曲がり角で 迷いながら

自分も家族も人生の曲がり角に。戸惑いの中の日々を迷いうろついています。

ピントがずれている…

2013年09月14日 | 医療

木曜日はNPOの施設訪問の仕事、金曜日はパート先での仕事でした。

ウチにも高齢者がいますし、NPOの活動の方では障がい者施設への訪問もしているので、多少の事には驚かないのですが、ちょっと気になる対応を見てしまったので、自戒も込めて。

一つはNPOの活動の中で。

なかなかその活動が広まっていかない中で、今年度は7人の新人が参加することになり、委員長は喜んでいたんですが、いよいよ活動となって、様々な問題が出てきました。

7人のうち若い人は3人。残りの4人は年齢の高い人で、それでもそのうちの2人はほどぼそとはいえ、医療関係に残っていた人なので、よかったんですが、後の2人、他職種についていたそうなんですが、ウン十年ぶりの現役復帰だそうです。

一応、ひとりは研修も受けているようですし、ヘルパーさんもやっていたとの事で、かなりの仕事が組み込まれました。けれども、違う部門を担当した時にかなり問題があったとの事で、こちらの仕事もいきなりではなく、見学実習をして、さらに実際にやる時にはひとりベテランが指導に当たらないと駄目だとの、お達しがきました。

先週実習をしてもらったんですが、その時も「これはかなり問題だそ」ってことはあったんですが、実技の方はみていないので、まあヘルパーさんをやっていたんなら、案外すんなりいくかなと思って、ひとり目の時にはベテランさんの指導のもとやっていました。

次、ひとりでの実地。

一番の問題は消毒の問題。

グローブをしたら、触ってはいけないものがあるし、その上にそれを置いたら、不潔になるということが、とにかくわかりません。

普通、新人には、「はい、グローブはめて!」とか「グローブの手でそれ触らない!」で通じるんですが、文字通りぼか~~ん。まず第1にグローブのはめはずしができません。

カルテや机の上に直に不潔なものを置いてしまって平気でいる。

そういう時は「バットに置いて!」「消毒!」の短言で普通は「は!」っとして、すぐ動けるんですよ。何を言われているのか気が付くっていうか。

でも、なぜ言われているのががわからず、普通「消毒!」の言葉で、不潔になったところを消毒ですが、全く、ホントに全く別のところ(自分の手とか机の上とか)をやっているので、「そこじゃなくて…」と言いかけると、あわてて「別のところ」をやってしまう。

正直言うと施設に行った時は、その場の隙間に場所をお借りして、きゅうきゅうでやるので、他の人との距離感(じゃまにならないように、こちらが動くなど)が必要で、他の人の動線も確保しながら行動しないと危ないわけですが、そういう、配慮ももちろんできない。

例えば、「汚れないように」掛けるタオルは、「汚れるのを防ぐ」つまり、「汚れるだろう場所」に「こぼれても防ぐ」為に掛けるわけですが、全く役に立たないようなぶら~~んとなった状態につる下げる(つまり、とまってない)…。

それを見た他の会員が、「よしこさん、あれあれ」とあわてて指さし、わたしもあわてて、押さえに走り、「これちゃんとしておかないと危ないでしょ。でれっとたれてるし、こんな長くしたら、動いた時に踏んじゃいますよね。」と言うのですが、「はあ…(何を言われているのかわからないというぼんやりした反応)」

さらに、お口の中のお手入れに入った時に、もちろん、お口の中に清掃グッズが入っているんですよ。お手入れしながら、「話しかけてる」んですよ。

いや、黙っていきなりお口の中にっていうのはいけませんよ、もちろん。

でもそれはあくまでびっくりさせないように、お口を開けていただくための話しかけであって、「お話=会話」をするためではありません。

なのにですねえ、口を精一杯開けているところに(障がいを持っている方たちなので、お口を開けて上を向いているのはかなりの苦痛なんですが)返事をしなくてはならないようなことを「話しかけて」いるんですわ。

ものすご~~~く危険!中には喉を閉められず、気道が開いたままになっている人もいますからね。

あわてて、「今話さない!話しかけない!」って言うのが遠くからは彼女に伝わらず、最近すりぬけにお腹が邪魔になる私の体を、掛川花鳥園のポポちゃん並みに(わかる人にはわかるでしょ~~?)ひねって、なんとかすり抜けて、彼女のそばに行き、

「とにかく、今は話さない!返事できないでしょ?したらむせちゃうでしょ?利用者さんが苦しいんだよ」と袖を引っ張って話すも「ハア…(何を言われているんだろう)」

先日実習(正確には見学)の後の反省会で、「私はヘルパーもやっていたから、気持ちだけは皆さんには負けません。技術よりも気持ちの方が大事と思っていますから」と啖呵切ってましたが…。

見学の時には横から(普通は見学の時は黙って見ていて、質問があれば後でなんですが)いろいろ質問したり、中には他の人に「指導(こうやった方がいいと思いますなんぞいってましたわ)」なさってましたが、どうも、ヘルパーをやっていたも怪しい所作でございました。

よくわからないですが、ヘルパーさんもグローブはしますよね?

直に作業したんでしょうか?

それともプライドが邪魔して、「初心者」と言えなかったんでしょうかねえ。

それに、日本語は難しいというか、なんというか、確かに「話しかけながら作業をする」なんですが、まさか、口を開けているところに「返事を伴う」「会話」をしようとするとは、思いませんでした。

自分たちは慣れてしまっているので、グローブのはめはずしなんか、1から教えるなんてことは意識になかったのですが、それに、グローブなしの作業はむしろできなくなっていますが、全くグローブをしたことが無かったとすれば、まず第1にグローブを手にはめるところでもう戸惑ったのかも知れません。

いや、今は当たり前ですが、もしかしたら、10年ぐらい前は、手術以外はしていなかったか?記憶があいまいですが、20年ぐらい前か?グローブが当たり前になったのは。

どうも、彼女年齢からいうと、40年はブランクがあったんではないかと思われます。

上記の人は今回自分でも「出来ない」と言う事がショックだったようで、終わったの反省会は先日とは全く違った殊勝な様子でした。

彼女にはいいところもあるんですよね。さすがに如才なく相手と対せるので(はっきりいって、かなり初めてその障害の大きさや見た目や所作で、ショックが大きく、全く対処できない新人もいる)、消毒の事や、こまごま詳細に教えていけば、なんとかなると思います。こちらも、「わかっている」と思ってしまっていた事は、反省でして、帰りには

「大変でしたね。でも大丈夫ですよ、何回かやっていれば慣れてきますからね、頑張って続けて下さいね。」と声を掛けておきました。

今までは新人といっても他で勤めていて、ボランティアで参加しているので、基本はわかっているんですが、ブランクがあっての人は、昔の教育しか受けていないので、いくら講習を受けてもわかっていないことが沢山あるんですね…。まあ、自分も人の事は言えませんが。

これからは、そういう「新人」が増えてくるのかもしれません。

まだ、もう一人同じような人がいるんですが…。

医療事故になっても困りますので、びしっと言える(ちょっと厳しい人)人がはり付く事になりました。

 

もうひとつは、パート先での出来事。

最近急に認知症の進んできたMこさん。

なかなか診察時間や診察日が、把握できなかったり、来ても診察券を出さずに、静かに待っていたりします。

とっても品のいい綺麗なおばあちゃまだったのですが、最近はたぶん認知症のせいで無表情になり、反応はとても遅くなり、受付嬢のいらいらは募ります。

普通の診察ならいいのですが、検査や、検査結果等は日時が決められて予約になりますが、それがなかなか相手に通じつ、別居の娘さんに連絡したりして対応しているのですが、なかなか思うようにいかないんですよね。

まあ、検査の方はなんとか、こちらで都合つけてなんですが、結果がこちらに来ていなければ、もう一度来て下さいになってしまいます。

何度か空振り後、ちゃんと、予約時間にやってきました。

受付で時間が掛かりながらさし出したのはノートに「Mこ診療日誌」と掛かれたものでした。

リューマチで不自由な手でやっと差し出したのに(たぶんご家族が、本人が言えないのでかわりにこれを必ず病院で見せるようにと持たせたものと思われますが)受付嬢、けんもほろろに

「これはいいです。いりません。」と差し戻してしまいました。

確かにこちらではいらないんですけど、もしかしたら、そこにこちらの診療の内容を書いて欲しいと言う事だったかもしれないのに、ノートの表紙をちらと見ただけで「いりません」と言っていたんですよね…。

無表情ながら、私には悲しそうに見えたMこさん。それでも、大人しくノートを鞄にしまって、いつものように静かに待合室で待っていました。

しばらく待たされた後、呼ばれて、ゆっくりゆっくり、中に入り、先生の診察を受け、先生が結果を言って「よかったですね。しばらくは様子を見て下さいね。お大事に。」と言われ、しばし無言のまま、無表情のままスーと立ち上がり、またゆっくりゆっくり歩き始め、次の人の診察室の前で立ち止まり、ゆっくりでもはっきりと「先生、いろいろお世話になりありがとうございました。」とその姿の見えない先生の方に深々とお辞儀しながら、お礼を言っていました。

なんだか、私、目頭が熱くなってしまって、「ああ、わかっていないなんて思ってはいけないな、反応はゆっくりだけど、ちゃんとわかっているんだな」なんて、ちょっと感動していたんですけど、受付嬢、次の予約、はい、何日の何時ね。ここに大きく書いたから間違えずにね!」と紙をばんとMこさんに渡しました

いやさ、耳が悪くてわからないんじゃないんだけどね…。

と、しばし、Mこさん、その紙を見つめながら「○日…」

受付嬢「そう、○日!○時!」

Mこさん「○日から○日…、とても…来れない…○日から○日…だめ…○時駄目、これない…」(無表情で)

受付嬢「○時来れないの?○日が駄目?」

Mこさん「○日から○日、12時まで○○があるから、駄目…○時駄目…これない…」

受付嬢声を張り上げて(だから耳が聞こえないんじゃないんだってば)「じゃあ、いい、○日は?○日○時!いい?」

Mこさん「…来れる…」受付嬢声を被せて「じゃ!○日○時!大きく書いたから、いいね!?」(だからさ、それをノートに書いてって事じゃないのかねえ)

Mこさん「…はい」(無表情のままで)ゆっくりゆっくり向きを変える時に

出来るだけ明るい声で「Mこさん、お大事にどうぞ~~(*^。^*)」と言ったら、ちょっとびっくりした顔をしてこちらを見てにっこりしてくれました。

反応が無い、表情が無いからわかってないわけではない。ちゃんと中には暖かい心があるんだって、改めて感じました。

いや、かくいう私、姑であるBこさんの事は、見ない事にして、ちょっと無視してしまう事も多々あるので、人の事をとやかくは言えないんですけどね。

ま!はっきり言って、他人だから優しくなれるんだけど、実際に義理の仲ってなると、優しくはなれませんぜ~~~。

ま!それもいたしかたない!なんぞ、開き直っとりますが…

いいのか?それで!