どうでもいいこと

M野の日々と52文字以上

銀河の雫に亀の尾にひとめぼれ

2017-11-03 20:07:19 | 日記

 

岩手県の銘柄品種「銀河の雫」です。昨年はキロ560円くらいでしたが、今年はキロ450円程度と暴落気味。写真は少し黄ばんで見えますが、とにかく白いお米。

 

 

水加減を失敗して多めにしても、ご飯粒の表面がとても硬いので、失敗が少ないお米。「金色の風」に比べると粒がしっかりしているので美味しく感じます。すいません、写真がアレで。とにかく見た目が綺麗なお米です。味もいいです。

 

 

さて遠野小友産の「亀の尾」です。もともと明治に山形で発見された品種なので、岩手でも頑張れば作れるようです。「夏子の酒」で有名になってから酒米の印象が強いですが、醸造適種でも醸造用ではありません。飯米です。

岩手県では大正4年から昭和3年頃まで岩手亀の尾1号が主力品種だったようです。その後「亀の尾×愛国」の「陸羽132号」が誕生して、その後ほとんど作られていない品種でした。

 

 

酒米にも使えると言えば粒が大きそうですが、ひとめぼれ程度のサイズです。岩手県ではかつて飯米・酒造米としてトヨニシキを結構作っていまして、美味しいコメではないのですが、あれに比べたら一回り以上小さい印象です。

長幹で倒伏しやすくただでさえ作りにくいのに、確か無農薬有機栽培で大変ですね。確か自然乾燥。

手間暇かかっていますが、自然乾燥は時として新米だと水分量が多くて炊く時の水分量が難しくなることがあります。

 

 

ものすごく気を使った結果、無事炊き上がりました。お味ですが、意外とうまい。古い品種だからどうなのかと思ったら、本当にコシヒカリの祖先というのがはっきりわかるほどです。ただ冷えればどうなのかな。香りがいいんだろうな。

ただコシの方がうまいです。

 

 

ということで岩手県紫波産の「ひとめぼれ」です。特に有機とかそんなのではない普通の栽培。なお今年の冷害と、JAの買い付け制度変更のせいで10%ほど価格が高くなってしまいました。

米の味は品種で決まります。その次が栽培条件、最近は多施肥栽培がほとんど行われなくなったので、味の邪魔になるタンパク質が余計にできない方向にあります。そうすると栽培適地とそれ以外だとどういった違いがあるのかと言えば、味が薄くなる。岩手県だと水沢・北上あたりの味が濃く、紫波まで北に来ると弱くなってきます。でもあっさりして来るので、いっぱい食べられます。

 

 

この5年ほどで生育・乾燥の条件が変わったのか、ひとめぼれ新米の水加減をあんまり考えなくてもよくなりました。以前は新米の水分量が多かったのか、新米がベタベタに炊き上がることが多く、苦労しました。

ということで、馴染んだ味がいいです。ハイ。今年も美味しいです。


何かわからないけどすごかったよ

2017-11-03 01:32:25 | 日記

 

カズオ・イシグロの「忘れられた巨人」を読み終えた。好奇心に負けたと言おうか、チビチビ読む予定だったのに、海外文学の翻訳は得てしてわかりにくいので特にそうなるのだが、修道院の話から先は止まらなくなった。

会話中心のファンタジー小説なのに、なんでこんなにリアルなのか。設定も中世というより古代。鬼は出てくるやら妖精はいるやら、ましてや竜がいる、しかもだその息で人の記憶を曖昧にするという竜だ。

ファンタジーだからメタファーもあるが、単純なメタファーではなく伏線となっていたり、全くの不鮮明の世界へ導いたりする。華麗な言葉で魔法をかけるガルシア・マルケスが大好きだが、こんな単純な言葉で魔法をかけられるとは思わなかった。

ファンタジーでもありミステリーでもある。だがミステリーには事実の痕跡があるが、ここには記憶を失う人たちと、つじつま合わせの記憶で不誠実な話をする人たちしかいない。登場人物たちはわずかな記憶の断片から真実に近いところまで近づくが、そこですら何かがずれた状態にある。

そう、忘れまいとすれば忘れないのだ。登場人物の中にはそういった人物がいっぱい出てくる。竜はあっけなく倒され、人々の記憶が蘇ったとしても、全く違うことも起きる。

それがラストだ。衝撃的でもうなんとも言えない。もう一回読んでから解釈したい。前半に出てくることがここでリフとなって出てきて、いや正確に言えば川下りのところで一度出てくるのだが、本当にたまらない気分になる。

 

 

ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争から着想を得たと言われているが、確かにその通りになっている。チトーが竜であったなら確かにそうだろう。

だがリアル世界は、そうはいかない。習近平中国国家主席が金正恩北朝鮮国家主席に、先の全人代への祝電に対しての個人的な返礼をした。ただしこの報道は北朝鮮のものをCNNが伝えたものだ。

「新たな情勢の下で中国は両国間の関係促進のため北朝鮮側と共に努力することを望む」

多分最後通牒だろう。だから個人名なのだ。国家で出さないのがポイントだろう。

それよりアメリカのジョン・ケリー首席補佐官の発言が、巨人の参考になるだろう。CNNだ。

トランプ米政権のジョン・ケリー首席補佐官は10月30日、米国の南北戦争の原因は、妥協できなかったことだと述べた。」

南北戦争当時を考えれば妥協どころではないのだが、それでも今の純粋な考え方では妥協はあり得ないわけだ。ただ昔は落とし所があったと思うのだが、それが妥協という言葉になったのかもしれない。

 

 

下々が与えられた役割をこなしているというのは、終わった時代の話なのに、全く変わっていないな。

人はコマである。