東京の土人形 今戸焼? 今戸人形? いまどき人形 つれづれ

昔あった東京の人形を東京の土で、、、、

浅草と深草

2010-08-13 23:58:58 | 今戸人形(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

2007_0101_000000p1010594 以前からずっと気になっていたこと。

今戸焼が生れたのは浅草。今戸人形の発生の母胎となった京都・伏見人形のふるさとである伏見には深草という地名がある。古い文献には「深草焼」という名称も残っている。

浅草深草。「浅い」と「深い」。余りにもシンメトリックに対称的な地名。どちらかが何かを基準にして対比的に名づけられたかのよう、、。

浅草については、、、

「江戸東京学事典」によると
「浅草の地名の由来には、諸説があり、アイヌ語のアツアクサ(海を越すという意味)にちなむとか、チベット語のアーシャ・クシャ(聖のおわす所の意味)に由来するなど。定説は「江戸往古図説」が「往古下谷より此わたりへかけて平地にして武蔵野の末にて草もおのづから浅々しき故浅草と云しなるべしといへりさもあらんか」と述べているらしい。(以上よそのHPから引用させていただきました。)

深草については、、

「寛永14(1637)年刊の『洛中絵図』(以後発刊年省略)に深草町とある。町名の由来は不明だが、「地名の国語学的分類」(以後「地名分類」と略す)では、町内に深い草地があったなど土地の状況からの命名と推定される。」。(以上もよそのHPから引用させていただきました。)とありますが、いつまで遡ることができるのか明記されてはいないのでよくわかりません。

しかし浅草についてはまた、、

「往古、草深い武蔵野の中で浅草の一画は茅や芝草ばかり浅々と生い茂っていた草原だったので、京都の深草と対比して「浅草」の地名が生まれたのであろう……これが定説だそうだ。(他にも諸説ある)」(以上もよそのHPから引用させていただきました。)ので、やはり深草に対して浅草という名前がつけられたものでしょうか?

ただ浅草と最初に呼んだ人は「深草」を知っていて、それに対比させてつけたのであれば、深草との何かしらの共通点をもって名づけたのでしょう?それは何なのでしょうか?川でしょうか?

江戸の古い川柳に「かはらけ(土器)は 浅い深いの土で出来」というのを読んだことがあります。

浅草の地名は浅草寺の創建以前に遡るとされているので、今戸焼の起源とされている時代よりもはるか昔です。しかし、浅草寺の創建以来、瓦や土器類の需要はあっただろうと思われますし、今戸焼以前にそれらを作る人はいたのではないか、と考えれば、土師の存在を想像でき、伏見、深草あたりの土師の流れを汲む人たちが「深草」に対して「浅草」と名付けたとしても不思議ではないと思いますがどうでしょう。はからずも、浅草寺縁起に土師中知(はじのなかとも)という三社様のひとりの名前が出てきます。

私は歴史に疎く、学問にも疎いので、あくまで勝手に空想しているまでのことなのですが、これらについてわかる本があったら読んでみたいです。

画像は左が古い伏見人形の「子抱き」です。新しくても明治はじめ、あるいは江戸末に遡るものでしょうか?黄色い部分は「きはだ」の煮出しのように見えます。右は尾張屋春吉翁作の今戸人形の「子抱き」で関東大震災以降の作ですが、この型自体はもっと昔に遡るものでしょう。いづれにしても、今戸人形が伏見人形からの抜き型から生れたたということがわかる一例です。

 

 

 

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今戸人形 「娘河童」 (尾張屋春吉翁 作)

2010-08-13 12:25:04 | 今戸人形(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

2007_0101_000000p1010593 暑さの厳しい中、涼しげな今戸焼の土人形でもご紹介しようと思い、抽斗の中から取り出してみました。

この人形は最後の今戸焼の人形師だった尾張屋・金澤春吉翁(明治元年~昭和19年)自ら創作されたと言われている型の土人形のひとつです。生粋の江戸っ子でいらっしゃる上に箱庭細工の名人でもいらっしゃった訳で、発想の洒脱さ、面白さは流石だと思います。

笊に入ったキュウリは2枚型だとひっかかって抜けないので、別型で抜いて、本体に貼りつけてあります。芸が細かいです。

顔や手の部分の色は以前ご紹介した「河童の火入れ」同様、独特の色遣いで、単に深緑色の泥絵具を塗ったのとは違って、不思議な発色です。

 

 

 

 

 

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