宇宙(そら)を見上げて

謎の天文機材技師 ☆男(hoshiotoko)のブログです。

ラッキーなイメージングを求めて_ZWO-ASI294MC

2019-01-31 18:03:00 | 天体写真(冷却CMOS)
今時の高感度カメラを使えば何とかなるかと・・・

昨年、FLI-PL09000とZWO-ASI294MCを整備したわけですが、
観測体験時間でFLIを使うのはキビシイですよね!
だって、賞味3時間程度しか使えない訳だし。

ならば、今時の高感度裏面照射ワンショットCMOSカメラならどうか?
っと言う訳で、
今時なZWO-ASI294MCでどこまでお気楽に撮影できるのか?
昨晩検証して来ました。

正味3時間もあれば、こんなに撮れるぞ!


まあ、慣れや作業効率もあるにせよ、少なくとも2対象程度は
モノに出来る感触を得ました。

で、

お題の ”ラッキーなイメージング”

ですが、

・画像は全て1カット90秒(M1だけは60秒)で統一。
・1対象20カット、30分とした。
・SharpCap3.1でRGB24bit、TIFFで保存。
・ダークもフラットも無し。
・オートガイド無し。(機差補正追尾+大気差補正追尾で十分)
・Gain=400、2X2binning(撮影時binningで小ファイル化)

こうすることで、あっと言う間に撮影できます。
多少の失敗や雲の通過も気にしません。
60秒や90秒ではラッキーイメージングではありませんが、
長時間露光よりも星像が小さいです。
これは、露光不足という根本的な問題もありますが、
長秒時のガイド撮影や大気の揺らぎで星像が肥大することが
無いというメリットがあります。
また、
1カット20分とかだと、失敗したら凹みますが、
90秒ならバンバン撮っておけば良い訳です。
後で選別も出来ます。

という訳で、

ラッキー”な”イメージング な訳ですよ。

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ただまあ、問題もありました。
ASI294MCは大きなアンプノイズが出ますが、TIFFではダーク減算が
出来ません。フラットはそこそこ合いましたが、90秒という
露光不足画像に当てるとザッラザラになってしまいボツ。
RAW16設定でFITS保存も試しましたが、やはりフラットはキビシイ。
ダークが引けないのは痛いので、本気撮りならFITS保存ですね!

--------------

<共通撮影条件>

鏡筒:65cmF12、Fl=7800mm、クラシカルカセグレン直焦点
カメラ:ZWO-ASI294MC(非冷却、撮像時5℃程度であった)
Bining:2X2
画角:8.49'X5.75'
撮像条件:1カット90秒×20、総露光時間30分
ダーク減算:無し
フラット補正:無し
保存形式:TIFF
画像処理:SI7+PhotoShopCC
シーイング:4/5
透明度:70%

M1(この画像だけは60秒×5、5min Total)


NGC4725


NGC4565


M97


M109


ASI294MCはど~こだ!?


焦点距離7800mm+m4/3カメラのど真ん中に自動導入できますよ。


いや~、撮影が楽だわ!!
ドーム内にすら入ることなく、コントロールルーム内は15℃。
いつもの激寒遠征撮影とは天と地の差。

こう言った高感度カメラの登場で、F12という暗い光学系でも
これほどまでに写せる。凄いなあ~。
写りは、良くも悪くもデジカメ的と言うか、CMOSカメラ特有の
味の薄さを感じますが、何しろライブビューでピントを合わせられる
し、デジイチと違ってFITSファイルで保存できる。
そして軽くて小さい。

たった3時間で何が出来るの?!!

なーんて言うのは過去のお話しになりそうですね。

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