今日の在庫品は崔健(ツイ・ジェン)の全9曲収録のアルバム『一無所有』=写真。
これは私のCD。20年位の間、そのままになっていた死蔵品です。
東芝EMIのCDカバーには「ロックがロックであり続けるために。メインランド(中国)からのリアル・ロック・ライフを伝える崔健デビューアルバム」と書かれている。
私がこのCDを購入したのは1995年ごろ。経済成長が本格化し始めた中国に強く興味を抱いていた時期でもあります。
崔健は1961年中国北京生まれ。今57歳。朝鮮民族系の家庭で父が海軍軍楽隊のトランペット奏者。母はバレリーナ。北京工専を卒業後、北京交響楽団で父親と同じトランペッターの道に進む。26歳の時には交響楽団を追放されたという。ロック音楽家で歩むには厳しい社会環境の下でした。
1989年の天安門事件のころ学生達に『一無所有』が愛唱されたとも。『一無所有』の和訳は『俺には何もない』英訳で『Ihave nothing』。歌の内容は、
俺の夢と自由をお前にあげる。でもお前は笑うだけ、あんたには何も無い・・♪
文なし男の求愛ソングです。しかしよく聴くと理想と現実の狭間での若者たちの悩み、怒り、悲しみがにじんでいるようにも受け取れます。
全曲聴いてみました。すべてが崔健の作詞作曲。搾り出すような崔健の苦悩とも感じ取れるような声がとてもいい。このCDは時々これからも聴こう。
崔健は今も音楽活動が十分出来ているとはいえないのではないでしょうか。あくまで推測ですが・・。かつての旧ソ連社会でも「ロック=精神を汚染された音楽」と見られた時期が長く、ミュージシャン達にとっては受難がつづきました。芸術はあらゆるものの反映です。それは自由に表現されて開花します。もちろん音楽にメッセージ性があってもなくても当然許されるべきでしょう。
理屈無く崔健の曲を、もっともっと聴きたくなりましたね。
棚卸判定は KEEP! (保存)
【一無所有】- 崔健(최건 / Cui Jian) - 1989 M.Gorby visited Beijing