東京の土人形 今戸焼? 今戸人形? いまどき人形 つれづれ

昔あった東京の人形を東京の土で、、、、

おいしい坦々麺

2011-12-27 16:57:42 | おいしいもの

P1010008ラーメンは子供の頃食べたような醤油味のさっぱりした東京の普通のラーメンが大好きです。しかしこの極く普通のラーメンというのが案外難しい。

でも坦々麺も好きです。同じ麺類ですが、ラーメンとは別の料理だと思います。わざわざ他所の街まで出かけて、行列に並んだり、高価でも、というレベルではありませんが、近所でサンダル履きで食べられる店は何軒か食べてみたのですが、ここが一番おいしい。赤羽駅東口から徒歩8分くらいのところにある「川味亭」さんです。

駅から離れているのでお昼時以外は余裕を持って食べることができます。

坦々麺といえば白胡麻のと黒胡麻のとがあり、黒のほうが幾分高いことがありますが、ここは黒胡麻のだけあります。汁の底あたりに胡麻と砕いたピーナッツがどっさり沈んでいるし、味付けは自家製の甘辛のラー油がたっぷり。面は中ぐらい。

P1010009人によってお好みの違いがあるかもしれませんが独断でここのはおいしいと思います。

画像ではもやしがたっぷり乗っていますが、これは特別仕様。お馴染みなんでサービスしてくれているのです。それとこれは大盛で頼んでいます。上にもたっぶりのピーナッツ。昼でも夜でも定食扱いにしてくれるのでザー菜や野菜や杏仁豆腐もつけてくれます。これで(大盛りで)¥800です。安いと思いませんか?

他の地域の店を隈なく食べ比べた訳ではないですが、赤羽界隈ではここのがおいしいと思います。寒いときは体が温まります。ここでは他に酸らー湯麺もおいしいです。


招き狐 2011

2011-12-26 02:10:07 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

P1010092今日は12月25日。王子の「狐の行列」は大晦日なので遅くとも前日の30日までにお納めに行かなければなりません。

「招き狐」のほうは下地塗りと面描き、耳や尻尾への下地の黄色を置くところまでは進んではいるので、次に黄色の上からスカーレット染料の赤を置いて干せば完成です。それを乾燥させてから包めばすぐにでも納めに行けます。

前にも記したかもしれませんが、この狐、はじめて納めたときは赤部分を朱色で塗っていたのですが2回目から黄色の上にスカーレット染料を置いたほうが発色の深味も出てまた下地の黄色もちらりと覗くほうが黄色と赤との対比も出て美しいと思ったのです。江戸時代、まだ植物の煮出しを使っていた頃、赤くする部分は蘇芳の煮出しを塗るわけですが、そのまま塗ると紫がかった発色になってしまうのですが、下にキハダの煮出しを塗って黄色くした上に蘇芳を塗るとちょうど赤みがかって発色できたわけです。合成のスカーレット染料もそのまま塗ると紫がかってしまうので、ピンクやオレンジの染料を混ぜて青みを抑えることは染色などでもされる工夫ではないでしょうか?、下地に黄色を塗っておけば更に発色もよくなり、滲みも防げるのです。           P1010093

画像の一番奥の手前の狐の顔がちょっと違ってみえませんでしょうか?実はこれまでのこの型の招き狐の口の入れ方は従来の今戸の鉄砲狐と区別するため意図的に違えて描いていました。もとは鉄砲狐は鼻孔と口を分けて描いていた作例もあったのですが、省略して大きめのポチを入れるようになっています。

招き狐の口は鉄砲狐と区別させようと、口は下方に一筆で入れるようにしてきたのですが、今回数個だけ試しに鉄砲狐風に大きく入れてみたのですがどうでしょうか?


羽子板市3日目

2011-12-19 22:23:09 | 日々

P1010089今日は羽子板市の3日目で最終日。体調のため外出していなかったのですが、薬で痛みを抑え、尾張屋さんのご墓所のお参りの帰り寄ってみました。

夜はこのところ厳しい寒さですが、日中は日差しもあって寒さも和らいでいるような気がしました。

観音様、三社様、被官稲荷様をお参りしてから早速 創業300年を迎えられたお人形の「吉徳」さんのご出店をお邪魔してきました。

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観音様のお堂のすぐそば。いただいたコメントによれば、丸〆猫は完売しているとのお知らせをいただいていましたが、残っている人形を見てびっくり。丸〆猫以外の今戸型の招き猫も既に完売。干支の辰ものも全て完売でした。目の前で月見兎と口入れ狐をお求めくださる方もいらっしゃいました。本当にありがたいことです。

お店のところどころに手作りの絵ビラで今戸人形のことや丸〆猫についてもご紹介くださって感謝感激です。

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何よりも昔ながらに観音様のそばで拙作の土人形を並べてくださったことがありがたいです。

またお求めくださった皆様ありがとうございました。

本来ならば芝居好きでもあり、他のご出店の羽子板をじっくり観て帰りたかったのですが、薬が切れるのを心配して吉徳さんの皆さんにお礼申し上げて早々に帰宅(おそばだけは食べて)しました。

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お参り

2011-12-19 21:18:13 | 日々

P1010077ここ数週間持病のヘルニアの調子が悪く、寝ても起きても足が痛むので外に出ていませんでした。

今年の羽子板市もひと眼見に行きたいと思っていたので最終日の今日行こうと思い、同時に金澤家の墓所もお参りさせていただき、歳の瀬でもあるのできれいに掃除させていただこうとお許しをいただきお邪魔しました。秋のお彼岸以来です。

最後の生粋の今戸人形師であった尾張屋・金澤春吉翁(明治元年~昭和19年)と人形作りのお手伝いをされていた娘さんの花さん(~平成16年)、また春吉翁の義理の兄弟である政五郎さんらがここにお眠りになられているわけです。金澤家の皆さまからは春吉翁のお作りになられた人形をお手本に作ることをお許しいただいていること、直接春吉翁にお目にかかったことはないものの、作る過程で改めて知ることがあるのも春吉翁や金澤家の皆さまのおかげと感謝しています。

お寺さまの井戸水(今戸の水)をお借りして念入りにお掃除させてもらったつもりですがお線香立の金具にこびりついたヤニだけはどうしてもとれなかったのが心残りです。お花とお線香を差し上げて手を合わせ失礼してきました。毎回お馴染みになっているお寺さんのハスキー君も元気で好意的に出迎えてくれました。

尾張屋・金澤春吉翁については

山田徳兵衛著「人形百話」より→P1010080

最後の今戸人形師 尾張屋春吉翁→

尾張屋春吉翁 今戸焼土人形作り風景→

尾張屋春吉翁 今戸焼土人形作り風景②→

尾張屋・金澤春吉翁作の今戸人形は 

今戸人形のカテゴリー→

に数点掲載してありますのでお時間ありましたらご覧ください。


今年の羽子板市

2011-12-14 03:01:39 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

P1010050この上なくうれしいことがあったのでお知らせします。

今週末の12月17日(土)・18日(日)と19日(月)の三日間、歳の瀬恒例の浅草の羽子板市が開催されます。今年で創業300年を迎えられる東京で一番のお人形の老舗・浅草橋の「吉徳」さんがはじめてご出店されます。300年という節目を記念されてのご出店ではないかと思います。

 先日その吉徳さんから連絡をいただき、私の人形を羽子板と一緒にに並べてくださるというご厚情をいただきました。この上なくありがたくうれしいお話。

今戸焼の土人形はかつては観音様の境内で床店(仮店舗)や露店で売られることが盛んになった理由のひとつでもあったわけで、そうした昔の今戸焼の土人形の再現を目指している私にとっては、昔のように観音様の境内の露天に自分の人形を並べてもらえるということは作ることに加えて昔の今戸焼の姿を追体験させてもらえる願ってもないことです。(私が立って売るわけではないですが、我が子の晴れ舞台のような心境。)

並べてくださる人形の種類は急なことでもあり、限られた種類になりますが、中でも招き猫の最も古い姿と考えられる丸〆猫(まるしめのねこ)は嘉永5年に観音様脇の三社様(浅草神社・嘗ては浅草権現)の鳥居横でお婆さんによって売り出され、かなりの流行となったことが古い記録に残っており、三社様こそは記録に残る「招き猫発祥の地」だと考えているので、同じ観音様の境内に並べてもらえるということは昔の姿を再現したものが、本来の場所に並ぶということに思うのでうれしさこの上ありません。

また、来年の干支ものの辰の土人形も今年は3種類作りましたが、「昔の浅草」を念頭に作ったものなので、その中心に並ぶというのは感無量です。

P1010049羽子板市へお出かけのみなさま、どうか吉徳さんのご出店へ是非お立寄りください。そして羽子板のついでに私の人形も観てくださるとうれしいです。そういえば、現在「平成中村座」がかかっているそうですが、芝居好きの方にも観てもらえるとうれしいです。よろしくお願いいたします。

元祖・招き猫発祥の地(三社様)の記事はこちら→

丸〆猫(まるしめのねこ)①の記事はこちら→

創業300年・お人形の吉徳さんのサイトはこちら→

拙作の干支ものの辰についてはHPでもご紹介しています。→


気がかりな十五夜さん

2011-12-10 18:19:05 | おともだち

P1010039このところ仕事場にいる時間が多かったので十五夜さんにつきっきりではいられませんでした。それでも自宅にいれば、十五夜さんのところでできるだけ一緒にいます。

忙しくて目薬が切れてしまったので左目がまたぶりかえしてきて、また病院で目薬をもらって射しています。先月末からモードに入っていますが、一旦過ぎたかな?と思っていたのがまだ長引いています。いつもの事とはいうもののモードに入ると、大きな声で鳴くので、結構体力を消耗するのか少しやつれてきているような、、、?

それと困っているのは、自分の脇腹の毛をむしP1010037_2
のです。両脇ともに毛のボリュームがなくなっています。病院の先生にお訊ねしたところ、皮膚にただれがなければ、ストレスから来ているのではないか、、とのことでした。対処法としては気持ちを安定させる薬もあるそうですが、そういうことはなるべく避け、遊ぶおもちゃなどを用意してあげることもひとつだとか、、、。いちばんいいのは私がいつも相手してあげることなのですが、現実問題として時期的に厳しい。そばにいれば、ソファーになり、遊具になってあげるのですが、、、。

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干支ものの辰ほか

2011-12-10 04:28:49 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

P1010003この数週間というもの連夜夜なべが続いていましたが、やっと来年の干支の辰の土人形3種類が塗り終わりました。といっても素焼きしてあるもの全てではなく、とりあえず急ぎで完成しなければならない分だけなのですが、、、。

早速この場でご覧いただければと思います。

最初の画像は「有卦船」(うけぶね)。「有卦」というのは、昔、陰陽道からきた祝い方なのですが、人生のサイクルには「有卦」と「無卦」というふたつの期間が交互にやって来る。当然「有卦」がいい時期です。「有卦」に入ると飾りものの船に「ふ」のつくものを7つ乗せて飾って祝う。「ふ」は「福」の「ふ」です。「ふぐ」「福寿草」「分銅」「福助」「福(お福)」「筆」「文(ふみ)」「富士山」「藤」「ふんどし」「福禄寿」「ふのり」などなど、、、。画像の船には左から「分銅」「ふぐ」「お福」「福寿草」「福良雀」「富士山」そして帆柱が「筆」で7つになっています。作ってみてこの「有卦船」が一番大変でした。何しろ塗り分けが大変でした。ネオカラーとかポスターカラーを使えば瓶やチューブから色を出して、水に混ぜて使うだけですごく便利なのですが、できるだけ昔風な発色にしたいので、すべて粉で買ってきた泥絵の具を膠と混ぜて湯煎にかけて溶くので、使うたびにお湯を沸かすわけです。一番大変だった訳ですが、その分報われた出来かどうかはわかりません。P1010002_2

画像2枚目は「善玉悪玉」。いわば「見立ての金龍山」といった心で作ってみました。歌舞伎好きの方にはおわかりいただけるでしょうか?

歌舞伎舞踊に「三社祭」(弥生の花浅草祭)という演目があり人気があります。これは昔、三社祭で曳き廻された山車に飾った人形に見立てて4つの場面からなる踊りなのですが、その中で一番有名な場面です。浅草の観音様の縁起では隅田川(宮戸川とも大川とも)で投網をしていた「竹成・浜成」の2人の漁師の網に黄金の観音像がかかり、それを地元の「土師のなかとも」という人と3人で祠にお祀りしたのが浅草寺のはじまりといわれているので、この3人をお祀りしたのが浅草神社(三社様)です。踊りの中では、2人の漁師が漁をしているところに叢雲が降りて来て、雲の中の「善玉」「悪玉」が2人にとりついて滑稽な踊りとなる設定です。「善」と「悪」の文字が顔になっているデザインが面白いと思います。「善玉悪玉」というのが当時流行していた「心学」というものから来ていて「人の心の中には善玉と悪玉がいて行動を左右する」といったものらしいですが、「悪」といっても「強悪」「極悪」「凶悪」といった類ではなく「誘惑に負けてしまう心」といったところなのではないでしょうか?昔、芝居とか廓とか寄席、酒場などを「悪所」といったそうですが、そのくらいの「悪」のレベルではないでしょうか?実際の踊りの場面には龍は登場しませんが、浅草寺の山号を「金龍山」というくらいなので、絡ませてみました。善玉の持つ扇には浅草寺のご紋の「かすがいやま」を描いてみました。

P10100053枚目の画像は「珠取り」(「珠取り海女」とも「珠取り姫」とも)。これは能(謡曲)の「海士」からきている題材です。その昔、藤原淡海と契った海女がその子の無事の成長出世を祈って、海に潜り、竜宮から珠を盗んだ、、という話。舞台となったのは四国の「志渡寺」辺りだそうです。

謡曲から地唄などに伝わり、京都の伏見人形で作られ、伝播した古典的な形の人形なのですが、強引ですが、東京といえば隅田川、隅田川といえば都鳥ということで、海女の横に都鳥を泳がせてみました。

まだ塗っていない分があるのですが、急ぎで招き猫やぴいぴいなども仕上げなければならず、また、大晦日の王子の装束稲荷さまの「狐の行列」で授与される「招き狐」も仕上げなければならないので、とりあえず干支の辰はここらで中断して他のものも仕上げなければ、、と慌てています。                   P1010006

それでも塗り終わっていくらかホッとしました。

拙作の干支ものの辰についてはHPでもご紹介しています。→

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