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昨日、鶴岡市医療と介護の連携研修会が行われました。
この会は、医療と介護の顔のみえるネットワークづくりを目指して、鶴岡市地域
包括支援センターが主催し、始まったものですが、現在では、南庄内緩和ケア推
進協議会、鶴岡地区医師会医療連携室ほたる、庄内地域医療連携の会などが一緒
に企画、運営しているもので、年2回開催されています。参加職種は、医師、看
護師、薬剤師、ケアマネなど介護系職種、栄養士、MSW、事務職など多岐にわ
たります。
年々参加者が増えており、昨晩の会には188名の参加がありました。
毎回、アドバイザーとして山形県立保健医療大学准教授の後藤順子先生をお呼び
し、会の進行やまとめ役をお願いしています。
さて、今回は精神疾患(発達障害、統合失調症)を抱えたA氏(40代)が終末
期の肺がんの告知を受け、治療を行いながら本人が望む在宅療養を地域の連携で
支え、在宅で看取った事例について、グループで話し合いをしました。
<事例>
患者は母親との二人暮らし。母親にも発達障害がある。患者は母親に暴力行為を
繰り返すが、共依存の関係にある。患者は自分の欲求をコントロールできず、労
働能力もない。生活保護下にあるが、金銭管理ができない。電話、たばこ、薬な
どへの執着が強い。T病院への入退院を繰り返している。
H23年10月、K病院で末期肺がんの告知。抗がん剤治療後、H24年1月から在宅療
養へ。K病院へ通院しながら治療を継続。H25年に入り、腫瘍増大、病態悪化。
母親の介護の限界。3/16-4/15までK病院入院。4月23日、鶴岡公園へ花見へ。お
かゆも食べずらい状況だったのに、屋台のチョコバナナを1本全部食べた!これ
が最後の外出となった。
<患者・家族を支えたプレイヤー>
K病院医師(肺がん治療と緩和ケア)、病棟看護師、クリニック看護師、相談室
スタッフ、T病院精神科医師、訪問看護師、通所介護スタッフ、訪問看護スタッ
フ、障害者支援専門員、社会福祉協議会、福祉科生活福祉係、きずな看護師
これら多職種で、担当者会議を繰り返し、患者を支えた。
患者は、治療に対してもこだわりが強く、周囲は振り回され、かなり疲弊したが、
患者の生きる気力にも励まされ、在宅看取りまで行うことができた。一体感のあ
る支援ができたと考えている、というまさに多職種の連携で支えた事例でした。
患者さんも母親も、さぞかし幸せだったのではないかと感じました。
三原先生 鈴木伸男です。
事例報告を読ませていただきました。
発達障害、綜合失調症、末期肺がんと悪条件の重なった症例で、
私の現役時代ならば、初めからあきらめていたところでしたが、
このたびの多職種連携での前向きで真摯な対応に深い感銘を
受け、併せて連携チームの皆様に深甚なる敬意を表します。
「患者さんも母親もさぞかし幸せだったのではないでしょうか」
という三原先生のコメントを読んで、医療の原点についての
認識を新たにしました。
昨夜の会の参加者が188名という多さにびっくりするとともに、
当地区の医療・福祉・介護の絆についても誇らしく思いました。