東京の土人形 今戸焼? 今戸人形? いまどき人形 つれづれ

昔あった東京の人形を東京の土で、、、、

斗瑩稲荷のお姿

2018-07-11 21:47:34 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 かねてより宮城県内のお稲荷様より頼まれていた狐のお姿、やっと塗り終わり、数を確認してから神社へお送りする運びです。先方からは、具体的にどういう姿や色というご希望がなかったので宮城県大崎市内という土地から推して、仙台の堤人形と岩手の花巻人形の販路だったと考え、これらの産地の古作の狐に倣って作ることが無理のないローカル感もあって相応しいだろうと堤の奉納用の古い狐の形を踏襲して試作をしました。社名を陽刻として両側面に入れました。

 試作を先方へお送りしたのち、あちらのご希望で「目を鯨眼にしないで一筆目にしてほしい」「黒鼻を入れてほしい」というご希望の他は堤式でやって欲しいとのことなので、今戸人形ではないし、先方のご希望に沿って作ることが本分なので、このようになりました。古作の堤の「鯨眼」ではなくなり、それなら原作のように地塗りの胡粉の上に「きら」(雲母粉)でパールの地を作るだけの必然性もないので胡粉地のままにしました。塗りながら感じたのですが、半分堤式のこれらの狐の彩色、まがい金泥(真鍮粉)で光らせる部分がやたら多いですね。耳の縁や台座の縞、尻尾の先や付け根、、。個人的には金色を乱用するのはあまり好きではないんですが、先方は金がよいみたいです。

 自分にとっては一筆眼のほうが鯨眼より楽です。金を多用するだけ、今戸の鉄砲狐よりも手数が多く、案外しんどいと感じました。


見沼田圃(加田屋)

2018-07-11 16:16:15 | 日々

 先週から数えて見沼田圃に3回出かけています。子供の頃亡父の実家のある山形での夏休みの経験が身にしみていて、そのころ目にした景色や場面がこの年になっても愛しく感じられます。新幹線に乗って山形へ向かえば、昔からは変わってきているとはいえ、たくさんの自然の色や香りや音が残っていると思います。ただ、日にちを越えて家を留守にできないので、ごく近場で似た景色や香りや音を感じられ、更に欲を言えば、田圃の真ん中にカエルの合唱を耳にしながら一杯できるような赤ちょうちんでもあれば最高と考えていました。

 画像の田圃は現在の見沼田圃の中でも数すくなくなった水田のひとつだという見沼区の加田屋というところの田圃。実は先週思い立って昔自転車で「うるい」や「やまうど」や「わらび」、玉のでかい「野蒜」などを採りに来ていた東浦和から見沼代用水の西縁の真っ暗な夜道を大牧の浅間神社辺りまで歩いてみたのですが、田圃の中側は植木の畑になっていて畑の合間を流れる小さな堰のちょろちょろ聞こえる水の音や虫の声が聞こえたのですが目当てにしていたカエルの声は全く聞こえませんでした。月曜に所要があって与野本町まで出かけたあと、浦和にお住まいの知り合いの方に、見沼田圃でまだ現役で田圃があってカエルの合唱が聞こえそうなところを教えて欲しいとお願いしたところ、画像ここ加田屋の田圃まで連れて行ってもらいました。聞くところでは見沼田圃の土地改良などで植木畑になっているか工場が建っているところがほとんどで、まとまった姿で水田が残っているのは3か所くらいしかない。中でも一番昔の景色が残っているのがここだということでした。

 日を改めて、ひとりでまたやってきました。バスの3路線が併行している区間なので運行状況は割と便利です。

田圃の緑の鮮やかさ。それと水面を絨毯のように覆っている浮草もきれいです。草いきれの香りと田泥のヘドロの匂いが混ざった匂いが懐かしいです。

昔のきねづかで畔道を足で踏んで歩くとカエルたちが田圃や堰に飛び込みます。

アマガエルがたくさん。でも小指の先くらいの小さな子ばかりです。トノサマとかアカガエルとかは全然見ませんでした。あとツチカエルとかドロカエルというのでしょうか、アマガエルと同じくらいの大きさで土色した子もたくさんいました。まだ陽が完全に沈んでいないので合唱にはなっていませんが、ときどきケンカしているような声は聞こえました。

道端に咲いていた「ミソハギ」の花。花の色薄い紫というか、ワインレッドというか赤紫のような花を見慣れているのでぱっと見に「ミソハギ」だと思いませんでした。

「カンゾウ」の花も咲いていました。シオカラトンボが飛んでいて、田圃の周りの森からは「かなかな」と「ヒグラシ」のような鳴き声も。(時期的に早いような気がしますが)遠くの田圃にはシラサギが狩りをしていました。田圃の近くには飲食店のようなものが見かけられませんでしたが、また今度、真っ暗になって来ればカエルの合唱も始まっているのではないかと思います。昨日はバスで駅に戻ってからハイボールをはしごしてから帰路につきました。