22日、首相の施政方針で「同一労働同一賃金」が2年ぶりに出てきました。「同一労働同一賃金はいよいよ実現の時が来た。雇用形態による不合理な待遇差を禁止し『非正規』という言葉をこの国から一掃する」と勇ましい。思わず拍手を送ってしまいたくなるようなお言葉でしたが、ちょっと待ってプレイバック。プレイバック♪
2012年、第二次安倍政権が再登場してから4年間で雇用者の数こそ230万人と増えたものの実にその9割がパートやアルバイト・派遣社員の非正規労働者。その割合は2016年に全労働者の37.5%まで上昇し過去最高を記録している。この間の政権ご担当はどなたでしたっけ?突然「一掃する」といわれてもにわかには信じられません。
『非正規クライシス』(朝日新聞出版)によりますと、2年前の施政方針でも「同一労働同一賃金」の実現に踏み込む、と同じように言い切っていました。
「同一労働同一賃金」は同じ仕事なら同じ賃金を支給するということ。これはむしろ労働組合側から要求してきたものでしょう。
なぜ、安倍首相が労組の委員長のような形で今「同一労働同一賃金」を語るのでしょうか。『非正規クライシス』ではその理論的支柱は水町勇一郎東大教授(労働法)の研究を参考にしていると解説。フランスやドイツの労働裁判を研究した水町教授は、実際の運用は画一的ではなく「合理的でない格差を禁じる」というもの。日本語の解釈はむずかしい。「格差を禁じる」というなら分かりやすいが、文の前に「合理的でない」が付くと意味が変わってくる。もし合理的であれば「禁じない」ということになります。手品のようですね(笑)
「同一労働同一賃金」では一見“労組委員長”の顔。それとともに施政方針では「専門性の高い仕事では、時間によらず成果で評価する制度を選択できるようにする」として過労状態の強化になるとして危惧されている「高度プロフェッショナル(高プロ)制度」新設の必要性を臭わせている。ここでは反労働者的な経営者の顔。
「同一労働同一賃金」・・今後どのような効力が働いて運用されるものになるのか、期待はしないで注意深く見守っていきます。
非正規クライシス | |
2017/11発行 | |
朝日新聞出版 |
夢見る同一労働同一賃金?
「夢見るシャンソン人形」のフランス・ギャル(70歳)逝去。合掌
フランス・ギャル【夢見るシャンソン人形】(日本語字幕)
「買い物は平和でなければできない。だからこそ買い物雑誌は戦争や平和のことを考えるべき」と主張する『通販生活』。かつては『暮しの手帖』にその精神があったのですが今は残念ながら・・
2017年冬号では、「落合恵子の深呼吸対談」に石破茂自民党衆議院議員が登場=写真。一瞬、「対談」ではなく「対決」かと(笑)
「北朝鮮の核やミサイルは脅威ですが、いたずらに不安を煽(あお)るべきではありません」と石破さん。「そうだ、そうだ。私たちは群れたがる」と落合さん。二人の意見はほとんど平行線ながらも互いに意見を述べ深く耳を傾け合う作法には好感がもてます。
「九条を変えるか変えないかは最終的には国民投票で決める。戦争を経験した世代の方たちがご存命のうちに、是非を問う国民投票を」(石破)。他方「憲法とは国の姿や理想を明示したもの。現実に合わないからと簡単に変えてほしくない。自衛隊は国境警備隊と災害救助隊に改組すべき平和ボケでかまいません」(落合)
意見は異なっても、あらゆる形、組み合わせの対話を続けることが大切と思います。石破氏が『通販生活』で持論を語られたことは評価に値します。
通販生活 2017冬号 | |
落合恵子と石破茂対談 | |
カタログハウス |
日本列島創生論 地方は国家の希望なり (新潮新書) | |
石破茂 著 | |
新潮社 |
私は闘う (文春文庫) | |
野中広務 著平成8年) | |
文藝春秋 |
野中広務『私は闘う』読んでみた。
人にはそれぞれ大なり小なり闘いの歴史があるものですが、この人のそれはそれでスケールが大きいのには圧倒された。
自治大臣在任中は「オウム真理教との闘い」。小選挙区制など政治改革をめぐって「小沢一郎と闘う」。自社さきがけの村山連立政権擁立での攻防。政と官をめぐって大蔵省とのバトル・・。政治信条は保守の立場にいながらも、それにとらわれず縦横無尽に行動してきたリベラルな保守政治家だと思う。
縁者無縁のたたき上げ
今日でも政界は首相を始め二世、三世の世襲議員、さらには官僚議員が多いが野中広務はちがう。町議、町長、府議を経て国会議員になった。学歴は旧制中学校を卒業しただちに鉄道局に就職した。いわば「たたき上げ」の苦労人だ。
上官の言葉で生きる気に
軍国青年で20歳の時に終戦。日本が負けたことが信じられず茫然自失していた。配属の部隊は高知県、坂本竜馬の銅像の前で自決をしようとしていた矢先、部隊の将校が「お前ら死ぬ勇気があれば、これからの日本の国を建て直す勇気に変えろ」と檄。この将校は戦時中から「東条英機が作った戦時訓など軍人勅諭があるのに駄目だ」と公言してはばからず上層部のご都合主義を見抜いていた軍人だったという。優れた人物(上官、上司、先生など)にめぐり合っていたことも人の生き方を大きく変えるものだと感じさせる場面だ。
官僚腐敗を追及
野中は「大蔵解体論」を主張した。幹部接待、権力集中など当時の大蔵省エリートの腐敗は目に余るものだった。特殊法人の見直しなど、官僚と政治家の関係を正しい方向に追求したことは必ずしも十分だったとは言えないながらも評価はできる。
権力一強政治はなじまない
野中広務の先見性は、当初から政党助成金制度や小選挙区制に否定的だったこと。この政治制度はつまるところ2大政党制ではなく1党が独裁になると憂いていた。
かつての自民党には野中広務のようなキーマンが進言しその改革案を実行することで自浄作用があった。彼の目指して闘ってきた理想は今もその輝きを失っていない。
ところで現在進行中の安倍一強体制はどうだろう。政と官の関係、選挙制度、党内民主主義、人事権の内閣集中、憲法をめぐる運用・・野中広務のめざしてきた理想とはあまりにも大きくかけ離れているように見える。いまこそ野中広務的な柔構造の保守政治を取り戻すことを願うばかりです。
美しく闘おう:東京大学 応援歌 【 闘魂は】
思わず笑ってしまいました。
今度ばかりは失言ではないですな、麻生副総理。アホらしくなるのはごもっともでございます。わたしもかねがね思っていたことです。
労働組合=連合の顔がさっぱり見えて来ない、ふがいない。首相の安倍さんが労組の委員長の役も担っているようにしか映らない。労組不在の“官製春闘”が続いてもう何年になることでしょう。
太田薫さん! (=写真) 出てきてよ。
ラッパ用意しますから。今のだらしない労組ダラ幹部に喝を入れてくださいな!
麻生太郎・副総理兼財務相(発言録):朝日新聞
企業の利益の割に、(労働者の)給料が上がっていない。給料や賞与を上げてほしいと今の政権が経団連に頼んでいるが、本来は連合や野党・民進党の仕事だ。連合は、陳情は自民党、選挙は民進党。あほらしくてやってられない。
こんなやり方、いつまでやってんだと。私のことですから、会うたびに連合の方やら何やらに申し上げてきています。全然おかしいですよ。何であんたの労働組合は民進党をやっている? 我々の方がよっぽど労働組合のためになっているんじゃないですかね。(福岡県飯塚市での新春国政報告会で)
労働運動も健在だった80年代の曲が懐かしい・・【翼の折れたエンジェル】 中村あゆみ&坂本冬美
もういいじゃないか/南こうせつとかぐや姫。1973年8月録音。
45回転のアナログレコードから。
大ヒットした『神田川』のB面の曲です。これまでYouTubeでは見当たらなかったのでアップしてみました。いかがでしょう?
時計をはずして 眠ろうよ
あせってみたとて 悩んでみたとて
ねばってみたとて、頑張ってみたとて
むなしくなるだけさ~♪
ちょっとニヒルなこの歌詞が気に入っていました。
今もこの気分、余りかわっていませんね。
もういいじゃないか/南こうせつとかぐや姫
年末年始にかけて来襲中の「ちびっ子軍団」がようやく引き揚げ、たまっていた新聞のチャックを開始です。
「原発輸出、政府が債務保証、大手銀行など1.5兆円融資。英国の新設に」の記事には、びっくり仰天、あきれました。1月3日毎日新聞=写真。正月早々、深いため息ですfuu。。
今年もやるのか原発輸出。日立製作所と3メガバンク(東京三菱UFJ、三井住友、みずほ)の融資を、事故時の貸し倒れに備えて日本政府が全額を保証するという・・。
「技術を絶やさないために英国の新設プロジェクト獲得は必要」(経産省幹部)だって?強気で強欲、懲りない人たちですね。事故が起きたら債務保証で、果たして対応しきれることができるのでしょうか。
買う方も買う方、どうかしていますね。債務保証で、事故前の姿に戻れると本気で思っているのかな。それが叶わないことはこれまでの事故の教訓で十分に分かるはずなのに。
売るアホに買うアホ。
東芝の次は、いずれ日立にならないことを。
ああ、えじゃないか、えじゃないか~
若手漫才「ウーマンラシュアワー」の切れがいいですな。ダメダメ!ダメダメ!
さいごの決め台詞がいい「お前たちのことだ!」
CMがうるさく気が散る動画ですが・・
[THE MANZAI 2017] ウーマン 時事ネタ漫才
相撲不祥事について、7年前の「ポポロの広場」2011年2月7日福島原発震災の約1ヵ月前に「力士に“選手会”を」と題して取り上げました。読み直しましたが、少しも内情が変わっていないように感じます。
貴ノ岩に暴行した横綱の日馬富士・・。昨年はその報道で加熱していました。しかしその本質に迫る改善策は一向に議論されていないのは気になるところです。
いつの間にか「白鵬VS貴乃花」の問題に矮小化されているようになってしまいました。
相撲界に必要なのは「モンゴル人会」でなく「労働組合」でしょう。
俗っぽい「白鵬VS貴乃花」の対決で評価するならば、ここは「貴乃花」を応援したい。朝青龍と白鵬が土俵上で競い合っていたときは、白鵬を応援していましたが朝青龍が去った後は、白鵬の「朝青龍化」を感じ次第に幻滅していきました。最近の白鵬は乱暴でゴーマン、いただけません。政治も相撲も一強は良くない。健全な野党、ライバルが必要です。
貴乃花の孤軍奮闘に同情
今回の不祥事に対して問題提起をしてきたのは貴乃花側でしょう。彼のかたくなな態度に批判は集まったもののこの問題を簡単に済ませてはならないと思います。これを機に相撲界を深く深く刷新する必要があります。そのきっかけと可能性は少なくとも貴乃花の姿勢に見て取れるからです。
親方にビール瓶で殴られ殺された7年間前の事件、息子の力士(時太山)からの悲鳴の電話あってもまだ頑張れと励ました故郷の父親。その無念な涙の顔=写真。今も忘れられません。
プロ野球選手の労働組合「選手会」のように、力士たちの団結の“土俵”=ユニオン(労組)が在って良いと願います。そこまで進まなければ真の改革とはならないでしょう。
以下2011年2月7日の当「ポポロの広場ブログ」から。(ご参照)
「大相撲史上、最大の汚点」の見出しで騒がれる八百長問題。私はこの問題は、これまで公然の秘密であったことが明るみになっただけで、今に始まったことではないと受け止めています。
小学生のころ、相撲通の公務員のお兄さんから「八百長はあるんだよ。7勝7敗で千秋楽を迎えた力士は、勝ち越さないとたいへんだからね」と聞かされていました。その方法は今のようにメールが介在するのでなく「使いのものが対戦相手の部屋にこっそり行ってお願いするんだ」とも。子ども心に、負け越したら給金に響くのではやむを得ないな、と思っていました。その通の兄は「余裕のある方が、追い詰められている方を助けてやるのさ」と付け加えていました。
毎日新聞の「余録」が、詳しかった。『ヤバい経済学』の著書で、米国シカゴ大学のS・レビット教授が3万組のデーターを基に、7勝7敗の力士は、8勝7敗力士との対戦結果では8割が勝つと立証。そして余録子は、「異国の学者に舞台裏を見透かされた国技が情けない」と結んでいた。
私は、八百長の根は番付万能の相撲界で、待遇面での差があまりに激しいことにあるように思います。今度の件で改めて知ったのですが、十両と幕下以下の給与・手当ての雲泥の格差、十両は年収1千万円級、かたや幕下15万円~序の口7万円が2カ月に一度の手当て、これではワーキングプア中のプア。「すべて修行だから」と言っていた親方関係者がいたが、こんな状態では、これから角界入りする若者は減る一方だろう。
「八百長」はそれぞれの力士たちの処遇面を制度的にきちんとすれば、改善できるものと思う。相撲協会の公益性を度外視してあえて言えば、相撲はスポーツであってもショー的要素がある限り、八百長は必ずしも責められないようにも。
それよりも、八百長は人命に直接係わりはないが、シゴキ、暴力事件を忘れずに重大視したい。
力士死亡は90年以降、以下の通り。
1990年 近村(19歳) 九重部屋 序二段 急性心不全
1992年 大威力(18歳)朝日山 序二段 心不全
1992年 琴千場(24歳)佐渡ヶ嶽 三段目 急性心不全
1992年 魁士(15歳) 放駒 序の口 心筋梗塞
1996年 若藤光(25歳)宮城野 三段目 心不全
2007年 時太山(17歳) 時津風 序の口 リンチ殺人
息子の力士(時太山)からの悲鳴の電話に、まだ頑張れ!と言って励ました故郷の父の無念=写真。
ビール瓶で殴られ、金属バットでしごかれ死亡した若い力士のお父さんのくやしさは忘れられません。
ここまで来たら今や、力士にプロ野球界並の互助組織“選手会”が必要ではないでしょうか。八百長も善意に解釈すれば力士間の一種“互助”の気持ちからの行為。力士会を結成し、力士たちが前面に出られなければ、代理人(労務士、弁護士等)に託して協会、部屋親方と交渉し、力士たちの日ごろの要望を示し是正して行くことが、これからの相撲界の発展につながるように思います。
(にほんブログ村)
Felican Novjaron Por vi !
(フリカン ナビジャロン ポー ヴィ)
(みなさん あけましておめでとうございます)
今年もエスペラント語で2018初春のご挨拶を申し上げます。
恒例となりますが国際語エスペラントの創始者ザメンホフ博士の詩『道』の一節です。
うまずたゆまず
種をまき、種をまく
のちの時代を考えながら・・・
百の種は滅びても
千の種は滅びても
いつもかわらず種をまき、種をまく
「おい、やめろ!」
といって人々は笑う
「やめるな、やめるな」
と心に聞こえる
「がんばって進め!」
孫が祝ってくれるのだ
しんぼう強く、しのいだら
本年もポポロの広場への皆さまのお越しをお待ちしています。
いぬ年にちなみまして「Three Dog Night」の『喜びの世界』を聴きもやもやとした空気を吹き飛ばして行きましょう!!
【木工さんの写真】矢嶋秀一作 フォト 田口大輔
スリー・ドッグ・ナイト 喜びの世界 Three Dog Night Joy To The World