退院後久しぶりの猫もの等の地塗りをしています。入院のため「みそろぎ展」向けに準備していた猫ものが時間足らずで搬入することができなかった分を含めてこれからの年中行事や店やさん、個人でお待たせしている方々、順次できたらお納めできるよう頑張りたいです。(数年来お待たせしている皆様には本当にご迷惑おかけしてすみません。忘れた、ということではありません。)
やすりがけと地塗りは自分にとっては全工程の中でいちばんしんどい工程です。なぜかというと、サンドペーパーで擦るとき指先を使うとか圧をかける作業なので指先が痛くなること。地塗りでは胡粉と膠とを乳鉢でゴリゴリやって、平筆の太目のもので素焼きの表面にむらがないよう塗りますが、結構面倒です。
いちどに全面塗りたいところですが、置くのに困るのと手でつかむ位置を確保しなければならないので、まずが底、次に頭部から全面を塗って置き、しばらくしてから背面を塗る、というやり方をしています。また素焼きの表面にキズや余計な凹凸があれば、「薄美濃紙」をちぎって貼りながら上から胡粉を塗ります。
やっと終わったと思っても乾いたところで気になるムラがあれば、さらに上塗りします。
人形によっては胡粉の上にキラ(雲母粉)を塗ってパールのような地を作ります。
季節をいうなら、湿気や気圧、気温の高い夏場よりこれからが膠が使いやすくなると思います。