鶴岡地区医師会だより

三原一郎目線で鶴岡地区医師会の活動を配信しています。

No.155 (鶴岡市の将来推計人口、医療資源)

2013-08-10 16:11:06 | 日記
地域医療情報システム(JMAP)はなかなか面白です。
鶴岡市の将来推計人口と医療資源をみてみました。

なお、JMAPは、[日本医師会ホームページ] http://www.med.or.jp/からメン
バーズルームにログインし、表示される案内にしたがってアクセスしてください。

鶴岡のような地方都市の最大の問題は、高齢化より、むしろ年少人口(0-14歳)~
生産人口(19-64歳)が、急速に減少していくことです。それにより、高齢化が
進むにも関わらず医療需要は減少していきます。少なくともこのデータからは、
これ以上医療機関が混雑することはないとも言えます。

医療資源では、診療所数は全国平均を上回りますが、常勤勤務医は、10万当たり
83人と全国平均の150人に比し、圧倒的に不足しています。一方、病院・老健の
看護師は全国平均並みです。

もちろん、このデータはこのままで推移した場合の予測であり、さまざまな対策
で数字は当然変わってくる余地があります。

なお、JMAPにはありませんが、85歳以上の人口は、2035年まで急速に増え続ける
という以下のデータがあります。

■85歳以上の人口
  383万人(2010年)→736万人(2025年)→1149万人(2060年)

85歳以上の高齢者は介護サービスの受給率(50%) 、入院受療率(8.1%)が高く、
独居率、認知症罹患率(2025年には470万人)も高くなります。この世代をどう支
えていくのかが大きな課題とも言われています。

対策として、地域の様々な資源(医療・介護サービス(共助))、近隣の助け合
いやボランティア(互助)を総動員して、必要な方に必要な支援が提供される仕
組みづくり(ケアマネジメント=>地域包括ケアシステム)が必要とされていま
す。

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■鶴岡市2010年のデータ
 ・人口:135523人
 ・人口増減率:-4.05% (全国平均O.23%)
 ・高齢化率:28.7% (全国平均 23.00%)
 ・人口密度:104.20人/km2(全国平均343.40人)

■将来推計人口
 ・年少人口(0-14歳):10年ごとに3500人程度減少
  17529(2010年)→13668(2020年)→10817(2030年)
 ・生産年齢(15-64歳):10年ごとに13000人程度減少
  79805(2010年)→66383(2020年)→56487(2030年)
 ・高齢者人口(65歳以上):10年後まで増加、以後減少
  39289(2010年)→42754(2020年)→40992(2030年)
 ・後期高齢者(75歳以上):20年後まで増え続ける
  21849 (2010年)→22997(2020年) →25384(2030年)
 ・高齢化率:年々増加、2035年には40%程度に
  28.7%(2010年)→34.8%(2020年)→37.8%(2030年)


■医療需要予測指数:2015年より減少傾向、2035年には90と大幅に減少
 (=64歳以下人口×1.0+65~74歳人口×3.5+75歳以上人口×5.7で計算し、
  2010年の医療需要量=100として指数化 )
 100(2010年)→99(2020年)→94(2030年)→90(2035年)
  全国平均では今後も増加、2035年でも医療需要は110程度(下がらない!)

■地域の医療資源(人口10万あたり)
 一般診療所は、68.80で全国平均66.46より多い
 とくに内科、小児科系が多く
 皮膚科、眼科、耳鼻科、病院は全国平均より少ない

病床数
 一般、精神、療養、老健病床 すべて全国平均より低い

病院・老健の常勤職員
 医師:全国平均の半分程度
 看護師:全国平均並み


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