
この時に撮影したIC5067ペリカン星雲のJPEG1枚画がコレ。
K-1_ISO3200_180sec(200%拡大)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/71/ee/1be38584172d88166ce9f38dc18b094d.jpg)
言われてみれば不自然な白点が沢山写っています。
では、JPEGで撮ったダーク減算をやってみると・・・
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3b/4e/aaf53947e0e63232806a9068c1593aed.jpg)
哀れ黒点々の嵐になってしまいました。
そもそもJPEGでダーク減算が上手く行く道理がありません。
追記 2016/08/25
Photoshop ccのフィルターでダスト&スクラッチ除去と言うのが
あります。これを1pixelで適用したらアッサリ消えてしまいました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/36/fa/96c69d22b15727f6024744febd197d41.jpg)
2pixel適用でも画像的には殆ど影響がなく、更に白点が無くなりました。
この画像はJPEG1枚撮りなので、星景写真をJPEGで撮っても問題が無い
レベルになりますね。しかも200%拡大画像です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/a3/6ec3bae0a4a75251674b2abd1eae6d87.jpg)
では、同時記録のRAW画像ではどうでしょうか。
RAW1枚撮り画像
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3a/98/6952444427562bc20da5e2e7f2864862.jpg)
RAW1枚撮り画像にダーク減算を実施
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/57/7b/b972c89d3792f584d8030dc6fe9fcaa8.jpg)
見事にノイズレス画像となりました。
次に、
この白点ノイズは再現性があるのか? を検証しました。
この時に撮影した複数枚のダーク画像を比べてみたところ、
どうやらノイズの位置再現性があるようです。
K-1_ISO3200_180sec_Dark画像ピクセル等倍1
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6f/f4/5ba68e129443d2ff9a56babc6730bc96.jpg)
K-1_ISO3200_180sec_Dark画像ピクセル等倍2
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/7d/de651980d75cb34ba7150ee128f5ccc6.jpg)
K-1_ISO3200_180sec_Dark画像ピクセル等倍3
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/6e/a9c791a3f208bd78c0da84817c83ab41.jpg)
それでは、歴代PENTAXのデジイチではどうか見てみましょう。
K-5_ISO800_600sec_ピクセル等倍JPEG画像
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2c/47/ee73ed9b018eceb3e94487d4a9910fc2.jpg)
K-5Ⅱs_ISO3200_600sec_ピクセル等倍JPEG画像
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5e/80/2a9b9c1d5c582c3369e28a544864e60a.jpg)
K-30_ISO1600_611sec_ピクセル等倍JPEG画像
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/55/dc/8f67af02a5c0ecb3212d17273b5b8441.jpg)
K-3_ISO800_600sec_ピクセル等倍JPEG画像
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/01/35/aef8ddc99c0ea2251e83208b8f77d94c.jpg)
どのカメラでも白点問題と呼べそうなノイズは発生していません。
K-5の頃からISO800はもの凄く低ノイズだったと分かります。
-------------
<まとめ>
追記 2016/08/25
翌日の記事も合わせてお読みください。
http://sky.ap.teacup.com/eti_forest/628.html
白点ノイズはJPEG画像で記録する際に発生しているようです。
星景写真を撮る場合にも、必ずRAW+JPEGで撮るようにしましょう。
とは言え、
昨日まで私もこの問題に気が付いておらず、価格.comの口コミにも
K-1で撮影した天体画像を多数投稿していました。↓
http://bbs.kakaku.com/bbs/K0000856761/SortID=19833100/
K-1のJPEGは発色が良く、優秀ですね!
というコメントも残しています。
つまり、言われなければ気が付かなかったということです。
上記のRAWとJPEGの同時記録ダーク画像はあり得ない程に諧調を狭め、
超強調処理をしたものです。
私が価格.comに投稿した画像も、殆どがJPEGで処理した画像です。
RAWはこれから本気でやっていこうと思っていたところです。
(SI7がK-1に対応してくれたので)
確かにJPEGで撮ると白点が発生し、超強調処理をする天体写真では
気にはなります。しかし、デジカメinfoのリンク先画像は如何なものか
と思います。まず、定量的なデータが記載されていません。
この時点でアウトですね。
一体、どれだけの強調処理をやったのでしょうか?
このような神経質な記事を公表するなら、キチンとデータを示さな
ければならないと思います。
本件はリコーイメージングへ改善要求を上げておきます。
以上。