東京の土人形 今戸焼? 今戸人形? いまどき人形 つれづれ

昔あった東京の人形を東京の土で、、、、

大晦日 王子装束稲荷まえ

2020-12-31 19:14:31 | 街角

 装束稲荷前。ヤマワさんにお納めに。「狐の行列」が例年どおりだったらすでに人混みになっているはず。
 それでもぽつりぽつりとお参りにくる人、ヤマワさんにお買い物に来る。明治5年創業の、この辺りでの老舗。

 たのまれていたきつね類、とりあえず年内にお渡しできてひと安心。

 喧騒ではない大晦日の装束稲荷。それでも、寒いなか、お札の授与所には奉賛会の人が詰めている。お札に混ざって拙作の招き狐も並べていただいているのがうれしい。 
 地元ローカルに加えてもらえるありがたさ❤
 
 安堵しての帰り道、東十条の大餃子で遅いお昼。きゅうりとタマネギとピーマンの和え物(拌三圏)大好き。

大晦日・王子ヤマワさん

2020-12-31 16:33:58 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 大晦日も夕方4時まえ。やっとヤマワさんから頼まれていた狐ものひと通り塗って乾かしてクリスタルパックで包み終わって、というところ。これからダンボールに荷造りできたら急いでヤマワさんにお持ちします。

 今年はコロナのため「狐の行列」は中止。それでも装束稲荷さまへの参拝はあるので、ヤマワさんは店を開けたい、と仰っていました。
 まだ朝食と服薬済ませていないので、出発前に忘れずにいなければ…自分の言葉で僭越ながら、まさに「命を削る」とか「夕鶴」の我が羽を抜いて機織りに混ぜる心持とはこんなんどすか?といっうかんじ。

ひねり鳩

2020-12-27 01:09:55 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 一昨日窯入れした素焼きをヤスリがけしたり、塗りかけの狐たちの続きをして大晦日までに仕上げて納めると同時に新年明けの支度、特に成形や素焼きは大晦日では間に合わないのでやり残したひねり鳩を今のうち形づくって干しておく必要があります。

 毎度の話ですが、本来は形づくって竹ひごのくちばし、両足、尾っポを挿したまま乾燥させ、焼かずに色を塗って仕上げるものなのですが、それではすぐ壊れやすいので、自分の場合成形のため、挿した竹ひごは一度はずして乾燥させ、素焼きのあと、収縮した孔に細く削った竹ひごを挿して地塗り、彩色と進みます。
 古いものを見ると挿す竹ひごの木口は丸ではなくて角なんですが、仮挿しだけ丸い串焼き串片を使って、素焼き後の本挿しでは、削った角のひご片を使っています。早く済ませてまたヤスリがけや色塗りです。

 と、言っておきながら余計なことに耽ったりする…。
自分の経験から、古いひねり鳩を見つけたとき、いっしょにひねりの唐辛子やナスが出てきたりしたのでおそらく鳩の姉妹品でしょう。ついでにやってみました。

急ぎの窯入れ

2020-12-25 00:54:49 | 街角

 王子 装束稲荷の招き狐が塗り終わって、明日お納めに行く予定、同時にヤマワさんの狐類と新年明けの外苑前向けも進めておかなければなりません。

 まずは大晦日に間に合うよう、窯の炉内満杯になっていませんが、素焼きを済ませて進めていきます。

装束稲荷の招き狐

2020-12-23 23:15:57 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 今さっき思い出したのですが、明日はイヴなんですね。夏から干支とかお納めの支度でノンストップでどたばたしていたのであっという間というか、今でも納めのことでぎりぎり焦っている次第です。 
 王子の装束稲荷さまの招き狐。先月中には型抜き乾燥して素焼きまで進んでいたのですが、間に他の納めや干支等挟んでいたので、やっと今ヤスリがけして彩色に入ります。また装束稲荷さま前の「王子ヤマワ」さんから頼まれている狐のひと通りも残りひとカゴ分の乾燥か済めばすぐ素焼きして、という状況なのであと一週間でお渡しできればよいのですが…。

 以前焼いたものがでてきたので素焼き待ちの間彩色して数に足します。急いでいるときには少しでもありがたいもの。

お知らせ OPA shop 「日本の郷土玩具」 OPA gallery 「招き猫 展」

2020-12-22 01:36:36 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)


 夏の終わりぐらいだったかイラストレーターの佐々木一澄さんから連絡いただきました。来春1月8日(金)〜27日(水)渋谷区神宮前のOPAshopで佐々木さん企画の展示即売への出展です。
 この企画は同所のOPAgalleryでの「招き猫 展」1月8日(金)〜13日(水)との同時開催なのだそうです。


 佐々木さんからのご提案で昔の今戸人形の招き猫類と若干の干支の丑(牛)もの、病除けのみみずくなどで、ほかの作者さんとの抱合せの展示のようです。
 年明けの開催とはいえ、時系列的にはひと月を切っていて、その前の年内の王子装束稲荷へのお納め(大晦日恒例の「狐の行列」はコロナ感染予防のため中止ですが、お詣りは平常どおり)と稲荷前の「王子 ヤマワ」さんは大晦日深夜まで営業予定だと聞いていて、例年のように拙作の今戸の狐をひと通り頼まれていて、年内の狐類と新年の招き猫類を同時進行中。更には1月下旬のお雛様も年内に型抜き乾燥、素焼きまで済ませて安心して新年を迎えたいと思う毎日です。
 今戸人形の古典のなかにはまだやりたくても手が届かないものが山とあって、実のところあとひと息、くらいに煮詰まっているのがあるのですが、こうしたありがたく与えていただいた機会に
間に合えば最高なんですが、どうなるものやら…。

干支の丑(牛)づくり④ 「草刈り童子」その2

2020-12-17 13:20:30 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 先日新しく割型をこしらえ、型抜き、素焼きしていた人形の彩色、とりあえず筆をおいたところです。

 手元にあるお手本の今戸人形は江戸後期くらいではないかと思われますが、経年のため、ほとんど色が残っておらず、童子の着ている着物がおそらく鉛丹のオレンジがかった赤にまがい砂子(真鍮粉)が酸化するなどして黒ずんだ状態、そして尻尾にはベンガラが残っています。それ以外は黒牛としてまっ黒だったのか斑牛だったのか、何となく墨が残ったような感じはします。

 現物からわかる配色の手がかりは以上でしかないのであとは今戸らしい色みとしてあり得る色で塗ってみました。いちばん迷ったのは黒牛にすべきか否かでした。斑牛のほうが変化があります。斑牛というとホルシュタイン種みたいに明治以降なのではないかと思っていたのですが、ひとに聞いたところ、江戸時代には斑牛はいた、白牛、赤牛もいた、と聞いて斑にしてみましたが、斑も難しいですね。これまで招き猫の斑は描いてきましたが、それらはしっかりした先行作(つまり古い今戸人形)を知ることができたから安心してできたものの、この草刈童子は形だけでも目の前にあったからモデリングなできたものの、斑か黒かなど想定でしかできない手探りです。ひとつ必然のように感じられたのは童子のまたがっている下の四角い筵(むしろ)のような部分、黄色くぬりましたが、向かって左側の頭寄りの辺には地肌の白のままではぼんやりしているのでコントラストをつけるために斑を置きました。
 他にも童子の着物部分、襦袢が赤で腰までぬいだ綿入れみたいな部分と区別させるかどうか。
 
 まずは今回の彩色で出していきます。少しなのでまた抜き出して塗るときまた考えてみたいと思います。
 少数ですが、吉徳さんとべにや民藝店さんにお持ちする予定です。
 まだ干支の牛の未出のやりかけがあるのですが、王子の装束稲荷向け、王子ヤマワさん向けのきつねを最優先させる時期。また新年開けの催事、1月下旬の催事があるのでそれらを優先させつつ、やってみたいこともまだまだあります。

呑み河童

2020-12-12 12:33:27 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)
 
 今日これから浅草橋の吉徳さんへ用あってでかけます。
浅草寺の羽子板市(12月17日18日19日)は今年はコロナ感染予防のため中止にはならないそうですが、規模を縮小しての開催になるそうで、このため吉徳さんはご出店を自粛され、代わりに浅草橋本店の1階スペースで羽子板をずらり飾られています。いつも羽子板市で拙作の人形も並べていただいていますが、今回は本店正面玄関の自動ドアの傍にひな壇を設営してならべていただいています。

 今日はお邪魔するついでに新しくできた「呑み河童」(正式な名前はしりませんが、最後の生粋の今戸人形師であった尾張屋 金沢春吉翁(明治元年〜昭和19年)がお作りになられた人形にこうした意匠のものがありました。)を追加で置いていただこうと思います。

 3枚目の画像の中に、ひとつだけ盃と徳利のない河童がいますが、これが「客寄せ河童」とよばれている尾張屋の人形のポピュラーなものをお手本にして作ったものですが、この型をベースに盃と徳利をつけて仕上げられた人形が郷土玩具収集家の故 牧野玩太郎さんのお宅で見せていただいたことがありました。牧野さんが仰っていらしたことでは、盃と徳利のついた河童は尾張屋さんがオプションとして作ったものなのか、他に残っているのを知らない、
ということでした。形の基本は「客寄せ河童」です。尾張屋さんの河童の色は藍色とかプルシアンブルーです。白目は古い今戸人形では猫ものには黄色や金ですが、他の動物には群青色に胡粉を混ぜた水色にするこてが多く、河童の白目も水色だったり白だったりしました。

Sans toi ma mie

2020-12-10 22:02:59 | おともだち

 毎年暮れには我が家の家族のわんちゃんたち、そして十五夜さんの納骨されている板橋の博愛院の更新手続きに出かけています。今までだと羽子板市が済んで巷でクリスマス色の時期だったかと思いますが、去る7日が十五夜さんの月命日だったので、それに合わせて行くべきだったけれど手一杯で作業を優先させてしまいました。
 まずはいちばんしんどい納めの荷造り発送を済ませた今日、出かけてきました。

 亡くなってひと月。忙しさが救いだったとも思えますが、未だに呼んでみたり、歌をうたったりしてしまいます。
 午前どんより曇っていた空が、お参りをすませての帰路、荒川の土手を走っていたら陽がさしてきました。クサイ話に聞こえるかもしれませんが、自転車漕ぎながらコーちゃん(越路吹雪さん)のあのサワリが聞こえてきました。
 ♫楽しい 夢のような あの頃を思い出せば Sans toi ma mie さみしくて 目の前が暗くなる Sans toi ma mie ♫

お納め

2020-12-09 02:50:13 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)
 
 年の瀬。干支ものはできる限り早くお納めすべく、このところ連日徹夜でしあげ一昨日は駒場のべにや民藝店さんへ、昨日は浅草橋の吉徳さんと銀座たくみさんへ自転車で出かけてきまし
た。このところ座ったままの作業に明け暮れていたのでかなりの運動ですが、体にはよかったとおもいます。

 吉徳さんは羽子板市風の飾り付けになっていました。
 
 正面玄関の自動ドアのの脇に見えるももいろのひな壇が拙作の人形を並べていただいているスペースです。昨日は「招き猫の火入れ」ふたつをお持ちしました。拙作の人形の中では大きな部類で作業スペースが狭いので普段あまり作っておらず催事等にもふたつくらいしか出していませんが、「うらら展」にお持ちした火入ればすでにお求めいただいたようなのでふたつだけ追加しました。

 吉徳さんから銀座に向け移動の途中、浅草橋から神田川上流を眺めた景色。冬空の下、屋形船のピンクの屋根が川面にやけに目を引くような印象でした。

 銀座たくみさんへ。干支のお福牛と寒紅の丑、牛御前の撫牛と丸〆小判猫をお納めしてきました。 
 今日の道中、予期せぬ災難。路上でいきなり自転車が動かなくなり、見れば、荷台用のゴム縄が知らないうちにギアに巻き取られていて、日本橋で立ち往生。仕方なしに舗道脇で絡みついた縄を知恵の輪のようにはずすこと一時間くらいかかってしまい。いつの間にか真っ暗になってしまいました。
 冬の夕方、不忍池の弁天堂の夜景がひときわ輝いていました。

 帰宅してからは東京以外への発送準備。明日明後日まで済ませたいと思います。

パニック

2020-12-02 17:21:09 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)
 
 毎年のこと、といえばそれまでのはなし。年末年始は干支を中心とした際が重なるのが常ではあるし、ましてコロナのこのご時世、お呼びをいただけるということに感謝すべきことだけれど、さて、どうやってお納めするか、何かジグソーパズルか知恵の輪みたいな難しさを感じる。当面今月中旬までに5軒のお納め、今年中ギリギリまでに1軒。年明けに1軒。1月下旬までに1軒。例えていうなら、天ぷらそばに鴨南蛮におかめそば、きつねうどんにたぬきそば、カレー南蛮に五目そば、もりにかけ、、、、。一気にお納めしたいけれど、組み合わせが絡み合うので揃えないとお渡しできない。油断してるとそばがのびてしまう。
 エンジンかけてはいますけど。

家庭画報 2001 1月号

2020-12-02 03:24:17 | 日々

 昨日発売の「家庭画報」新年号の誌上、「2001年 運を開く」という企画のなか、「我が家に福を呼び込む招き猫」という見開きで拙作の嘉永安政風の丸〆猫(まるしめのねこ)を掲載くださいました。拙作の画像に広重画「浄瑠璃町繁華の図」の丸〆猫屋の西行法師の拡大画像も添えてとりあげてくださいました。ありがとうございました。
 ご担当のライターさん、コロナ流行のこのご時世で我が家にお通しできないにもかかわらず何度も足を運んでくださり、玄関先まで来ていただいて内容の確認から原稿まで丁寧なご対応くださいました。まだ十五夜さんが辛うじて健在ながらもつい心配を漏らすと親身になってアドバイスくださいました。こうしてとりあげていただけたご縁ももしかすると十五夜さんが導いてくれたものだと今更ながら懐かしく思っています。 

 世界文化社さんありがとうございます。