11月12日、戴帽式が厳かに行われました。
以下学院長の式辞
戴帽生の皆さん、おめでとうございます。
皆さんは、本校に入学後、看護師にとって必要な基礎的な知識を得るため、勉学
に励んできました。戴帽式は、臨地実習に臨むに当たり、看護師としての職業意
識を新たにし、その責任の重さを自覚するためにある儀式です。
病院での実習では、患者さんの状態をアセスメントし、必要とされている看護を
見出し、計画的に看護を実践することが求められます。生徒である皆さんは学ぶ
ことが目的ですが、実習は自分が学べばよいというだけではなく、皆さんが患者
さんに関わり、看護させて頂く事で、一人でも多くの患者さんから感謝され、そ
してその患者さんが癒され、回復していかなければなりません。
看護師として大切なことは、単に、知識や技術を磨くだけではなく、人に接する
為にはどうあるべきかというを学ぶことだと思います。患者さんに「ありがとう」
と言っていただけるような人間性豊かな看護師になるように臨地実習で学んでく
れることを念じています。
さて、最近の臨床現場では、ナースキャップは細菌繁殖の原因や点滴などのチュー
ブに引っかかり危険であるなどとということから日常の業務ではほとんど使用さ
れなくなりました。しかし、ナースキャップは看護師の象徴として長い間、世間
一般に浸透しています。それは、看護師という専門職を選んだ人の「証」である
と認識されています。
戴帽式はナースキャップをいただくという単なる行事だけではありません。先ほ
ど唱和したナイチンゲール誓詞、それは皆さんの一人ひとりの自分自身への誓い
であり、ここに参列している全ての方への宣言でもあります。看護学生としての
将来の夢や希望を新たにし、決意した、そのことが大きな意味を持ち、自分自身
への決意表明となりました。
真っ白で清潔な、凛としたナースキャップは、清く、誠実な皆さんそのものです。
本日のこの感動と誓いは、いつまでも真新しいナースキャップと共に皆さんの心
の支えになることと信じています。ひとの命と向き合う厳しい道です、自分自身
を問い続ける道です。しかし、やりがいのある素晴らしい道を選択した自分を信
じて、今日のこの感動と誓いを胸にし、しっかりと前を向いて確実に進んでくだ
さい。
最後に、ナイチンゲールが学生に出した手紙の一説をご紹介いたします。「どの
ような訓練を受けたとしても、もし、感じ取ること、自分でものを考える事、こ
の二つが出来なければ、その訓練も無用なものとなってしまうものです」という
言葉です。患者さんが出している小さなサインに気づき、見過ごすことなく観察
し、考え判断し、その患者さんの思いに沿った看護が実践できる優れた看護実践
を学ぶ者としての第一歩を踏み出してください。
本日、ご臨席の皆様方には、今後とも本校の教育活動に、ご理解とご支援を賜り
ますことをお願い申し上げますとともに、皆様のご多幸をご祈念申し上げ、私の
挨拶にかえさせていただきます。