どうでもいいこと

M野の日々と52文字以上

農業問題2

2011-08-31 21:52:29 | インポート
農業は過酷だ。これは間違いない。そのうえ国策でもある。そのため税金でも優遇されている。
そしてほとんどの農業従事者は勤勉で、寡黙である。だがよく考えると前段はともかく日本のほとんどの産業に従事している人は勤勉で、寡黙である。農家に限った話しではない。
なぜ特筆されるかと言えば、彼らは土地から逃げられないからだ。
そのため国策として優遇されているが、実は彼らは優遇されている以上の労力をかけている。
地域の保持のための労力だ。消防団への参加、地域の草刈り、村祭り等の参加。形骸化しているとはいえ由のような状態は続いている。慶弔ごとの地域での支援もある。
ここから外れると、それこそ村八分に近い状態になる。
この金額は算定出来ないが、参加する事で得る利益と損失とがよくわからないのは確かだ。解っているのは孤立した場合には損失しか無いということだ。
この無形の税金が新規参入を妨げていたが、この10年で変わってきた。後継者不足が目立ってきたからだ。また今の若者は、以前だったら嫌っていた由を面白い事と受け止めてくれている。定着も進んでいる。
でも厄介な事例も目立つようになってきた。大型自営農者が法人化した場合だ。農業に参加したい若者が、このような法人農場に終業した場合、労働法が守られていない場合が目立つらしい。
残業代はない。週休二日と歌っていたのは農閑期でも守られず、プライベートすら無くなって行く。
実はこういった大型の自営農業者は、法人化する前は大体一日6時間寝れるかどうかというレベルで働いている。農繁期は平均睡眠時間が4時間以下みたいな人はザラだ。どう計算しても寝ていない人が多い。
これを法人化したときに要求してしまうようだ。法令違反なのだが、けっこうまかり通っている。農業で外国人の労働者が多いのはこれが原因だろう。
彼らが日本人はダメだというのは半分解るけど、まず彼らがだめだ。
どんぶり勘定になりがちな農業で法人化したとしても、人を使えるシステムは身についていない。それも出来ないのなら、インセンティブを与えるべきだろう。この場合は1年がんばったら農地の一部を与えて、2年目は倍にして、3年目では近隣の農地で開いている所を借り上げて独立して資材は応援するとか、出来ると思う。実は査定はその貸した農地での作物の出来だったりする。
もちろんそういった考えの農業法人も多いと思うが、ほとんど話しを聞かない。
農業への若者の参加は、ちょっとした事で変わると思う。そこをどうするのかシステムを考えるべきだろう。
もう少し盛り上がる産業だ。
たとえば遊休地に対して、アイディアを公募して、地域がサポートしながらアイディアを実現するシステムを考えれば面白いかもしれない。特に盛岡だったら農学部もあるので、彼らが実現可能なアイディアを出してくれるかもしれない。
個人的に、サツマイモの立体生産って出来ないのだろうか。サツマイモの棚作り。効率がいいはずなのだが。知る限り、サツマイモは蔓にならないので難しいと聞いています。
もしもご存知の方、教えてください。


農業問題1

2011-08-31 20:41:31 | インポート
福島原発の事故で、農業保障が取りざたされている。だがいろいろと問題がありそうだ。
丁度ウエッジにいい記事があった。
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/1474
この記事のように、今回の保障は農協加入の農家だと農協が大体の所をまとめるが、農協に加入していない個人の専業農家には、事務手続きだけでも厳しいものになるようだ。
記事には載っていないが、実はもう少し面倒な問題がある。記事の中にも農家が一回ごとの出荷した作物と量、そして金額を把握していないことが解る。自家採取した作物のタネを金額に換算出来ないとかいろいろ問題がある。
まず農業を、工業や商業と同一の会計処理で、賠償金額を算出するのは間違いだと思う。が、多くの農家が経営に必要な会計処理をしていない実態がよくわかる。
たとえば種の自家採取だが、これは資産として置かれるものだろう。市販のその種類のタネに対して10%の金額の価値を持つとか換算出来る。そういった事をしていない。
実は流通にも問題がある。農協に機材・資材、タネなどを購入しすべてを農協に出荷している場合は農協一元化でも問題は無い。しかし農家は産直に出荷していたり、スーパーに直で卸したりもしている。この記事にもあったようにレストランに納品している農家もいる。特に大都市近郊では、農家が流通の多様化を目指してがんばっている。
米や麦は農協へ、野菜は産直もしくは別ルートで出荷というのはよくある形だ。この場合農業所得の多くがこの後者である場合が多い。こういった場合では農協を通じて損害賠償を請求しても、難しくなるのは目に見えている。たしかに農業関係者として農協が概算値を出す事は出来るが、産直に出していた人と高級レストランに卸していた人とでは概算値だけでもめるだろう。もめそうだ。その前に概算値が妥当かどうかも問題になる。場合によっては農協が高文章虚偽記載と言われかねない。一応弁護士がいるので、妥当な値かどうかは彼らが一旦は見る訳だが、すべての農家が納得するかどうかは解らない。
昔から農家の所得は本当にどうなっているのか解らなかったが、今回少し見えてきた。
ただ予想以上だったのは、どんぶり勘定すぎるということだ。しかもウラ所得がわずかだがありそうだ。
今後なのだが農家は最低でもエクセルで、作物別の家計簿程度の帳面は付けるべきだ、となるだろう。それは無理だと思うかもしれないが、逆に考えて欲しい。農家が畑の見回りにアイフォンをもって歩き、病気かどうか怪しい作物の写真を撮り、農業指導員に送って調べてもらうとか、出荷時の伝票を素早く台帳に移して管理するとか。農薬管理記録もそれで行い、自宅にあるパソコンに転送して管理する。資材等の購入もデータベースソフトに入れておいたかこのデーターと参照しながら価格交渉を行うとか、在庫状態を管理するとか考えられるだろう。老人向けにはアイパッドみたいなものがいいだろう。データベースとテンプレートの組み合わせで、自動的に帳簿が出来るシステムなんかがいいだろう。
それは無理だという人にいいたい。そっちがかっこ良ければ、みんなそっちになるだけだ。
なお原発での損害賠償請求では、本来の実利益からの計算ではなく、確定申告時の農業収入からの算出にするべきだろう。こちらが簡便で実態を表していると言い切れる。だれもが不満を言えない。また一律公平だ。
またそうするべきだ。それは次に述べる。
今回の件で、キラ~ンと目を光らせている団体がいるだろう。国税局だ。農業での副収入がどれだけあるのか。脱税の可能性は?良心的な事業者と言えるのだろうか。そう彼らは考える。
そのうち誰かがまた言い出すだろう。農業の赤字を農業以外の収入で補っている2次兼業農家は、事業者として認定出来るのだろうか?と。以前はつぶされていた議論だが、今回以降は難しくなるだろう。