16.4 都市、貨幣、帝国主義、資本主義(その2)
文明に寄与した、歴史上の8都市を分析し、都市のあるべき条件を考察する。
1) シュメールの都市(ウル、マリ、ウルク) 前頁参照(都市の誕生、農業、鉄、数学、文字の誕生)
2) ギリシャ文明の都市(アテナイ) 哲学、概念
3) 唐の都(長安) 仏教文化、国際都市、シルクロードの東端
4) サッサン朝ペルシャ(ペルセポス) ペルシャ文明、シルクロードの西端
5) 天平文化の奈良(平城京) 仏教美術、木造建築
6) ルネッサンスのイタリア(フェレンッエ) キリスト教美術、バロック音楽
7) 印象派の画家の町(パリ) 印象派の絵画
8) 大英帝国(ロンドン) 蒸気機関、微分積分、大英博物館
都市は文明に寄与し、市民の能力を発揮させ、近隣の地域、交易相手にも、利益のなることが望ましい。強大な略奪都市では、意味なく、単に人口が多いだけでも都市とは言えない。(私の定義)
都市の条件
1) 余剰農産物(穀物)により、「食料生産活動」以外の仕事に専念する集団を支えられること
2) 交易が盛んであり、周辺諸国から、多様な物資、情報、人々が流入すること
3) 都市住民の活動の自由度が確保されて、政治的、軍事的に安定していること
4) 寺院、教会、市場、大学、サロン、広場などの核となる施設があり、オープンマインドであること
5) 衛生面での配慮がなされ、周辺に豊かな自然が存在し、市民の飲水と食料と燃料が確保されていること
6) 河川や海(湾)に面し、交通の要衝であり、より遠方のルートから産物を運び込まれること
7) 都市に新しい文化の波があり、市民に活気があり、職業的技術の向上、市民間の活発なコミニケーションがあること
8) 周辺の過去の文化を学習する意欲があるリーダーがいること
先の8つの都市は、都市の条件を満足していると考えられます。優れた人物も優れた都市によって、生まれる。熱帯雨林は生物多様性によって、エントロピーに逆走したように、都市の活性化によって、市民はエントロピーに逆走する文化を創造する。(第33回)