CD番号 ドイツグラモフォン00289 477 5789 (2枚組)
収録年 2005年
評 価(A+、A-、B+、B-、Cの5段階評価)
総 合 B+ 歌手陣にぎこちなさ、統一感のないピンボケの魔笛
指揮者 B+ クラウディオ・アバド(1933~ )
管弦楽団 B+ マーラー室内管弦楽団
合唱団 B+ アーノルド シェーンベルグ合唱団
ザラストロ A+ ルネ・パーペ
夜の女王 B+ エリカ・ミクローサ
タミーノ A- クリストフ・ストレール
パミーナ A- ドロシア・レシュマン
パパゲーノ B+ ハンノ・ミラー・ブラッハマン
音 質 A- ライブ録音のためか音源が遠すぎて感度が低い
アバドは、ご存知のようにイタリア出身の世界的大指揮者でベルリン・フィルハーモニーの常任指揮者を長年務めていた。魔笛の録音はこれが始めてで72歳時の録音となる。
なお、この盤はスタジオ録音と思っていたが、よく聴き込んでみると時折聴衆のざわめきが入っており、どうもライブ録音のようである。しかし、実に静かなもので、録音の方もスタジオ録音並であり、カテゴリーはあえてCDの部に入れた。
ザラストロ役は久しぶりに本格的なバスを披露してもらった。パーペの他を圧する堂々たる歌唱力は役柄にふさわしい。
その他の歌手は、ややぎこちなさが目だって感心できなかった。若手の積極的な起用には賛成だが、オペラに溶け込んでいないし歌唱力も伴っていない感じ。パミーナ役のレシュマンは張り切りすぎてややオーバー気味。デービス盤(DVD)の方がよかった。
最新の録音で指揮者がアバドということで期待していたのだが、正直いってかなりの失望感を味わった。ザラストロ役を除いて歌手陣にやや物足りなさが残るし、どうも訴えかけるものがない。
アバドは何故今頃になって魔笛を指揮する気になったのだろうか。