どうでもいいこと

M野の日々と52文字以上

ゼンショー大黒星

2014-05-16 03:16:38 | インポート
盛岡の景気動向を見るのに、相変わらず前潟イオンを見ているのですが、さすがに母の日以降は客足がパッタリのようです。岩手県全体で見れば、岩手銀行が20.3%の増益と言う事ですから景気がいいのは間違いが無いようです。ボーナス前の買控えでしょう。例年そうですし、買い物には限界があります。


消費税の影響も、ゴールデンウイーク中の人の動き以外は、はっきりとしたものは感じられません。そこそこにものは動いているようです。


さてその前潟イオンですが、フードコートのすき家が異様な事になっています。この店の前だけが異常に汚くなっています。この理由なのですが、閉店後に業者が掃除するのですが、客を整列させるバリケードを撤去しないで帰っちゃうのが原因のようです。そのバリケードと看板を組み合わせて設置したり、とにかくバリケードを移動されるのが嫌なようです。掃除の業者も、もともと店舗の人が設置した看板とかは移動させない(壊した場合大変だから)のが基本ですが、移動が不可能な状態になっているようです。結果店舗前が異常に汚くなっているわけですが、かといって自分で掃除するわけではありません。何があったのでしょうか。



実は2月頃からネットでは「すき家」閉店が話題になっていました。理由は「すき家」が慢性的な人手不足になっていたと言うのが答えなようです。まずはFNNの記事から。14日の決算会見で、この事実を認めたようです。


人手不足深刻化 「すき家」で閉店が相次ぐなど異例の事態に



ゼンショーホールディングスの小川 賢太郎社長は「一部店舗については、人手不足要因でのクローズ(閉店)も余儀なくされた」と述べた。
そこで明らかになったのは、アルバイトなどの人手不足により、28もの店舗が閉店に追い込まれ、改装中のものも含めると、全店舗のおよそ1割にあたる184の店舗が、営業を休止しているという事実だった。
小川社長は「(他店に比べ、すき屋は特に人手不足?)2,000店あるということで、目立つと言うんですかね...。24時間営業において、深夜というものは、運営が一番難しいんですね。日本人が、だんだんだんだん3K(きつい・汚い・危険)をやりたがらない。ミスマッチですよね、労働力の」と話した。




まあここまでとは思っていなかった。一応私の聞いた話では、



慢性的な人手不足→他店との対抗で新メニュ「あつあつ鍋」の投入→オペレーションが破綻→バイトが辞める→バイトのシフトが壊れて他店舗からヘルプを頼む→ヘルプに行けるほどの優秀なバイトのシフトが破綻→優秀なバイトが体を壊し辞める→更にバイトのシフトが逼迫→パワーアップ改装と称して閉店・ウワサがたつ→深夜に女性を店頭にたたせるシフト発生→期間限定と言ってはいたが「あつあつ鍋」の販売中止→ネット上でブラック企業決定



こんな流れだと思います。


サンケイビスの記事から



ゼンショーホールディングスが14日発表した2014年3月期連結決算は、売上高が前期比12.2%増の4683億円、営業利益が44.8%減の81億円、最終利益が78.2%減の11億円と増収減益だった。食品スーパー買収などで売り上げ規模を伸ばした一方、円安による牛肉仕入れ価格上昇や、既存店売上高の減少が響いた。牛丼チェーン「すき家」の人員不足による休業の影響は売上高5億円、営業利益2億円。





という大減益になったようです。ただ店舗減での影響が意外と小さいです。



さて参照記事が消えてしまったようで良くわからなくなっているのですが決算では、基本的に「吉野家」の一人負け。「松屋」と「すき家」は客員減は同等としても「松屋」のほうが利益微減で済んでいます。「吉野家」は客員数を出していないようで、ちょっと比較は難しいです。


あった。サンケイビズです。



「吉野家」の既存店売上高は3.3%減と7カ月ぶりのマイナス。ゼンショーホールディングスの「すき家」は売上高1.4%減、客数4.8%減。3社の中で牛丼並盛を唯一値下げしたが、カバーしきれなかった。松屋フーズの「松屋」は売上高0.2%減、客数4.4%減だった。




「すき家」を追いつめた「鍋」ですが、ここを見て行きますと、「吉野家」の「牛すき鍋膳」は昨年12月発売で2ヶ月で700万食のヒットになったわけです。そして「すき家」では2月14日に「あつあつ鍋定食」三種類ですね、これを発売します。「松屋」もその直後に「鍋」を発売します。


さてヒット商品があったにもかかわらず、しかも客単価の高い商品であったのにも関わらず「吉野家」はなぜ減益になったのか、これは不思議です。それだけ通常の牛丼への依存度が高いのでしょうか。多分アメリカ産牛肉にこだわる分円安の影響が大きかったかもしれません。



さてここでナゾがもう一つあります。先に引用したゼンショー決算のコメントに、不可解な言葉がありました。


「小川社長は「(他店に比べ、すき屋は特に人手不足?)2,000店あるということで、目立つと言うんですかね...。24時間営業において、深夜というものは、運営が一番難しいんですね。日本人が、だんだんだんだん3K(きつい・汚い・危険)をやりたがらない。ミスマッチですよね、労働力の」と話した。」


実は同時期に同様のメニュー展開した「吉野家」と「松屋」なのですが、店舗閉鎖の話を聞いた事が無いのです。すくなくとも「すき家」でこういった話が出れば、ネット上ではあの店もそうかな?と話題になっているはずなのですが、それが聞こえてきません。基本的に「松屋」は駅前とか人の集まる場所にしか出店しないという特徴があって、バイトしやすい場所にあるとも言えます。そして「吉野家」はロードサイド中心の出店です。逆に人を集めにくい出店形態だと思います。それでは「鍋」のオペレーションでバイトが辞めるとすれば、「吉野家」になるはずです。通いにくいし、帰りに遊ぶ場所も無い店も多い。それでも人は確保できているのはなぜでしょうか。


少なくとも同業他社に比べれば、3Kを理由にする意味が分からなくなります。この言葉は間違いなく自分の首を絞めるでしょう。


これを私は大黒星と考えています。



ただ、「すき家」は徹底したオペレーションで有名な会社です。このためキッチン回りが限界に近い形になっています。例えば左利きの人は難しい、右利きのみにあわせた結果そうなっているようです。
生産性を徹底した結果、新規メニューに対応できなくなっただけかもしれません。
しかし今後人集めに苦労する事は目に見えています。あのゼンショーが、この問題を人のせいにしたというのが、とても大きく響くでしょう。


これで更にバイトが辞める可能性が高まった、そう考えています。