東京の土人形 今戸焼? 今戸人形? いまどき人形 つれづれ

昔あった東京の人形を東京の土で、、、、

吉徳これくしょん展「災いを払う 人形の役目」

2020-09-28 23:46:04 | 日々

 昨日は暑くも寒くもない久しぶりのよい天気。前日から予報を聞いて、チャリで浅草橋の「人形は顔が命」の吉徳さんまで特別展を観に行こうと思っていました。

 先々代吉徳当主だった山田徳兵衛さん。戦前から生涯人形や玩具についての著作を多く残され、また人形の芸術性の発展にも尽力された方。今日の人形玩具研究の基礎を築かれた方。また著作の中には気楽に楽める「人形百話」というコラム集があって、その中で、最後の生粋の今戸人形師だった 尾張屋 金澤春吉翁(明治元年〜昭和19年)との交流の思い出、言葉のやりとりが出てくる件、江戸の落語のような楽しさで、何度も読み返してしまうサワリです。  
 吉徳これくしょんは先々代徳兵衛さんが整理収集された人形玩具やそれにまつわる古今の文献、絵画、写真等、人形玩具について研究される人々に貴重な情報を提供してくれます。

 折々のテーマに沿った展示がされていますが、今回は今年のコロナウイルス流行にも関わるもので、人形や玩具が様々な病や災いからヒトを護る役割をになったてきたことを示す資料たちで構成されています。今年のコレラ除けに「アマビエ」のキャラに脚光が当たっていますが、昔はいろいろあったのです。今、お雛様の下に敷く赤いぬの(毛氈)は魔除け、厄除け、病除けの願いから赤いようです。ついでに5月のお節句には緑色の布を敷いていますが、これはそんなに古いことではなくて、もともとはやはり赤い布を敷いていたようです。

 お雛様の原型ともいえる、アマガツとホウコ。
 
 犬筥(いぬばこ)犬は魔を除け、多産だというイメージから産室の護りとして置かれた容器。

 鍾馗さま。 

 金太郎さん。  


 赤絵のいろいろ。疱瘡神は赤い色を好むので、大事な子のそばに赤く刷られた絵を置くことで子供の病除けになる、という願いから描かれたもの。



 金太郎、だるまさん、ミミズク、鯛、など赤にちなむキャラクター。
 仙台 堤人形の猩々。能楽の猩々の面や頭、装束も赤いので赤のキャラクター。酒瓶の瓶垂れのタッチがいいですね。
 そしてびっくりしてしまったのがこれ。拙作の「朱鍾馗」。尾張屋さんの人形を手本として作ったものです。

 さらにもうひとつ、かなり昔作った「ぶら人形」。今見るとはずかしいですけど20年以上前に一生懸命に作ったものではあります。
ありがとうございます。

 この展示30日までやってます。

型抜き再開

2020-09-25 15:17:34 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 まだ最新の割り型はできていませんが、年間通してスタンダードな種類のものは寝ても冷めても抜き出して貯めて置かなければなりません。それにつけても自業自得なのですが、高崎の和田稲荷向けの鉄砲キツネ。昨年の今頃入院再入院を繰り返しながら、その合間に抜きだめしておいたものの例年の時期になって何も言ってこなかったので置いておいてほかのサイクルに重点を置いているうちにどこかに紛れてしまったようで、今さがしても見つからないので再度抜き出しています。タイミングとめぐり合わせはむずかしいものです。うちの中はブラックホールのようです。


いめえましい。おきゃあがれ。

ブリッジ

2020-09-23 19:50:31 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)
 
 昨日石膏鉢から取り出した土を練り直してブリッジにして余計な水気を飛ばしています。
 
 2番目の画像はまだ練っていない土。石膏鉢の形の名残をとどめています。

 3番目の画像はブリッジにした土をまた練って適当な大きさにしてお米ようのタッパーにしまうところ。蓋をして寝かせておきます。以前寝かせておいたタッパーの土から使っていきます。

久しぶりの水簸(すいひ)作業

2020-09-22 15:22:53 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)
 
 あんまり暑すぎる日が続いていたので土作りの作業から離れていました。精製して大きな米タッパーにしまってある分はまだたんとあるのですが、掘ってきた分もどんどん水簸にまわしておきます。石膏鉢に寝かし過ぎてかちかちに乾いてしまった分はあとで木槌で細かくして水に合わせて練ります。空いた石膏鉢に第2沈殿バケツの濃くなった泥しょうを詰めてバケツを空にします。
 そしてやっと撹拌用と沈殿第1バケツの蓋をあけます。
かなりしっかり沈殿しているので、上澄みの水を他のバケツに移し、沈殿していた泥しょうを先の空にした沈殿第2バケツに全て移し蓋して寝かせます。空にした沈殿第1バケツへ隣の撹拌バケツから篩(ふるい)にかけながら泥しょうを流し込んで、満タンにします。



 満タンになったところで蓋をして一晩寝かせば3分の1くらいは沈殿するので上澄みを除いてまた撹拌バケツから篩にかけながら流し足します。
 でもこの作業、外てするので雨が降ったらできません。水が冷たくなると辛いのでそれまでどんどん土を回転させていきます。

東京キッチュさん

2020-09-10 17:19:51 | お世話になっているショップさん
 
 谷中よみせ通りにある東京キッチュさんへお納めに行ってきました。女将さんのお話によれば、はるばる拙作のものを見にきてくださる方、何気なくいらっしゃって拙作のを選んてくださる方、外国の方でお求めくださる方もいるとのこと。ありがたいことです。浅草のあたりからいらっしゃる方までいらっしゃるとのこと。浅草辺りだと、拙作の丸〆猫(まるしめのねこ)をパクって出している店がある中、わざわざ拙作のをお求めいただけるなんてこの上ない喜びです。足りない分またできたところでお持ちしたいと思います。

深川めし

2020-09-04 00:15:36 | 街角

遅い晩ごはん。深川めし。今日夕方北とぴあで北区の伝統工芸保存会の例会があって。今年はコロナのため9月最終週の伝統工芸展の中止は早くから決まっていたのだけど…。でももし開催されても自分は訳あって出展や体験ブースを自粛している状態なんで、…ついうとうとしてしまった。散会の声を聞いて急いで会場を後に。ヤマワさんに寄って深川めしに合いそうな茶碗をさがして。

FANみそ!展片付け

2020-09-01 16:58:10 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 今日最終日で片付けに行って帰る車中なう。
みなさまありがとうございました。こういう時節なので無事会期を全うできるものかやたら心配していたのですが、無事に開催に参加できてうれしいです。残りの人形の荷造りや壁面の片付けを何人もの丸善の店員さんが手伝って下さり、あっという間に済んでしまいました。数回の搬入で使ったダンボールも半分以上空き箱になりました。はるばる会場まで足を運んでくださったみなさまありがとうございました。甲子園の高校野球まで中止になったこの年、無事開催されたFANみそ!展。参加させてもらって感謝です。
 これからのカレンダーどうなるかわかりませんが、来年の干支の型の追加や神社から頼まれている授与品、個人で頼まれているものなど、手掛けていきたいですし、やりかけのまだ日の目に晒せていない型等、何とかやりあげたいです。まずはみなさまへお礼まで。