東京の土人形 今戸焼? 今戸人形? いまどき人形 つれづれ

昔あった東京の人形を東京の土で、、、、

4年に一度のご命日

2020-02-29 15:06:38 | 日々

 今戸人形の生粋の最後の作者であった 尾張屋・金澤春吉翁がお亡くなりになられたのが昭和19年の2月29日であったため、ご命日は4年に一回の閏年(うるうどし)にやってきます。例年は2月28日にお参りさせてだたいていますが、今年こそうるう年で29日にお参りさせていただきました。今日はこの上ないよい天気に恵まれ、自転車で往復してきましたが、道中ところどころでさまざまな花を目にすることができました。桜が咲いているところもあります。

 尾張屋さんに予め電話でお許しいただいてから出かけたわけですが、尾張屋さんは昨日お参りされたようで、新しいお花が既にお供えされていたところに私がお持ちした花も割り込ませていただいて何だか窮屈な感じになってしまいました。

 まずはお参りさせていただいて安堵しました。


窯出し

2020-02-21 18:17:01 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 素焼き運転が終わってから、窯の蓋を開けずに炉内が自然に冷めるのを待ちます。案外これに時間がかかり、炉内温度が100度以下になるのを待ちます。

 100℃を割っても炉内は熱いのでミトンの手袋をはめて落としたり、ぶつけたりしないように取り出していきます。2枚目の画像は上の棚板を取り出して下の人形がみえてきたところ。 

 下の細かい人形を取り出して、招き猫の火入れを残すところ。

 

  火入れの中には小さな人形を詰め込みながら窯入れしていたので、焼き上がりの細かいのを火入れから取り出します。一回辺りの素焼きができる限りたくさんの人形や型作りの焼きで充実していることが理想です。

 炉内が空になったところで、今回入れきれなかった分を炉内に入れておきます。他にもまだ乾燥させているおかめの火入れもあり近々にまた素焼きします。

 

  素焼きの済んだ分はやすりがけして地塗りに備えます。


窯入れ

2020-02-19 21:11:40 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 年が明けて初午、二ノ午向け以降に以降型抜き出して貯まったものを素焼きをします。昨年の入退院期間を含め、かなりお待たせしている方々向けを中心とした中身です。

 まだ乾燥しきっていないものもひかえているので、まずは急ぎ素焼きさせたい人形だけでも嵩

があります。


ご開帳(尾張屋さんの今戸人形)

2020-02-15 13:35:21 | 日々

 昨日天気の崩れが無さそうなのを当て込んで現在開帳となっている尾張屋さん(最後の生粋の今戸人形の作者であった 尾張屋・金澤春吉翁 明治元年〜昭和19年)のご遺族から両国の江戸東京博物館へ寄贈されたお人形に会いに自転車で出かけてきました。

 画像は出口横の記念品売り場で図録とともに販売されていた絵葉書のひとつです。

 現在開催中の企画展のパーツのひとつとして三浦乾也と隅田川沿岸の窯業という

括りの中に展示されていたのでした。上の絵葉書の画像の人形がひととおり並んでいました。同じ括りのコーナーには三浦乾也の作品に加え、今戸人形の作家として名前の記録されている戸澤弁司による鳥井京山像という大型の肖像や百花園焼佐原きくう作の都鳥香合などと共に春吉翁の人形が雛壇式に180℃角度のガラスケースに展示されていました。

  残念だったのは乾也の作品や戸澤弁司の作品が360度から観ることができるケースだったのに、尾張屋さんの作品は180℃しか観えない展示になっていたこと。今戸の人形の多くは前面のみの彩色で裏は省略されていることが多いけれど裏面の彫りにも観るべきものはあり、展示者の独断により、その可能性が封じられてしまうのは悲しい限りでした。

 また展示コーナーにより撮影可否の表示が示されているのですが、春吉翁のケースは乾也やきくう、弁司と抱合せのためか、禁止ゾーンになっていました。既得利権とか記念品売り場のテナントの売上貢献のためかわかりませんが、過去の常設展示では撮影についてフラッシュ以外縛りのなかったものが今回は禁止になっているという不思議さ。

 まあそれでも春吉翁による(江戸以来続いた正真正銘の)今戸人形が開帳になっているのは目出度いこと。

余談ですけど会場出口の横で売られているにんぎょうは…?こう言っては何ですが便乗商法?春吉翁の娘さんのはなさんが最も危惧していたシチュエーションなのでは…とか案じてしまいました。


火入れの成形

2020-02-12 11:46:47 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

頼まれておかめと招き猫の火入れを作っています。

 正直いうと成形にかぎっていえば、火入れはほかの人形類に比べてやたらしんどいです。まず大きいので割型自体が重く、そこへ粘土を詰めて運ぶときの重さはかなりです。それと作業するのにも、干したり置いて置くにも場所を食う。型から抜いてすぐにバリ取りやなめしはできず、ある程度水気がとんで、形がへたったりしなくなるまで寝かせます。我が家は狭いので、仕方なしに風呂場に置いています。

 火入れはもともと裸火を入れる器具なので、中に仕込んだ種火の熱が床などに直接伝わってしまわないように上げ底にします。小さな人形には平らな底もあれば、上げ底のものもあり、だいたい渋滞なくできますが、火入れのように大きなものの上底は乾くまでの時間と「ヘタリ」が入りやすいのでいつも苦労しています。

 「招き猫の火入れ」も「おかめの火入れ」も上げ底の作り方は同じですが、招き猫の底のほうが纏まりやすく、おかめは難しいと感じています。へたらないよう、乾くまでブリッジ状のものを底に当ててみたりしていますが、まだ究極の安定したやり方に至らないもやもや感…。

 そんな訳で招き猫のほうは着々と抜き出して陰干ししていますがおかめのほうは遅遅としています。

 

 


洋犬のぴいぴい

2020-02-06 11:17:06 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 昨年かなり早い時期に彩色をある程度済ませていたのに家族のことや自分自身の入退院等々により混乱して久しくみつからなかったワンちゃんたちです。 

昨日ふと思い立ってさがした所で再開を果たしました。

 早速鞴を組み立て合体させてできあがりました。


ぴいぴいの組立て

2020-02-03 10:52:42 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 昨日染めていた反故代用紙が乾いたので、裁断して折り目をつけて予め用意していた木片とともに鞴に組み立てました。鞴と人形とを合体させ、乾いた上から彩色や砂子を蒔いて、ほぼ完成です。「ラッパ吹きだるまのぴいぴい」と「飯喰いだるまのぴいぴい」。


PAiNT IT PURPLE

2020-02-02 17:57:53 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 昨年退院以来、「ぴいぴい」(人形笛)は作っていなかったですね。本当に久しぶりですが反故代用紙を仕入れてきて、染料で染めるところからはじめます。

 保護代用紙は一番よく使う「古事記」。染料は酸性の「アッシドバイオレット」水で溶いてアラビア糊を繋ぎにして染めていきます。この染料、凧絵だとかむかしだったら地口絵など行灯絵、伝統こけしの彩色に使われるのと同じです。

 まずは乾かして、裁断して鞴に組立てていきます。