広辞苑に「除染」は載っていません。英語では「decontamination」毒ガスや放射能を除去、の意味です。
「除染」よりも「除選」
詩人のアーサー・ビナードさん(米国)が「除染」よりも「除選」を!とエッセイで述べています。「除染はまともな単語ではなく、ペテンの道具になりさがっている。放射性物質の最大の特徴は、消せない点だ。撒いた責任は誰もとらないまま「ペテン汚染」の利権構造が固まりつつある」
さらにアーサーさんは、「ぼくが新しく国語辞典に載せたいのは「除選」という造語だ。これまで原子力を推進し、性懲りもなく継続しようとする政治家を洗いざらい捨てる『除去選挙』略して『除選』。もし実現したらそこから本当の復興が始まる」と、するどい指摘です。
アーサー・ビナードさんの詩はまだ知りませんが、ぜひ読んでみたくなりました。詩人の感性で「除染」より「除去選挙=除選」と提起。
この1年間で学習した国民
昨年3.11までは当初、孫正義さんも小林よしのりさんもそうですが、多く人が原子力発電について十分に正確な知識を持ち合わせていないようでした。
国策の中でススメられてきた原発だけに、少なからず国民の多くは安全神話を信じ受け入れてきました。しかし神話は破たんし悲惨な事故から1年経過この間、つぶさに実態を見、知識を得、学習を重ねることで、頭の中を整理し正確な思考に改める賢明な人が増えてきたように思えます。しかし、ここに至っても原発再稼働をもくろむ政治家はアーサーさんの言うように「除選」しなくてはならないでしょう。(考えを発展的に修正した政治家は別)本当の復興のためには、除染よりこちらの除選のほうが有効で現実的なように思います。
「収束」はほど遠く
今も1日千トンのペースで高濃度汚染水を使用。地下水は第一原発建屋内に流れタンクに移されています。17万トンの保管タンクはまもなく満杯になる、さあこれらの汚染水をどうしたらいいか。放射能は山林原野、田畑を汚し近海や沼、湾・・そして食卓にも。いずこも除染はできない厳しい現実なのです。。
【写真】生後間もない赤ちゃんも測定。放射能はキライだい!
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