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鶴岡地区医師会だより

三原一郎目線で鶴岡地区医師会の活動を配信しています。

No.249 (5者懇談会)

2013-12-19 10:35:40 | 日記
12月18日、5者懇談会を行いました。

5者というには、市町村(鶴岡市・三川町)、庄内保健所(山形県)、荘内病院、鶴岡病院、医師会です。医師会主催で毎年行っているもので、行政と医師会との意見交換会~懇親会という位置づけの会です。

前半の1時間程度は、各方面からの話題提供と意見交換があり、後半は食事付の懇親会というのが例年の流れです。

以下、私からのあいさつ、4つの話題提供の内容につき、概説します。

1、開会
2、会長あいさつ
市長、町長はじめ、多くの医療、介護関係者にお集まりいただきありがとうございます。

さて、医療界における最大の課題は、少子超高齢社会にどう対応するか、だと思っています。この問題については、後ほど私の方から、説明させてはいただきますが、これからの医療は、病院、診療所という旧来の枠組みだけで完結するわけではなく、介護や生活支援の視点も不可欠になってきており、その意味でも、介護保険や地域包括支援センターなどを統括している市町村との連携は極めて重要だと認識しています。

当地区では、3年前の在宅医療連携拠点事業当初から、医師会内に拠点室(地域医療連携室)「ほたる」を設置し、ほたるが主催するかたちで、保健所、鶴岡市、三川町とのミーティングを概ね月一回続けており、当地区での医療と行政との連携は、かなりうまくいっているのではと思っています。、

今後地域の医療は、市町村が考えなくてならない時代になっていくと思われますので、引き続き、われわれ医療側と市町村とは、緊密な連携のもと、高齢になっても、障害を抱えていても、安心して過ごせるまちづくりを目指して努力していきたいと思っております。

本日の懇談会が実りあるものであることを祈念してして、あいさつとします。

3、来賓あいさつ
  鶴岡市 榎本市長、、
 少子化は、地域の存続にも関わる重要な課題。
 安心して産み育てられる地域を目指す

4、話題提供
1)庄内保健所
鶴岡市・三川町大腸がん検診QC委員会報告
 庄内保健所 所長 松田 徹 先生

鶴岡、大腸がん検診受診率は高いが、精検受診率が低い
最近行政の努力で平均値を上回ったが、まだ十分ではない
  
平時 : メディア、イベント、体面啓蒙

 受診時:陽性時の周知、精検機関提示、啓蒙

 結果通知時:リスクの周知、検診機関の提示、ハイリスクの説明
  ↓
リコール:トリコール、精検受診への誘導

精検受診時に受診理由を評価予定   

2)鶴岡病院
「虐待事例において子供と親の主治医になることの利点について」
鶴岡病院 院長 神田秀人先生

・7年間の児童相談所勤務経験
・発達障害児は虐待のリスクファクター
・親の精神障害は加虐待のリスクファクター
 ・担当した患者の子育てのことも配慮している精神科医は少ない
 ・子どもと親の両方を治療することが必要
 鶴岡病院でできたこと
 ・庄内指導相談所との緊密な連携
 ・今後の課題は学校関係者との連携
 ・児童外来病棟を中心として小児精神保健福祉センターのような機能が必要

 ケース:境界型人格障害および成人型AD/HDと養護施設の娘
知的障害の親、娘は養護施設
親と娘を両方を診ることで、母子間の関係改善
 →家族を丸ごとみる主治医が必要、

3)医師会
「地域包括ケアシステム実現に向けて」
 鶴岡地区医師会会長 三原一郎

・地域包括ケアシステムが必要な背景
 2040年をピークに
 85歳以上の高齢者(医療・介護ニーズが高い)が急増
 独居高齢者の増加
 認知症の増加
 死亡者の増加
 介護保険だけで高齢者のすべての生活を支えることは困難

 →新しいシステムが必要
具体的には、高齢者のニーズに応じて、介護サービス、予防サービス、医療サービス、見守り等の生活支援サービス、住まいを適切に組み合わせて提供し、24 時間365 日を通じた対応が可能な「地域包括ケアシステム」を構築していく

イメージとしては、中学校区(概ね人口1万、30分で移動可能な生活圏)を施設(あるいは病院)とみなし、住宅(自宅、高齢者向けアパートなど)が病室、道路が廊下、居宅介護支援センター、訪問看護ステーション、かかりつけ医などが定期的あるはコールに応じて、365日24時間、サービスを提供できるシステム

市への提言
・地域包括ケアシステム実現には、住宅も含めた地域全体を見据えた新たなまちづくりという発想が必要ではないか
・健康福祉部(長寿介護課)だけでなく、市全体として取り組む課題ではないか
・在宅医療においては、まず市町村が考え、都道府県がそれを支援する枠組みが必要ではないか(国の方針)
・そうであるなら、地域医療の全体像、将来像を検討する部署(チーム)が必要でないか
・さらに、地域包括ケアシステムを統括する部署(チーム)の設置が必要ではないか

4)医師会
 「鶴岡市立湯田川温泉リハビリテーション病院の将来ビジョン」
院長 武田憲夫先生

リハスタッフ:63名、
24年度実績
 入院患者:551名、
 一日平均:106.4名
 病床利用率:88.7%
 平均在院日数:69.5日
デイケア
 一日平均:32.9名
 延べ利用者数:10,097名
 営業日数:307日
疾患割合 
 脳卒中:29%、大腿骨:25%、廃用症候群:26%
退院先
 在宅へ:73.8%
 介護老人保健施設:8.7%
 地区診療所、病院:1.4%
入院患者
 80歳以上:67%
 男:207名、女:344名 (80歳以上は圧倒的に女性が多い)
紹介元
 荘内病院からの紹介が93%
近未来ビジョン
 ・リハビリテーションを基盤とした医療提供
 ・超高齢社会への対応
 ・増加するしっぺに対応する医療体制の整備
 ・限られた医療資源の下での対応

 ・認知症リハビリテーション
 ・がん患者サポート体制の構築、排用予防のリハビリテーション
 ・在宅医療への関与、橋渡し、医療連携の推進

 ・施設整備
 ・情報システムの整備
 ・職員のための職場環境の整備、改善
 ・医師、スタッフ不足への対応

以上

配布資料

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