チェロ弾きの哲学ノート

徒然に日々想い浮かんだ断片を書きます。

都市、貨幣、帝国主義、資本主義(その10)

2012-08-29 08:16:29 | 哲学

16.4 都市、貨幣、帝国主義、資本主義(その10)
 
 多国籍企業、市場原理による資本主義では、緑の地球のキャパシティの回復力を超える行為が様々に見られる。私たち人類は、水の惑星地球の緑のオアシスで、250万種とも2千万種とも言われる、生命体に支えられて、生きている。30億年の生命進化によって、現在の緑の地球が存在する。

 現在、資本主義は、貨幣(ドル)という尺度によって計られ、資本とはドルのことであると捉えられている。しかし、貨幣とは本来、交易をより便利にするためのもので、緑の地球で、現在と未来に(何百、何千世紀の単位)、人類が豊かに生きるためには、緑の地球のキャパシティの回復力を失ってはならず、人類の本当の資産(資本)の守る必要がある。

 人類の真の資産は、緑の地球であり、特に、最大の生物種を有する熱帯雨林、サンゴ礁、マングローブ林、ケンプの森、照葉樹林、水田、小麦の農地、大豆畑、トウモロコシ畑、サバンナ草原、とうとうと流れる豊かな河、美しい湖、針葉樹の森、緑豊かな草原である。

 これらの生態系は、それ自体が、生物多様性の共生とバランスによって成り立っているある種の大きな生命体と捉えることができる。これらの緑の地球の資産と共生する新しい資本主義をかたちづくる必要がある。

 現在、自然資本主義、知識資本主義などの提案がなされているが、私はあえて、地球資本主義と呼びたい。それは水の惑星地球の真の資産(資本)なくして、ドルはただの紙切れにすぎず、真の資産なくして人類は生存できない。

 では、地球資本主義の12の方向性を記述する。

1) 地球資産の持続可能性を重視する
2) 緑の地球と共生するシステムを企業活動の基本とする
3) 生物多様性と多様な価値観を共有する。
4) 企業を株式会社とし、企業活動の透明化、社員持株、市民持株を促進し資本を分散化する
5) 自立した地域分散による地域雇用の場の確保する
6) ボランタリー経済の促進、本当にどのような援助が、どのような人々に必要かを個人やグループが工夫する
7) フェアートレードの促進、生産者と消費者が賢く連携し、より豊かな生活を追求する
8) より繊細なより多様な充実した生活のために、プロシューマ型開発、ロングティルマーケッテング、多品種少量生産をネットワークを駆使して実現する
9) オイルピークをより先に伸ばすために、効率良く、その意味を良く考えて選択をする
10) クリーンテクノロジー、自然界にない化学物質を製造しない、リサイクル可能な循環するシステムとする
11) 生命体の遺伝子をいじくり回さない、あらゆる面で制御不能となることを回避する
12) これまで述べてきたように、生命体を形成する物質は、各生命体を循環し、さらに、ホットスポット内を循環し(食物連鎖を含む)、緑の地球を循環している、これに異物を投入したり、その循環を阻止する行為は、緑の惑星地球の自殺行為であり、人類一人一人の自殺行為である。(第41回)