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寝の成り立ち

2022年08月22日 | ことば遊び
「帚(そう)は、木の先を細かく裂いた帚(ほうき)の形をしたもので、香りをつけた酒を振りかけ、祖先の霊を祭る廟(みたまや)などを祓(はら)い清めることに使っていた。
 この「帚」の字形を省略した漢字の一つに「浸(しん)がある。
 この字の旁(つくり)は「帚」の「巾(きん)」を省略して、代わりに「又(また)」(手)を加えた形。つまり旁は「帚」を手で持つ姿。
 「浸」の図形の屋根は廟の建物のことで、この場合は「寝殿」(宮殿の中心である正殿)のこと。「帚」に香りをつけた酒を振りかけて、それを持って寝殿を祓い清めていく字が「浸」。
「帚」で寝殿を祓い清めるうちに、お酒のにおいが寝殿の中に染み渡っていく。そのように、お酒を浸してお祓いをするので「ひたす」の意味になった。

 「帚」についたお酒の香りが廟の中にしだいに浸透していくことを「浸」といい、それを戦争のときに意味をもたせて、「侵攻」「侵略」など、「人」に浸透していくことを「侵」と言った。人に浸透していくことから「おかす」の意味となった。

 最後は「寝殿」の「寝」(寢=旧字)の字。古代文字の形は「宀」と「帚」を合わせた形をして、旧字体にある「爿」(寝台の形)は古代文字にはない。
 「寝」の「宀」は廟のことで、もともとは「帚」で酒を振りかけて祓い清めた廟が「寝」の意味。正殿をあらわす「寝殿」もこの意味からきている。 


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2 コメント

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漢字の成り立ち (らいちゃん)
2022-08-22 09:53:04
今日の記事のように、漢字の成り立ちを解説していただくと、その元々の意味や同じ旁を使った別の漢字との関連性がよくわかります。
学生の頃覚えたそれらの漢字も、年と共に忘れてきています。
それに加えてパソコンに頼るようになって、文字を書く機会がほとんどなくなると、更に思い出せない漢字が多くなってきました。
物忘れが激しくなるのを実感しています。
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(らいちゃん) へ (iina)
2022-08-23 10:13:13
見るからに、塩辛そうなトンボですから、その名をよくつけたものだと感心します。

トンボは、元々 人なつっこいですが、現れたシオカラトンボは余程らいちゃんを気に入ったのですね^^
     でも、最近は他のトンボを見ても、シオカラトンボは目にしません。


「漢字の成り立ち」は、案外と面白いですね。シリーズ化して久しいです。
これほどかの国の漢字の文化圏にいるのに、近年の歴史では何かと問題を抱えています。

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