昨年の入退院を通して最近は食事飲み食いには臆病になっていて、三度の食事は炭水化物や糖分、塩分の摂り過ぎには注意していて食べなくなったのが中華、スイーツ、肉料理、西洋料理などで、自宅では水炊きのように鍋で煮炊きした野菜とお食い初めみたいな小さめの茶碗によそったご飯と豆腐と海藻を載せたサラダというパターンがほとんどです。外で食事の場合、以前だと中華とか松屋の牛丼プラス生野菜というのは控えてもっぱら大戸屋のカロリー表示のあるメニューから選ぶか寿司屋でマグロ丼とサラダか廻る寿司屋でこわごわ数皿というのがほとんどでしたが昨今の心配で外で食事も怖くなってきて、ダイエット甘味料で酢飯を作り、買ってきたネギトロや切り身で寿司の代用にしています。ただ寿司屋で味をしめてしまった厚焼き玉子の蒸し物の代用がわすれられず、激安の食品店で200円ちょいで一本で売られている玉子焼きを買ってきて蒸し器でで蒸して食べたりしていました。ただたびたび同じのを蒸しても寿司屋で食べたような淡白さとは違うので特売品ではない玉子焼きも試してみたいけれどデパ地下か築地まで遠征という根性云々考えていたところ灯台下暗し、王子の扇屋がすぐ近く、早速自転車で出かけてきました。
王子は上野や神田、銀座方面に出かける場合必ず通るところなのですが、関東ローム層の高台に上る楽なコースで王子稲荷横の稲荷坂を半分上って王子神社前を抜けて音無橋を渡って飛鳥山前ということがほとんどなので王子の駅前から音無川(石神井川)沿いの権現下(王子神社下)というのは久しぶりです。下から見上げる音無橋。御茶ノ水の聖橋によく似ているでしょう。
子供の頃は昭和40年代で公害だ何だで川が一番汚かった頃で画像のようにきれいに整備されて親水公園になったのはあとのことですが、もともとこの谷の流れ沿いに「海老屋」や「扇屋」など料亭が軒を並べていたところ。
谷底から見上げた権現(王子神社)の大銀杏。
そして流れの右岸似て見えるのが落語「王子の狐」にでてくる料亭「扇屋」のビル。まだ小さかった頃の記憶では建仁寺風の垣根で囲まれた日本家屋だったような気がするのだけど…。
権現真下側の通りに売店があります。このビルが新装なった頃は一階だったか2階だったかが料亭「扇屋」でいかにも敷居が高い雰囲気で我々貧乏人には恐れ多い感じだったのがいつからかお家の事情のためなのか、ビル内はぜんぶテナントが入って扇屋さんはこうして店売り専門になりました。自分にとってはこのほうが買い物しやすいですけどね。
「厚焼き玉子」¥1300と記されているのが一本分で¥650は半分。包装も違ってきます。
家に帰ってふた切れ食べてから撮りました。結構甘いかな?とも思ったけれどしつこい甘さではなく、飲んだりお茶のお供にはよさそう。玉子焼きの折はスチロール製だけど蓋は経木。包装紙の下、折をハトロン紙で包んであるのもへ〜っという感じ。折の中玉子焼きを包んであるのが極薄の経木。やっぱり一本¥200ちょいのとくらべれば玉子感たっぷりと言ったら失礼かどうか…。でも昔は砂糖なんて贅沢だったというからこの甘みこそ贅沢な味だったのだろう、とも思いました。
ちなみに落語にでてくる玉子焼きは「釜焼き」といって鍋の直径のある円柱状のもので要予約3日前までで、お代¥4000ちょいということで今度改めて味見してみたいと思います。お酒が入って味が違うそうです。普段の食事では魚卵も含めて卵はあまり食べないのですが、たまのご褒美として注意しつついただきます。