以前フウランを紹介していた。実は我が家には20鉢ほどある。これは今の家に引っ越ししたときに、母が持ち込んだものだ。日本原産なので、自生地北限の千葉県以西なら誰でも育てられる植物だ。
実はウチにあるのは、フウランでも「富貴蘭」という江戸期から伝わる古典園芸植物である。なので本来は格とか品をもった育成が必要なのだが、それは難しいので健康に育てる事を中心にして育てる事にしている。鉢ではなくプラスチックのネットを使うのもこれが理由だ。古典園芸植物はWikipediaにかなりいい記事があった。参照してください。
育てるのは簡単なのだが、とっても厄介な所がある。品種が完全に固定されていないのだ。古典園芸の特徴なのだが、どう育てるのかが重要で、そこで生じた変化が珍重されている。同じものが育てた場所で大きくなったり小さくなったりはザラ、斑入りの品種が全く無地になったりもする。また脇芽が出て増えるのだが、それが親と同じとは限らない。もしも斑入りが出なくてダメなものがあったとしても、育てる人が変わるとよくなったりする。
これがバラとかだったら、品種とは呼ばれない。バラの場合は5カ所の指定の農場で育てられて同じ花が咲いたと言われてようやく品種になる。場所が変わったから変化したというのは、品種とは呼べないのだ。
なので、流通は大変混乱している。結局よく解っている人がお墨付きを与えたものでないと品種にならないのだ。ここが難しい。これが古典園芸と言われるゆえんなのだ。
ウチの富貴蘭は、場所を変えたらよくなるのかもという母の期待で来た。なんで所有者は母で育てているのは私という変な関係にある。でも古典園芸にはよくありがちなもので、日本のトップクラスの盆栽の持ち主と、管理者が違う。よくあることだ。
写真の品種は「朱天王」。今年はよく咲く。