ポポロ通信舎

(旧・ポポロの広場)姿勢は低く、理想は高く。真理は常に少数から・・

同じ霊長類ヒト科の人間

2020年04月17日 | 研究・書籍
コロナウイルス禍で揺れる昨今、マスコミの報道から中東やアフリカの紛争地のニュースがめっきり出てこなくなった。コロナウイルスの前に、当事者間で一時停戦したいう話は聞かないし、連日きっとどこかで戦いは続いているにちがいない。

ぼくは13歳、任務は自爆テロ』(永井陽右著 合同出版 2017年)を読みました。2011年ソマリアでは未曽有の飢饉で26万人が死亡。そして30年以上も内戦がつづき多くの人たちが命を落としています。
著者は、世界最悪の紛争地ソマリアをなんとかしたい、どうしたらこの世界からテロをなくすことができるのか、対話ができないとき、ぼくらはどうするべきなのか?と自問をする。


ソマリアではすべての武装組織が子どもたちを兵士として使っている。「子ども兵」とは15歳未満の軍事行動に参加するものをいう。
人間誰しも生まれながらにギャングやテロリストだったわけではない。明日の命も保証されずに、小さな体に時限爆弾を巻き付けジハード(聖戦)の名のもとに自爆テロに殉じる。なんとも異様でそら恐ろしい光景です。
イスラムの教えでは自殺は禁じられているのだが、イスラム過激派の間では自爆テロは聖戦のためと解釈されている。


著者は、過激集団からの脱退者たちの積極的な社会復帰のプログラムを用意する。テロを止められない理由、そしてテロを止める方法を具体的に提起もしている。
○○県人として、日本人として、の帰属意識をもっと推し進め「人間として」の段階までに拡大する思考方法を著者は強く訴える。みんな同じ霊長類ヒト科の人間なのだからと。


今般のコロナウイルス禍で多くの罹病者が病院に収容できなくなり死の恐怖を目の前にしている。ただもう一度、同じ地球では、同じ時刻に今も野戦病院化し「医療崩壊」が日常になっている各地の紛争地域の存在することを私たちは忘れないようにしたいと思う。そして人類は互いに殺しあうことの愚かさをこの際コロナ禍の今、きっぱりやめようではないか。



著者永井陽右氏=1991年神奈川県生まれ。早稲田大(教育)卒。「日本ソマリア青年機構」を設立、NPO法人「アクセプト・インターナショナル」の代表理事。



 

We Are The World 2020 - The Quarantine Mix, Long Island
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする