『同志少女よ、敵を撃て』(逢坂冬馬著 早川書房)を読みました。殺戮が奨励・公認される戦争の持つ魔性の世界にふつうの少女がどのようにして戦士に変貌していくのか、涙なしには読めない物語でした。
本書の発行は昨年(2021年)11月25日。フィクションとはいえ今年2月24日のロシアのウクライナ侵攻の前であったことも、現在進行形の惨事と照らし合わせて教訓的な作品です。
著者は、ロシア史を中心とした近代史をとてもよく研究されている。兵器の特性についても詳しい。
電子書籍ではなく紙の本でしたので用語も難解なものがちょくちょく出てきて、そのたびに辞書を引きました。「抉る」(えぐる)、咎める(とがめる)、痣(あざ)など、その一例。脱走兵を後方から撃つ「督戦隊」というのもよく知りませんでした。
熟読するのに、のべ四日かかりました。外国文学の氏名はカタカナ、時々ニックネームで登場することもありますので、しっかり人物名をメモ帳に書き込んでおかないと理解が不十分になりますね。
戦争で家族を失った女性狙撃兵たち。主人公のセラフィマは「女性のため」、年長のヤーナは「子供たちのため」。ウクライナ人のオリガは「コサックの誇りのため」・・
帯の解説で沼野恭子さん(ロシア文学研究家)が「戦争の理不尽さを思い知らされ、喪失感と絶望に襲われながらも、セラフィマとともに血なまぐさい戦場を駆け抜けることになるにちがいない」の言葉通りの激戦を「体験」をさせていただきました。
この小説は、きっとこれから漫画化、映画化されると思います。この作品の真髄が人々(ポポロ)に広く理解され無益な戦争が一刻も早く無くなることを願います。
★(ほし)五つです。
著者は、ロシア史を中心とした近代史をとてもよく研究されている。兵器の特性についても詳しい。
電子書籍ではなく紙の本でしたので用語も難解なものがちょくちょく出てきて、そのたびに辞書を引きました。「抉る」(えぐる)、咎める(とがめる)、痣(あざ)など、その一例。脱走兵を後方から撃つ「督戦隊」というのもよく知りませんでした。
熟読するのに、のべ四日かかりました。外国文学の氏名はカタカナ、時々ニックネームで登場することもありますので、しっかり人物名をメモ帳に書き込んでおかないと理解が不十分になりますね。
戦争で家族を失った女性狙撃兵たち。主人公のセラフィマは「女性のため」、年長のヤーナは「子供たちのため」。ウクライナ人のオリガは「コサックの誇りのため」・・
帯の解説で沼野恭子さん(ロシア文学研究家)が「戦争の理不尽さを思い知らされ、喪失感と絶望に襲われながらも、セラフィマとともに血なまぐさい戦場を駆け抜けることになるにちがいない」の言葉通りの激戦を「体験」をさせていただきました。
この小説は、きっとこれから漫画化、映画化されると思います。この作品の真髄が人々(ポポロ)に広く理解され無益な戦争が一刻も早く無くなることを願います。
★(ほし)五つです。