母と、そのあと父がなくなって、実家を片付ける際、
主たる器は全部私がもらってきました。
2人の姉は、「これ以上しまうとこがないよ~」とあきらめられる性格。
(泣く泣くだとは思うけど)
私はなければ作ってでも持って帰りたい性格。
両親が使っていた物ならカレースプーンでも。
もちろんちょうどうちにはない形のスプーンだったからだけど。
その時も夫に「これ、持って帰るからね!場所、作ってね!」と
私より空間的センス(場所作り)が冴えてる夫に頭を下げて、
いろんな器をお持ち帰りしたんです。
そんな中に《たち吉》さんの焼き魚皿がありました。
私が子供の頃から使っていた四角いお皿。
裏には「橘吉」の文字が入っている。
(創業者の橘屋吉兵衛から来ているんだって)
たくさんの器を知っているわけでもないし、
洋食器にいたってはナントカコペンハーゲンも
ナントカジノリも、語れる知識は持っていないの。
でもどういうわけか《たち吉》の名は、子供の頃から知っていた。
ノリタケ、ナルミ、ミカサと並んでね。
そんな《たち吉》さんが、期間限定でアウトレットに来ていたの。
もちろん入ってのぞきますよー。
お箸を選んでいる夫の奥で、
私は和食器に目がランラン
安いわ、きれいだわで、欲しくってたまらない。
でも、本当にしまうところがないの
うちだって。
そもそも、陶芸をやっていたこともあり、
一点物のスタックできない器が多すぎるんだ。
重ねられなきゃ場所は減るばかり。
でも・・・欲しいのを見つけてしまった。
一点目がこれ。

白い「粉引き」の放射模様の中鉢。

立ち上がりはこんな感じ。
横にも串目が入っている。
粉引き(こひき又はこびきと読みます)は、陶芸を習っていた時代も
なかなか作品にしない釉薬でした。
というのは、もっと色の派手な釉薬に目がくらむ性格だったから。
るり(濃紺)やら水色やら、そんな作品のが多くて、
無地の白なんて全然興味がなかった。
でもある日、粉引き特集の器の雑誌を目にしたら、
「なんて温かいぬくもりのある色なんだろう?」
と、とても気になってしまったんですね。
普通の「しろ釉」とはまた違うんだよね。
そう。
温かみがある器な気がする・・・
この《たち吉》さんの器にも、
里芋とイカの煮物を盛り付けたいな~と思ってしまい・・・
器を見て、作りたいお料理が浮かぶって、素敵なことだと思わない?
たぶん、100円ショップのメラミンの器には
何を入れたいかは浮かばない。
もちろん、それはそれで使い勝手は良いから否定はしないけど、
入れたくなるお料理が浮かぶ器ばかりじゃないよね?
現に《たち吉》さんにあった全ての器・・・それがたとえステキな器ばかりでも、
私が何かを盛り付けたい器がいくつあったかといったら、
この日はこの白い器だけだったの。
だから買って帰ってきた。

これは、私が陶芸時代(後半)に作った粉引きの器。
(使う土によってだいぶ仕上がりが違うよね)
粉引きは陶器の中でも食材の成分が浸透しやすく、
左のホヌのはシミがたくさんできています。
まるで、私のほっぺのシミみたい
これは、お粥の中で煮たり使用前に水分をたっぷり吸わせる・・・ことで
防ぐこともできるんだけど、
日常使いではなかなか手が回らないのも事実。
でも、これが歴史
粉引きのこのシミは味と思っていいんだよって、その時にも習いました。
骨董市でも粉引きはシミがついている物がありますよ。
それが嫌な人には粉引きは向いていないってことでしょうね。
そんな粉引きの仲間が一枚増えました・・・
So lucky!

そしてもうひとつ、色のきれいな器をペアで買ってしまいました・・・

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こちらはグリーンがきれいな織部の蕎麦鉢。
「ソバ鉢」って書いてあったわ。
お蕎麦ってこういう平たい(口の広い)どんぶりで食べるんだっけ?
(ちゃんとしたお蕎麦屋さんにあまり行かないからわからない)
このディンプルの中にたまった弁柄(?)の美しさ。
キャー
織部の器はとてもポピュラーに知られていると思いますが、
よく見かけるのはこんな感じじゃないかな?

白い土に弁柄で絵を描いて、織部釉と透明釉を掛け分けることで
こんなレトロな風合いの器になるの。
たぶん、一般的に知られていると思います。
けれど今回私が買ったのは、織部のベタ掛け。
でも、釉薬を掛ける前に全面に弁柄(これが弁柄だったかが思い出せない)を
べったりと塗って、そこに織部釉を掛けて焼くと・・・
不思議なことに先に塗った弁柄(?)が消えちゃうんだ!
消えちゃうんだけど、一部残ったところがムラになって味になる。
たとえば、私が作ったのはこれ。

これは、まんなかの円の中をヘラでわざと傷をつけ
全面に弁柄(?)をベタ塗りする。
そして、円周部分は素焼きになるように釉薬が掛かるのを避け、
まんなかの円の部分には織部を掛ける。
そうすると、円の中だけ弁柄(?)が消えてムラになり、
周りの素焼き部分は茶色いまんま。
しかも、ヘラで傷をつけてあるし土に小さな石を混ぜてあるため、
くぼんだ所にムラができたり釉薬がたまったりする。
焼くことで偶然できる味もあるし、
でもあらかじめ茶色いそばかすが散るように、
こういう技法を使うこともあるんだね。
陶芸って、なーんて楽しいオトナの粘土遊びなんだろう
私が《たち吉》さんで買ったソバ鉢も、この茶色のそばかすが本当にステキ
あぁ
あの作り方だなとわかったら尚、この味が気に入ってしまって。
それで、2枚セットでお持ち帰りしました。
うーん・・・
どこにしまおう!
それは悩むところでもあるのだけど、
また空間の匠に場所を作ってもらって、
使い勝手のよくない器を淘汰するなりして
新しい仲間を美味しく使っていきたいと思います。
器って楽しいねーーー!

里芋の煮っころがしは、ま・た・こ・ん・ど!
主たる器は全部私がもらってきました。
2人の姉は、「これ以上しまうとこがないよ~」とあきらめられる性格。
(泣く泣くだとは思うけど)
私はなければ作ってでも持って帰りたい性格。
両親が使っていた物ならカレースプーンでも。
もちろんちょうどうちにはない形のスプーンだったからだけど。
その時も夫に「これ、持って帰るからね!場所、作ってね!」と
私より空間的センス(場所作り)が冴えてる夫に頭を下げて、
いろんな器をお持ち帰りしたんです。
そんな中に《たち吉》さんの焼き魚皿がありました。
私が子供の頃から使っていた四角いお皿。
裏には「橘吉」の文字が入っている。
(創業者の橘屋吉兵衛から来ているんだって)
たくさんの器を知っているわけでもないし、
洋食器にいたってはナントカコペンハーゲンも
ナントカジノリも、語れる知識は持っていないの。
でもどういうわけか《たち吉》の名は、子供の頃から知っていた。
ノリタケ、ナルミ、ミカサと並んでね。
そんな《たち吉》さんが、期間限定でアウトレットに来ていたの。
もちろん入ってのぞきますよー。
お箸を選んでいる夫の奥で、
私は和食器に目がランラン
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安いわ、きれいだわで、欲しくってたまらない。
でも、本当にしまうところがないの
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そもそも、陶芸をやっていたこともあり、
一点物のスタックできない器が多すぎるんだ。
重ねられなきゃ場所は減るばかり。
でも・・・欲しいのを見つけてしまった。
一点目がこれ。
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白い「粉引き」の放射模様の中鉢。
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立ち上がりはこんな感じ。
横にも串目が入っている。
粉引き(こひき又はこびきと読みます)は、陶芸を習っていた時代も
なかなか作品にしない釉薬でした。
というのは、もっと色の派手な釉薬に目がくらむ性格だったから。
るり(濃紺)やら水色やら、そんな作品のが多くて、
無地の白なんて全然興味がなかった。
でもある日、粉引き特集の器の雑誌を目にしたら、
「なんて温かいぬくもりのある色なんだろう?」
と、とても気になってしまったんですね。
普通の「しろ釉」とはまた違うんだよね。
そう。
温かみがある器な気がする・・・

この《たち吉》さんの器にも、
里芋とイカの煮物を盛り付けたいな~と思ってしまい・・・
器を見て、作りたいお料理が浮かぶって、素敵なことだと思わない?
たぶん、100円ショップのメラミンの器には
何を入れたいかは浮かばない。
もちろん、それはそれで使い勝手は良いから否定はしないけど、
入れたくなるお料理が浮かぶ器ばかりじゃないよね?
現に《たち吉》さんにあった全ての器・・・それがたとえステキな器ばかりでも、
私が何かを盛り付けたい器がいくつあったかといったら、
この日はこの白い器だけだったの。
だから買って帰ってきた。
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これは、私が陶芸時代(後半)に作った粉引きの器。
(使う土によってだいぶ仕上がりが違うよね)
粉引きは陶器の中でも食材の成分が浸透しやすく、
左のホヌのはシミがたくさんできています。
まるで、私のほっぺのシミみたい
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これは、お粥の中で煮たり使用前に水分をたっぷり吸わせる・・・ことで
防ぐこともできるんだけど、
日常使いではなかなか手が回らないのも事実。
でも、これが歴史
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粉引きのこのシミは味と思っていいんだよって、その時にも習いました。
骨董市でも粉引きはシミがついている物がありますよ。
それが嫌な人には粉引きは向いていないってことでしょうね。
そんな粉引きの仲間が一枚増えました・・・
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So lucky!
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そしてもうひとつ、色のきれいな器をペアで買ってしまいました・・・
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こちらはグリーンがきれいな織部の蕎麦鉢。
「ソバ鉢」って書いてあったわ。
お蕎麦ってこういう平たい(口の広い)どんぶりで食べるんだっけ?
(ちゃんとしたお蕎麦屋さんにあまり行かないからわからない)
このディンプルの中にたまった弁柄(?)の美しさ。
キャー
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織部の器はとてもポピュラーに知られていると思いますが、
よく見かけるのはこんな感じじゃないかな?
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白い土に弁柄で絵を描いて、織部釉と透明釉を掛け分けることで
こんなレトロな風合いの器になるの。
たぶん、一般的に知られていると思います。
けれど今回私が買ったのは、織部のベタ掛け。
でも、釉薬を掛ける前に全面に弁柄(これが弁柄だったかが思い出せない)を
べったりと塗って、そこに織部釉を掛けて焼くと・・・
不思議なことに先に塗った弁柄(?)が消えちゃうんだ!
消えちゃうんだけど、一部残ったところがムラになって味になる。
たとえば、私が作ったのはこれ。
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これは、まんなかの円の中をヘラでわざと傷をつけ
全面に弁柄(?)をベタ塗りする。
そして、円周部分は素焼きになるように釉薬が掛かるのを避け、
まんなかの円の部分には織部を掛ける。
そうすると、円の中だけ弁柄(?)が消えてムラになり、
周りの素焼き部分は茶色いまんま。
しかも、ヘラで傷をつけてあるし土に小さな石を混ぜてあるため、
くぼんだ所にムラができたり釉薬がたまったりする。
焼くことで偶然できる味もあるし、
でもあらかじめ茶色いそばかすが散るように、
こういう技法を使うこともあるんだね。
陶芸って、なーんて楽しいオトナの粘土遊びなんだろう
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私が《たち吉》さんで買ったソバ鉢も、この茶色のそばかすが本当にステキ
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あぁ
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それで、2枚セットでお持ち帰りしました。
うーん・・・
どこにしまおう!
それは悩むところでもあるのだけど、
また空間の匠に場所を作ってもらって、
使い勝手のよくない器を淘汰するなりして
新しい仲間を美味しく使っていきたいと思います。
器って楽しいねーーー!
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里芋の煮っころがしは、ま・た・こ・ん・ど!
息子達が1人暮らしを始める際には、今まで使っていた器と同じ物を買い足して持たせました。
一応、今までの生活と変わらない部分を感じさせてあげたかっんですが、、、。
男子に そんな母の思いは 鬱陶しいでしょう。 もちろん 口にはだしませんけど、、、笑
きっと使いやすいと思うわ。
マナちゃんの愛情はちゃんと感じてると思うよ。
大人になるにつれわかるだろうね。