結論から先に書きましょう。
DC12[V]で使う撮影用機材のバッテリーにリチウムイオン電池を使う場合、
****[mAh]表記を3.75で割ると車用バッテリーの5時間率容量と
なります。
例えば、前記事のTACK LIFE T6ジャンプスターター用リチウムポリマー電池
は16500[mAh]ですが、3.75で除算して4400[mAh]となります。
つまり、4.4Ah/5時間率のバッテリーとして利用できます。
検証と理由
<検証>
SkyMax改イギリス式はDC12[V] 2.8[A]平均で動作しています。
TACK LIFE T6 ジャンプスターター満充電のDC12[V]出力で測定開始
1時間30分後、残量20%以下になったので終了。
T6は16500[mAh]ですから、3.75で除算して4.4Ah/5HR
の12V車用バッテリーと言えます。
4.4Ah÷2.8A=1.57時間ですから、ほぼ仕様通りの性能
だと言えます。
T6はまた、61Whの容量を持つと仕様に書いてあります。
これは電力です。電力は電圧と電流の積で決まります。
つまり、61÷12V=5.083Aです。
よって、
T6は5Ah/5時間率のバッテリーだと言うことです。
<理由>
さて、
では何故3.75で除するのでしょうか?
リチウムイオン電池の1セル電圧は3.2~3.7Vです。
12V車用のバッテリーを作るには4セル直列結線で使います。
つまり、
12.8V~14.8Vとなります。
ちなみに、鉛蓄電池の1セル電圧は2.1Vですから、
6セル直列結線で12.6Vとなっています。見慣れた値ですね!
リチウムイオン電池の場合、最低でも12.8Vになりますから、
バッテリーメーカは既定の最低値(1セル3.2V)を適用している
と思われます。
12V÷3.2V=3.75ですね。
リチウムイオン電池の容量表記16500mAhなどは、
実は1セルに対しての容量表記です。
なので、
正確には16500mAh/3.2Vまたは3.6Vなどと記載するべきです。
しかし、3.6Vで計算すると容量表記が減少するため、最低限の3.2Vで
計算して記載していると思われます。
鉛ディープサイクルバッテリーで遠征用電源を組むと、最低限20Kg
程度となって大変に重い電源となってしまいますよね。
そこで、
最近安価になってきた、大容量ポータブルリチウムバッテリーに目が行きます。
これなどは、194000mAh/700Whの大容量です。
確かに大容量なのは分かりますが、実際にはどのくらい使えるもの???
って思いますよね。
そこで、
194000÷3.75=51733mAh/12V(5時間率)として
51.7Ah/5時間率で遠からずです。
つまり、
10.34Aの電流で5時間使えるバッテリーだと言うことです。
使用電流が減ればもっと使える時間が伸びます。
例えば、2.8A平均の上記システムでは20時間程度が期待できます。
もう一つ見て頂きたいのが700Whと言う値。
これは電力ですから、700W÷12V=58.33Aとなります。
つまり、
58.33Ah/5時間率のバッテリーと言うことです。
この5時間率は国内の自動車用バッテリーで標準的に使われている
時間率です。ディープサイクルバッテリーでは20時間率が多いです。
当然に数字が小さい方が取り出せる電流が大きくなり、高性能だと
言えます。通信用バッテリーやメモリーバックアップ用バッテリーでは、
自動車のセルモータを駆動できません。
リチウムイオン電池メーカでは”C”という概念で性能評価を行って
いるようです。1Cとか0.2Cとか見たことありませんか?
この0.2Cこそが、5時間率に相当する評価基準です。
なので、
巷のリチウムイオン電池の容量表記は5時間率で間違いないです。
こちらのポータブル電源は正直に書いてあります。
626Wh/174000mAh/3.6V/正弦波100V日本仕様
ここまでハッキリ、定量的に記載がされていると信頼できそうです。
正弦波100V日本仕様とも明記されています。
626Wh÷12V=52.16Ah/5時間率のバッテリーです。
174000÷3.33V=52.25Ah/5時間率でほぼ同じ。
信頼できそうですねえ~(-。-)y-゜゜゜
ちなみに、12V÷3.6V=3.33333です。
と言うことで、
上記程度のリチウムイオンポータブル電源であれば、
AC DelcoボイジャーやG&Yuの鉛ディープサイクルバッテリー
と、ほぼ同容量ですね。しかもソーラーパネルオプションがあったり、
高効率、長寿命は鉛バッテリーの比ではありませんからねえ~。
車中泊で電子レンジや炊飯器を使うわけでなし、
天体観測遠征用バッテリーは、そろそろ鉛からリチウムイオンに置き換わる
時期でしょうね。
オマケですが、
最近の車は燃費性能向上を理由に、バッテリーの充電制御を行っています。
メインバッテリーの電圧が一定以上ある場合、オルタネータから充電を
行いません。結果、旧車よりも常にメインバッテリーの電圧が低い傾向が
あります。これは、つまり、
キャンピングカーなどで使用している走行充電器が旧式のままでは、
サブバッテリーを満充電できないことを意味しています。
対策として、昇圧式走行充電器(セパレータ)が発売され始めました。
さらにオマケですが、
鉛ディープサイクルバッテリーは16V以上掛けないと満充電されない
などの情報が氾濫していますけど、鉛蓄電池の最大充電電圧は14.5V
程度ですよ。AC Delcoボイジャーでも、満充電後のフローティング電圧は
13.5Vとなっています。
中には、16Vの定電流回路を組んでディープサイクルバッテリーに
突っ込み、電解液をボコボコ言わせて喜んでいる方が居ますが、
水素ガスに引火して大けがしますよ。
このあたり、勘違いしているんですよね。
鉛蓄電池の理想充電パターンはCCCV方式です。
これはAC Delco AD0002の充電パターンです。
終止電圧10.5Vに達した空っぽの鉛蓄電池を充電する場合、
初めは定電流充電を行います。(Constant Current)
容量の1/10電流でガンガン充電されて行きます。
端子電圧が14.4Vに達すると、一般的には最大充電電圧となって
電流が入って行かなくなります。
安価な充電器では、ここで充電をストップしてしまいます。
しかし、
バッテリーの電解液比重が安定するまでには2時間から3時間必要です。
本当であれば、3時間ほど待ってから再充電を行えばまだ充電できます。
これでは時間が掛かり過ぎて無駄なため、この充電器ではマイコン制御
で電圧を上げて更に充電を続行します。ただし、このステージでは
電流を徐々に減らして行く制御を行っています。
この時の電圧が16Vから、時には17Vに達することから、
ディープサイクルバッテリーは16V掛けないと満充電にならない・・・
と言う都市伝説が生まれました。
大切なのは、このステージは電流値を下げて行くことです。
ここで定電流のまま突っ込んだらエライことになります。
電解液が沸騰し、水素ガスが大発生します。
最悪、爆発して火災を起こす可能性があります。
ここで電流が入らなくなったら充電は完了となり、満充電です
その後は電圧を下げ、定電圧充電(Connstant Voltage)状態を維持します。
それでも電流が入らず安定していたら充電完了となります。
この時の端子電圧は13.8V程度になっています。
充電器を取り外し、3時間ぐらいすると13.5V程度に下がります。
これが正常なディープサイクルバッテリーのフロート電圧(満充電電圧)です。
更にさらに書きますと、
車のシガーソケットから充電する走行充電器も存在しますが、
そもそも、シガーソケットの電圧は12.0V程度です。
既定の10Aなど流した日ににゃあ、11.5Vもザラに発生します。
充電制御車であれば、さらに低い電圧になるかもしれません。
なので、
終止電圧10.5Vに達したバッテリーを走行充電した場合、
せいぜい70%程度の充電率が良いところでしょう。
しかも、最後の方はシガーソケットの電圧12.0Vと、サブバッテリーの
電圧がほぼ同じとなり、なかなか電流が入って行きません。
それでもいつかは12.0Vになりますけど、せいぜい70%ですね。
ちなみに、
車のオルタネータ(発電機)電圧は13.8V程度です。
旧車の場合で、かつ、運良くシガーソケットに13Vが出てくる車であれば
期待できます。いつかは鉛蓄電池の満充電フローティング電圧、12.6V
に達することができるでしょう。
まあ、
それでもあると便利なツールでしょうね。
70%の容量があれば、かなり助かりますから。
ただし、帰宅後はこまめに別の充電器で満充電まで行う必要があります。
鉛蓄電池は、常時満充電でこそ性能と寿命を発揮するからです。
対してリチウムイオン電池は、常時満充電放置は危険です。
長期保管なら60%程度が安全です。
メモリー効果が無いことからチョビチョビ追加充電ができますけど、
その場合は、せいぜい80%を目途にすると良いです。
常時100%に張り付くチョビチョビ充電はバッテリーの化学反応的に
危険だし、大きく寿命を縮めてしまいます。
そう考えると、
シガーライター方式充電器をリチウムイオンバッテリーで使うのは良い
ですね。ポータブルバッテリーにはシガープラグ充電ケーブルが付属
していますから、やはり今後は鉛ディープサイクルバッテリーの出番は
無くなってくるでしょう。
DC12[V]で使う撮影用機材のバッテリーにリチウムイオン電池を使う場合、
****[mAh]表記を3.75で割ると車用バッテリーの5時間率容量と
なります。
例えば、前記事のTACK LIFE T6ジャンプスターター用リチウムポリマー電池
は16500[mAh]ですが、3.75で除算して4400[mAh]となります。
つまり、4.4Ah/5時間率のバッテリーとして利用できます。
検証と理由
<検証>
SkyMax改イギリス式はDC12[V] 2.8[A]平均で動作しています。
TACK LIFE T6 ジャンプスターター満充電のDC12[V]出力で測定開始
1時間30分後、残量20%以下になったので終了。
T6は16500[mAh]ですから、3.75で除算して4.4Ah/5HR
の12V車用バッテリーと言えます。
4.4Ah÷2.8A=1.57時間ですから、ほぼ仕様通りの性能
だと言えます。
T6はまた、61Whの容量を持つと仕様に書いてあります。
これは電力です。電力は電圧と電流の積で決まります。
つまり、61÷12V=5.083Aです。
よって、
T6は5Ah/5時間率のバッテリーだと言うことです。
<理由>
さて、
では何故3.75で除するのでしょうか?
リチウムイオン電池の1セル電圧は3.2~3.7Vです。
12V車用のバッテリーを作るには4セル直列結線で使います。
つまり、
12.8V~14.8Vとなります。
ちなみに、鉛蓄電池の1セル電圧は2.1Vですから、
6セル直列結線で12.6Vとなっています。見慣れた値ですね!
リチウムイオン電池の場合、最低でも12.8Vになりますから、
バッテリーメーカは既定の最低値(1セル3.2V)を適用している
と思われます。
12V÷3.2V=3.75ですね。
リチウムイオン電池の容量表記16500mAhなどは、
実は1セルに対しての容量表記です。
なので、
正確には16500mAh/3.2Vまたは3.6Vなどと記載するべきです。
しかし、3.6Vで計算すると容量表記が減少するため、最低限の3.2Vで
計算して記載していると思われます。
鉛ディープサイクルバッテリーで遠征用電源を組むと、最低限20Kg
程度となって大変に重い電源となってしまいますよね。
そこで、
最近安価になってきた、大容量ポータブルリチウムバッテリーに目が行きます。
これなどは、194000mAh/700Whの大容量です。
確かに大容量なのは分かりますが、実際にはどのくらい使えるもの???
って思いますよね。
そこで、
194000÷3.75=51733mAh/12V(5時間率)として
51.7Ah/5時間率で遠からずです。
つまり、
10.34Aの電流で5時間使えるバッテリーだと言うことです。
使用電流が減ればもっと使える時間が伸びます。
例えば、2.8A平均の上記システムでは20時間程度が期待できます。
もう一つ見て頂きたいのが700Whと言う値。
これは電力ですから、700W÷12V=58.33Aとなります。
つまり、
58.33Ah/5時間率のバッテリーと言うことです。
この5時間率は国内の自動車用バッテリーで標準的に使われている
時間率です。ディープサイクルバッテリーでは20時間率が多いです。
当然に数字が小さい方が取り出せる電流が大きくなり、高性能だと
言えます。通信用バッテリーやメモリーバックアップ用バッテリーでは、
自動車のセルモータを駆動できません。
リチウムイオン電池メーカでは”C”という概念で性能評価を行って
いるようです。1Cとか0.2Cとか見たことありませんか?
この0.2Cこそが、5時間率に相当する評価基準です。
なので、
巷のリチウムイオン電池の容量表記は5時間率で間違いないです。
こちらのポータブル電源は正直に書いてあります。
626Wh/174000mAh/3.6V/正弦波100V日本仕様
ここまでハッキリ、定量的に記載がされていると信頼できそうです。
正弦波100V日本仕様とも明記されています。
626Wh÷12V=52.16Ah/5時間率のバッテリーです。
174000÷3.33V=52.25Ah/5時間率でほぼ同じ。
信頼できそうですねえ~(-。-)y-゜゜゜
ちなみに、12V÷3.6V=3.33333です。
と言うことで、
上記程度のリチウムイオンポータブル電源であれば、
AC DelcoボイジャーやG&Yuの鉛ディープサイクルバッテリー
と、ほぼ同容量ですね。しかもソーラーパネルオプションがあったり、
高効率、長寿命は鉛バッテリーの比ではありませんからねえ~。
車中泊で電子レンジや炊飯器を使うわけでなし、
天体観測遠征用バッテリーは、そろそろ鉛からリチウムイオンに置き換わる
時期でしょうね。
オマケですが、
最近の車は燃費性能向上を理由に、バッテリーの充電制御を行っています。
メインバッテリーの電圧が一定以上ある場合、オルタネータから充電を
行いません。結果、旧車よりも常にメインバッテリーの電圧が低い傾向が
あります。これは、つまり、
キャンピングカーなどで使用している走行充電器が旧式のままでは、
サブバッテリーを満充電できないことを意味しています。
対策として、昇圧式走行充電器(セパレータ)が発売され始めました。
さらにオマケですが、
鉛ディープサイクルバッテリーは16V以上掛けないと満充電されない
などの情報が氾濫していますけど、鉛蓄電池の最大充電電圧は14.5V
程度ですよ。AC Delcoボイジャーでも、満充電後のフローティング電圧は
13.5Vとなっています。
中には、16Vの定電流回路を組んでディープサイクルバッテリーに
突っ込み、電解液をボコボコ言わせて喜んでいる方が居ますが、
水素ガスに引火して大けがしますよ。
このあたり、勘違いしているんですよね。
鉛蓄電池の理想充電パターンはCCCV方式です。
これはAC Delco AD0002の充電パターンです。
終止電圧10.5Vに達した空っぽの鉛蓄電池を充電する場合、
初めは定電流充電を行います。(Constant Current)
容量の1/10電流でガンガン充電されて行きます。
端子電圧が14.4Vに達すると、一般的には最大充電電圧となって
電流が入って行かなくなります。
安価な充電器では、ここで充電をストップしてしまいます。
しかし、
バッテリーの電解液比重が安定するまでには2時間から3時間必要です。
本当であれば、3時間ほど待ってから再充電を行えばまだ充電できます。
これでは時間が掛かり過ぎて無駄なため、この充電器ではマイコン制御
で電圧を上げて更に充電を続行します。ただし、このステージでは
電流を徐々に減らして行く制御を行っています。
この時の電圧が16Vから、時には17Vに達することから、
ディープサイクルバッテリーは16V掛けないと満充電にならない・・・
と言う都市伝説が生まれました。
大切なのは、このステージは電流値を下げて行くことです。
ここで定電流のまま突っ込んだらエライことになります。
電解液が沸騰し、水素ガスが大発生します。
最悪、爆発して火災を起こす可能性があります。
ここで電流が入らなくなったら充電は完了となり、満充電です
その後は電圧を下げ、定電圧充電(Connstant Voltage)状態を維持します。
それでも電流が入らず安定していたら充電完了となります。
この時の端子電圧は13.8V程度になっています。
充電器を取り外し、3時間ぐらいすると13.5V程度に下がります。
これが正常なディープサイクルバッテリーのフロート電圧(満充電電圧)です。
更にさらに書きますと、
車のシガーソケットから充電する走行充電器も存在しますが、
そもそも、シガーソケットの電圧は12.0V程度です。
既定の10Aなど流した日ににゃあ、11.5Vもザラに発生します。
充電制御車であれば、さらに低い電圧になるかもしれません。
なので、
終止電圧10.5Vに達したバッテリーを走行充電した場合、
せいぜい70%程度の充電率が良いところでしょう。
しかも、最後の方はシガーソケットの電圧12.0Vと、サブバッテリーの
電圧がほぼ同じとなり、なかなか電流が入って行きません。
それでもいつかは12.0Vになりますけど、せいぜい70%ですね。
ちなみに、
車のオルタネータ(発電機)電圧は13.8V程度です。
旧車の場合で、かつ、運良くシガーソケットに13Vが出てくる車であれば
期待できます。いつかは鉛蓄電池の満充電フローティング電圧、12.6V
に達することができるでしょう。
まあ、
それでもあると便利なツールでしょうね。
70%の容量があれば、かなり助かりますから。
ただし、帰宅後はこまめに別の充電器で満充電まで行う必要があります。
鉛蓄電池は、常時満充電でこそ性能と寿命を発揮するからです。
対してリチウムイオン電池は、常時満充電放置は危険です。
長期保管なら60%程度が安全です。
メモリー効果が無いことからチョビチョビ追加充電ができますけど、
その場合は、せいぜい80%を目途にすると良いです。
常時100%に張り付くチョビチョビ充電はバッテリーの化学反応的に
危険だし、大きく寿命を縮めてしまいます。
そう考えると、
シガーライター方式充電器をリチウムイオンバッテリーで使うのは良い
ですね。ポータブルバッテリーにはシガープラグ充電ケーブルが付属
していますから、やはり今後は鉛ディープサイクルバッテリーの出番は
無くなってくるでしょう。