例年だとこの時期に干支ものを始めるというのはひどく早いのですが、今年に入ってから催事等中止になったりで、その分空いた手でできることは早くからやっておこう、ということなのです。ひとまわり前の干支で手がけたものは直して改良し、前回手掛けることのできなかったものにも挑戦したいと思います。
まずは「お福牛」。前回作ったものをコンパクトにして型抜きしています。
これは苦肉の作といったらよいか、古い今戸人形で代表的な福助とお福のお福の姿を牛と抱合せにしたものです。歌舞伎でいう「悪身」(わりみ)的な可笑しさを意識して作ったものです。
いかつい男が、シオらしい身振りで踊ったり、口説きの振りをするのが悪身振りで、牛さんにお福さんになってもらっている、といった心です。干支の牛については追って他の人形も増やしていきたいと思います。