ポポロ通信舎

(旧・ポポロの広場)姿勢は低く、理想は高く。真理は常に少数から・・

話題作『同志少女よ・・』を読む

2022年04月24日 | 研究・書籍
『同志少女よ、敵を撃て』(逢坂冬馬著 早川書房)を読みました。殺戮が奨励・公認される戦争の持つ魔性の世界にふつうの少女がどのようにして戦士に変貌していくのか、涙なしには読めない物語でした。

本書の発行は昨年(2021年)11月25日。フィクションとはいえ今年2月24日のロシアのウクライナ侵攻の前であったことも、現在進行形の惨事と照らし合わせて教訓的な作品です。

著者は、ロシア史を中心とした近代史をとてもよく研究されている。兵器の特性についても詳しい。

電子書籍ではなく紙の本でしたので用語も難解なものがちょくちょく出てきて、そのたびに辞書を引きました。「抉る」(えぐる)、咎める(とがめる)、痣(あざ)など、その一例。脱走兵を後方から撃つ「督戦隊」というのもよく知りませんでした。

熟読するのに、のべ四日かかりました。外国文学の氏名はカタカナ、時々ニックネームで登場することもありますので、しっかり人物名をメモ帳に書き込んでおかないと理解が不十分になりますね。
戦争で家族を失った女性狙撃兵たち。主人公のセラフィマは「女性のため」、年長のヤーナは「子供たちのため」。ウクライナ人のオリガは「コサックの誇りのため」・・

帯の解説で沼野恭子さん(ロシア文学研究家)が「戦争の理不尽さを思い知らされ、喪失感と絶望に襲われながらも、セラフィマとともに血なまぐさい戦場を駆け抜けることになるにちがいない」の言葉通りの激戦を「体験」をさせていただきました。

この小説は、きっとこれから漫画化、映画化されると思います。この作品の真髄が人々(ポポロ)に広く理解され無益な戦争が一刻も早く無くなることを願います。

★(ほし)五つです。


 
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オーストリア首相に続け!

2022年04月20日 | 政治
えらいですね、オーストリアのネハンマー首相=写真

軍事的に中立国のオーストリア。同国のネハンマー首相は停戦を求めてロシアを訪問。プーチン大統領と直接会って話をしてきた。同首相はモスクワ訪問の前にウクライナの虐殺のあったブチャの現場を視察。その有様も踏まえてプーチンに伝えたようですが、彼は「戦争に勝っていると信じ、今は自分の世界にいる」と述べ聞く耳を持たなかったようだ。

会談の成果はともかくとして今この時期に、中立国の首相がプーチンに会いに行った努力は評価できるものです。ネハンマー首相のように各国が停戦のためにプーチンに説得を試みることが必要だと思います。

かつてわが国の元首相はプーチン大統領と27回会談している。うち11回は訪問。「ウラジミール、君と僕は同じ未来を信じている。ゴールまで2人の力で駆け抜けよう」とまるで恋人に話すかのようなことを言ってのけた。しかしプーチンの心はつかむことができず空しい限り。ここにきて安倍元首相は腹いせのように「核兵器共有」の武闘論に転じている。27回も会った仲ではないですか。一緒に夢見ようとした「親友」が狂って孤立している状態の今こそ温かい言葉で忠告をなさってはいかがでしょう。もう一度お会いしてお話をするべき時と思います。

ちなみにネハンマー首相の所属政党はオーストリア国民党。キリスト教社会主義系の流れをくむ中道政党です。日本でいえば立憲、国民民主党?公明党?的なポジションでしょうか。
日本政府も政党も即時停戦を求めてネハンマー首相の行動に続いてほしいものです。



写真はウィキペディアから。
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愚かな戦争、今すぐやめて!!

2022年04月13日 | Weblog
「怒られてもいい。笑われてもいい。いつも戦争を始めるのは男です。戦争をすると決めて、正義の名のもとに若いオスを狩り集めて、偉そうに殺し合いを命じる。

女が産んで、20年以上お金と時間と愛情を注いで育てた子どもたちに、同じ人間が産んだ子どもたちとの殺し合いを平気でさせる。こんな愚かな行為を、なぜ人間だけが1万2千年も続けて恥じないのか?
今度ばかりは、もう取り返しのつかない事になりそうで怖いし口惜しくて悲しくてたまりません。


ねえ、本当にすぐやめて!!
どうして人間の男たちだけが、ここまで馬鹿なの?馬や鹿に対しても申し訳ないし、恥ずかしい。」
新婦人しんぶん2022/3/19


以上、湯川れい子さん(音楽評論家・作詞家)のご意見です。
女性の視点からの鋭い戦争批判です。(拍手)

昨年の夏、NHKの「100分de名著」では、終戦から77年目を迎え『戦争は女の顔をしていない』を取りあげていました。スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ(1948~)がノーベル賞を受賞するきっかけとなった名著からでした。今回ロシア軍に女性兵士の姿は見かけませんが・・

それにしても今も連日連夜、恐ろしい戦いが繰り広げられています。プーチンに言わせるとこれは戦争ではなく「軍事作戦」だと? いずれにしても多くの人命が失われていることに変わりはありません。

この先どうなるのでしょうか。

ロシア通の評論家、佐藤優氏は「ロシアとウクライナの戦闘は、残念ながらロシアが勝ちます」という。「ゼレンスキーは海外に亡命して亡命政府を樹立するかもしれない。国はいくつかの地域に分かれ、プーチンはそれらの小国を時間をかけて段階的に併合するシナリオを描いているのかもしれない」と、悲観的だ。
(週刊文春WOMAN2022春号)

私は佐藤優氏の予想が外れることを祈っています。「祈る」しかできないのは何とも情けないことではあるのですが。
とにもかくにも侵略者、プーチン・ロシアを勝たせてはならない、それだけは強く願っています。


 
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