摩天崖
いよいよ西ノ島観光のハイライト、「とって隠岐」の国賀海岸へ到着。有名な通天橋を目の当たりにし、その美しさと雄大さに感激しました。実際に自分の目で見なければこのスケールは分からないでしょう。
通天橋
通天橋を眺めながら草原を進み、国賀海岸を見下ろすと天上界と観音岩を眺める事が出来ます。ベンチの大きさが唯一大きさを比較するものさしです。国賀海岸は大山隠岐国立公園の特別保護地区及び国の名勝天然記念物にも指定されています。
海岸脇の国賀神社には火野葦平氏の「隠岐島寄譚より」の引用で次のようにこの景色の事が書かれていました。
三百メートルある摩天崖をはじめとする粗面玄武岩の断崖絶壁には亀島、烏帽子岩、佛岩、乙姫御殿、通天橋、鬼ヶ城などの名がついているがこの絶勝を筆舌で表現することは出来ない。
頼山陽は耶馬渓を見て筆を投げたといふがその十倍もすばらしいこの國賀を見たら眼をまはすかもしれない
天上界 右の細く尖った岩が観音岩
少し高度の上がった場所から眺める通天橋はとても鮮やかな色をしています。日本海の荒波に浸食されて出来た橋は、自然の作りだした芸術品です。
再び通天橋
摩天崖
草原の端の展望所から眺める摩天崖です。海面からの高さは257m、あまりにスケールが大きすぎて、写真ではこの雄大さは伝わりませんね。実際にこの風景を目の当たりにすると、声が出なくなります。
説明板によると、この雄大な絶壁は、島前(どうぜん)カルデラの外輪山を形成するアルカリ玄武岩の溶岩台地が、日本海の強い風波によって浸食されできたものだそうです。岩肌を見るとわかるように、溶岩流の間には火山灰や火山礫(れき)が積み重なって凝灰(ぎょうかい)岩となり、それが交互に積み重なっています。この凝灰岩部は柔らかいため特に激しく浸食を受け、このような絶壁となったようです。
子牛くんはお昼寝中
広い草原の中を通り、摩天崖の山頂に向かって歩いて行きます。この草原は牛くんや馬くんのくつろぎの場所、みんなのんびりと休んでいます。こんな安心しきった姿を始めてみました。この場所にいると時間が止まっているような感じがします。
子牛くんを起こしてしまった
おやすみ中
この西ノ島ウォーキングコースは、日本の代表的な観光地や景勝地、地域が誇る美しい自然、歴史遺産の中から「一生に一度は訪ねてみたい百カ所」、遊歩百選に選定されています。
摩天崖の山頂はもうすぐ
たぶん乙姫御殿・・・・だと思う
中国地方は朝から雨だというのに隠岐だけは晴れています
摩天崖の山頂 257m地点
摩天崖の頂上に到着、周囲に広がる緑の平原はとても美しく、眼下には切り立った崖が見えています。切り立った崖下の海面には天上界・乙姫御殿が浮かんでおり、まるで天国に一番近い島にいるようです。
のんびりと草の上で寝ころんでいる牛くんや馬くんを摩天崖の上から眺めていると、まさにこの場所は地上の楽園、まだまだ時計は止まったままのようです。
頂上の説明板によると、隠岐島は180余りの島々からなる群島で、その海岸は断層と浸食によって我が国でも代表的な断崖美を見せており、296kmにも及ぶ海岸線の90%が岩石海岸、しかも80%が断崖です。特にこの「摩天崖」の高さはその名のごとく別格で、実に257mもあり、切り立った一枚岩状の断崖としては日本一だそうです。
摩天崖から眺める草原と乙姫御殿 遠くには赤尾展望所
この場所で今秋(2008年11月22日)公開予定の映画「私は貝になりたい」の撮影が行われたそうです。
主演はSMAPの中居正広さん、その妻役は2006年のNHK大河ドラマ「功名が辻」、テレビドラマ「トリック」や「ごくせん」で有名な仲間由紀恵さんです。摩天崖での場面は、夫婦が2人で生きていくことを決意する物語の回想部分とラストシーンに使われるそうです。
映画の中では、もっと美しい摩天崖を見る事ができると思います。秋の映画の公開がとても楽しみです。
赤尾展望所の手前から眺める国賀海岸
天上界・通天橋・摩天崖と美しい国賀海岸の散策を終了、止まっていた時間は再び動き始め、西ノ島を出発する時間が迫ってきました。今回訪れていなかったのは後醍醐天皇行在所址の黒木御所と黒木神社。急いで神社の手前まで行きましたが、ここでタイムアップ。もう船の出港する時間が迫っていました。
黒木神社入口
黒木神社の狛犬
これで今回の隠岐旅行の行程は無事終了しました。隠岐には今回紹介した以外にも沢山の見どころが残っていますので、続きは次回のお楽しみとします。
今回の旅行を計画するため西ノ島観光協会に連絡し、島前・島後に関するパンフレットを送付して頂きました。パンフレットにはカラーで見どころなどの説明があり、モデルコースや島の概略図なども記載されているのでとても参考になりました。西ノ島観光協会に申請すれば、資料を送付して貰えるので、隠岐観光を計画される場合には利用されたら良いと思います。
同年9月に再度隠岐へ向かいました。その際に「隠岐観光旅行企画書」を作りましたので、参考になればと思います。
法師崎のやまある記の編集が終了しました
摩天崖の登山記をお楽しみ下さい
おわり