言問団子と言えば、長命寺の桜餅と並んで、墨堤の名物というだけにとどまらず、全国的にも有名な東京を代表する老舗のひとつです。創業は江戸の終わり頃と聞いていますが、詳しいことは他で紹介されていますし、ここで今更という気がします。
このお店で使用された都鳥の菓子皿。確か、昔お店に行ったとき、ウインドーの中に飾られていた由縁の品々の中には三浦乾也作の皿もあったかと記憶しています。使われていた皿は、いろいろな作者によるものがあったのでしょうね。
画像3枚目の右側の皿を除いては、全て白井本家の善次郎家で作られたものだと思います。皿それぞれに善次郎家の陶印があるわけではなく、都鳥のシルエットに「言問」という文字の入った印が押されています。
昔、善次郎家の白井和夫さんをお訪ねしてお話を聞いたところ、見せてもらったのとほぼ同じです。和夫さんご自身も作っていらっしゃったそうです。
割と厚手で、また焼成温度もそう高くないためか手取りが重いです。他からの取り寄せの白い土でできています。
都鳥もいろいろなポーズのあったようで、全部で何種類くらいあったのでしょう?同じ柄でも揃えなければならないから、型紙などを使って目安をつけた上から、鉄の下絵具で描いたのでしょうか? 3枚目右の皿は他の作者によるものでしょう。
隅田川のこちら岸には「墨田川焼」とか「百花園焼」という焼きものがあって、都鳥はポピュラーな題材で、香合とか皿とか盃に徳利その他、いろんな製品があったようですし、一説には素焼きの生地を今戸から取り寄せていた、なんて話も聞きます。陶印が違うとかありますが、職人さんの行き来もあったでしょうし、ブランドとしては独立していますが、根は今戸とつながっているんじゃないかと思っています。なんてことを書くと、専門家の方に怒られてしまいますかね。
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