どうでもいいこと

M野の日々と52文字以上

おっかしいな

2016-05-25 01:27:44 | 日記

 

かちかち山でしばらく時間稼ぎする予定だったのが、あっという間に終わってしまった。

 

 

円高になればトヨタの業績が下がる、これは一般化した定理だ。だがここに落とし穴がある。トヨタは海外生産を進めており、現地生産の部品率も高い。そして売れている。為替要因は少なくなっているはずだ。メイドインジャパンの輸出車は少ないはずだ。

で、答えは簡単。アメリカで生産され売れたものは全部ドルで計上され、ヨーロッパで生産され売れたものは全部ユーロで計上される。それを日本に直接持ち帰ると為替で、目減りしてしまうのだ。これが本当のところ。

普通会社は、アメリカ法人の独立性を使ってドルを投資や貯蓄に回し、日本にすぐ持ってこない。円安の時に資金を日本に送るだろう。ただ時価会計の会社では、このトヨタのような例はある。

まあその前に、日本は貿易立国ではないというのを認識するべきだろう。

 

 

ソニーのSCE会長だった丸山茂雄氏のインタビューが日経ビジネスにある。これは滅法面白い。

彼はソニー創業者の森田氏はボンボンだったという。苦労人の松下幸之助が家業にこだわったのと違い、貧乏くさい白物家電から撤退し、音響や映像にこだわったのはそれが理由で、金融まで手を伸ばしたのは自然な成り行きだったという。それがボンボンということなのだ。確かに大正や昭和初期の当てた人たちの道筋に近い。可能な限りスマートな方向に進みたい。創業者はそうだったのだろう。それがエレキのソニーと祭り上げられて本質を見失ったという。

大事なことだから最後にもう1回言うよ。ソニーの本質は高級なおもちゃ会社なんだよ。」

ものすごく腑に落ちる言葉でした。

 

 

技術ってなんだろうな。


珍説「かちかちやま」3

2016-05-25 01:10:22 | 日記

 

今日は気温は高くはなかったが、蒸し暑かった。肌がベトベトして気持ち悪い。それでも仕事は順調に進んだ。

かちかちやまだが、意外と短いな。とは言っても朗読なので、基本400字で1分以上かかる。そう考えれば長いのだ。パントマイムであとはやってしまえという考えなので、なにが面白いのかわかりにくいな。

 

 

珍説「かちかちやま」続き

 

時は来ました。でもたぬきさんは一月前から行方知れずとなっています。

待てど暮らせど約束の場所にたぬきさんは現れません。たぬきさんが現れたのは夕方になってから、上流の方から泥舟でやってきました。バニーはこの時確信しました。「勝負はあった」、長く水に浸かった泥舟なぞ、たぬきの腕でもすぐに溶けてしまうさ、そう思い巡らせた時、たぬきさんが聞いてきました。「スピード勝負だからアウトリガーはつけなかったんだ。それでバニーは泳げるの?、僕はイヌ科だから少しは泳げるよ。」。バニーは騙されません。「スタート前の心理作戦か、さすがたぬきだ、やることがセコイ」バニーはそう胸の中の黒雲を追い払います。




スタートです。バニー丸快調にスタート。おっとたぬき丸尻尾を水につけたままピクリとも動かない。どうなるのかどうなるのか。たぬき丸の尻尾が回り始めた、回り始めた。ダイナマイト・スタート!高速回転。一気にスピードアップ、波に洗われて泥舟が白い、ああっセラミックの舟だ。泥舟ではない。グングン伸びる伸びる、うさぎ丸に追いつき追いつき追い越した!あっと、うさぎ丸オールを放棄、船底からバっと帆が出ました。鮮やかな花柄つぎはぎだらけ。おばあさんの襦袢や腰巻でしょうか。かなり派手だ、とても派手だ、バニーもうろたえている。さあおばあさんの風を一気にはらんで、グングン伸びて行く。伸びて行く!大気大循環の風となったおばあさんが恨み晴らせと後押しをしている!




さあゴール、ゴールが目の前だ、あっと風向きが変わったかバニー丸帆が崩れる、このまま転倒か!たぬき丸八畳敷きで風を起こします。体制を立て直したがバニー丸、どんどんどんどん流されて行く。海にまで出た!それを追いかけるたぬき丸。必死だ必死だ、必死の形相だ。あっとたぬき丸、立ち上がった。出ました伝家の宝刀カチカチファイヤー、炎は真直ぐバニー丸帆に当たった。バニー丸大炎上、バニーフラッシュも使えない火の勢いだ。いてもたってもいられない。バニーは海に飛び込む、がサメがやってくる、やってくる。ウサギはサメの大好物。






バニー 「サメはいやだ!」

 バニーが叫ぶと、ボロボロになった尻尾が目の前に落ちてきました。藁をもつかむ思いでヒシッと掴むとバニーは空へ放り出されました。気がつくと、たぬきさんの舟の上でした。

 バニー 「どうして僕を助けるんだ。勝負は決まった。さあ殺せ、おばあさんのように殺せ」

たぬき 「バニー、バーニー目を覚ませ。あの丘を見ろ!」



たぬきさんの指差す丘の上に、オープンカーに乗ったおじいさんが双眼鏡を左手に、右手に若いをんなを抱きかかえていました。




バニー 「あっ」

たぬき 「僕らは騙されたんだ。」

バニー 「あそこで煮えたぎっている大鍋は」

たぬき 「狡兎死して走狗煮らるるだ!どちらが勝っても僕らは殺されるんだ。だからバニー、この地を去ろう。僕らの新天地を見つけよう。辛い旅になるけど、一緒に来てくれるか。」

バニー 「望むところだ!僕らの約束された地を目指そう!」






そうしてバニーとたぬきさんは西へ西へ、時には南だったり北だったり、遠く遠く旅立ちました。頭に鳥の羽を生やした人からビーズひと袋で島をもらい、そこでピルグリムファーザーと呼ばれ、末長く暮らしました。

今でもその島に行くと、少しエッチなバニーさんの本が売られています。そしてカチカチ山の炎を右手に抱く巨大なたぬきさんの大きな像が、そびえ立っています。





えっと、なんでこの話を書いたかといえば、動きがおかしな二人がいたからで、そいつらが超高速で動くことを前提にしております。ハイ。




珍説「かちかちやま」2

2016-05-25 00:55:51 | 日記

 

今日はNHKの集金がきた。「地上波の写りはどうですか」と聞いてきた。つい「大丈夫です」と答えてしまった。「じゃテレビがあるんですね」。

爆笑してしまった。テレビない歴32年間だが、ついそう答えてしまうほどの自然な会話だった。まあ思えば集金人も、何か間をおいて喋ったところに、何かあったのかもしれない。

「あ、実はテレビありません。ぜひ見ていってください」「入るわけにはいかないんで」「FMの電波は良くないですね」、ここで集金人もわかったようだ。このうちにはテレビはほんとうにないと。笑顔で別れました。

でもすごいな、このテクニックは。

さてかちかち山です。

 

 

珍説「かちかちやま」2

 

たぬきさんはバニーの柴とバニーを背負って尾根を下って行きます。「カチカチ山のカチカチ鳥が鳴いているね。」バニーは火打石を打ちながらそう言いました。「それはどんな鳥なんだろう」「それは大きな真っ赤な鳥だよ、まだ見たことがないのかい」「ふうふうとと羽ばたくのかい」「ぼうぼうと羽ばたくよ」

 

ふうふうとぼうぼうと火が大きくなりました。瞬く間に火達磨になるたぬきさんを目の前に、バニーは一瞬何かに怯えました。

「バーニーフラシュ!」バニーは耳から衝撃波を出して一瞬で炎を消してしまいました。

それでも大火傷のたぬきさんを送り届ける冷徹さは、バニーにはありました。





「この薬しかないから我慢して」と出雲の塩を擦り付けてゆきます。でもたぬきさんが三度悶絶する頃に、バニーはまたもや躊躇しました。バニーは真水でたぬきさんをよく洗い、ガマの穂を集めてその上に寝かせました。

 

たぬきさんは、ワケワカンナイとつぶやきました。





快方に向かうたぬきさんは、ねぐらを大きく広げて、少しずつ泥の船を作り始めました。遠くの山から粘土をとってきては灰と混ぜ、その泥を薄く薄く積み上げながら、叩いて叩いてゆきます。表面にはまた灰をかけて磨き上げながら積み上げて行きました。そしてねぐらには山の食べ物をいっぱい溜め込んで、冬ごもりの準備が整いました。

 

たぬきさんはバニーのところを訪ねました。バニーは丸木舟を作っていました。「バニーさんのおかげでこんなに良くなったよ。君がいなければ死んでいたからね。本当にありがとう。でも冬ごもりでもう会えないから、挨拶に来たんだ。」。「よかったね、僕も看病のしがいがあったよ。」

 

タヌキさんは「バニー、舟を作っているのかい、僕もこの前泥舟を作ったばかりなんだ。釣りも良いけど、夏になったら競争してみないか。」

 

たぬきさんはバニーが競争という言葉に弱いのを知っています。「それは良いね、でもそれだったら春で良いじゃないか。どうして夏なんだい?」バニーは聞きました。たぬきさんは「バニーの丸木船は、徐々に削らないと歪んで真直ぐに走らなくなるんだ。だから歪みを見ながら少しずつ形を整えて行くんだ。だからとっても時間がかかる。それとスピードは落ちるけどアウトリガーをつけた方が良いよ。特に帆を張った時アウトリガーがないと安定させるのがとっても難しいんだ」。バニーは不思議に思いました。「たぬきさんはどうして舟に詳しいの?」

 

たぬきさんは、「僕の一族には金比羅さんにもいるから、少し舟には詳しいんだ。葦の舟も作れるけど、いつ沈むかわからない泥舟の方がスリルがあって面白いんだ。そう船だけど、仕上げで木の実の油をたっぷり使って仕上げると割れにくいし水を弾いてくれるよ。でも乾くのに時間がかかるんだ。」

 

「だから夏なんだね。わかった。僕も最高の仕上がりで勝負に臨むよ。」バニーは楽しそうに微笑みました。





そして春になりました。たぬきさんは泥舟を外に出して乾かしたり磨いたりを続けました。バニーも少しづつ舟を仕上げて行きます。たぬきさんの指摘は間違いがなく、バニーは不思議にな気持ちでいました。「たぬきさんは何を考えているのだろう。勝負だったらこんな話はしないし、僕はたぬきさんを懲らしめて殺すつもりなのに、たぬきさんはやっぱりバカなんだろうか。それとももっと深い思惑があるんだろうか。」

 

その頃たぬきさんは、ねぐらに舟を入れて入り口をしっかり泥で閉め、少し開けた穴に芝を詰め込んで火打石を叩いていました。「カチカチ、カチカチ」。弱く笑いました。「バカは俺だ」。タヌキさんは立ち上がって「カチカチファイヤー」と叫びました。ねぐらは一気にもえさかりその炎は1週間ねぐらを燃やし続けました。





いやあ、自分で言うのもなんだが、くだらん話をよくまあ書いたものだと感心する。