「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

オーディオ談義~SPユニット片チャンネル4本の結線方法~

2010年03月24日 | オーディオ談義

現在、オーディオ・システムの最大の関心事は低域用のスピーカー(SP)ユニットを片チャンネル2本から4本にする話。

通常使用されている大半のシステムは左右1本づつだから、アンプとスピーカーの間の結線は単に(SPケーブルを)接続すればそれで済むが、4本ともなると特別な結線の方法が必要となってくる。

今回はちょっと専門的に立ち入った話になるがあしからず。

現在、追加するユニットは海を渡ってアメリカからはるばる輸送中。遅くとも25日頃には到着予定で、4本を容れるボックスのほうも26日の午後には出来上がってくる。

オーディオ人生を根底から揺さぶるほどの衝撃となるだろう「Xデー」が次第に近づきつつあるが何しろ、アンプ1台に4本ものユニットの結線は始めての経験なので当日の作業に向けてまごつかないように着々とオーディオ仲間から知識を吸収して受け入れ態勢を推進中。

付随して改めていろいろと勉強になることが多かった。自分の理解を整理する意味で以下、したためてみた。

まず、音質のことを考えるとベストの結線方法は4本の各ユニットからSPコードを引っ張ってきてアンプに結線するやり方。ところが、そうするとアンプに能力以上の過剰な電流が流れてあえなくダウンする恐れがある。

と、いうのは、1ユニットのインピーダンス(まあ、抵抗みたいなもの)は8オーム。これを4本まとめてアンプと結線するとなるとアンプ側の負荷は2オームとなる(8/4=2オーム)。

オームの法則によると「電圧=電流×抵抗」。

この際、電圧は一定なので抵抗値が減少すると電流が増大する。すなわち、1個のユニットの結線の場合は「100ボルト=12.5アンペア×8オーム」だが、4個のユニットの場合は「100ボルト=50アンペア×2オーム」となってしまう。12.5アンペアから50アンペアへと何と4倍もの電流がアンプに流れる勘定。

トランジスターアンプは普通6オーム〔電流は16アンペア程度)を基準に作製してあるので、これでは過労死の状態になってしまう。(ただし、低い抵抗値のもとで大電流が流れてもいいような特別仕様の高級品は別だが価格の方も別格!)

つまりアンプが悲鳴を上げて保護回路が働き、音が出なくなり、最悪のときはパワー・トランジスターが故障して一巻の終わり~。

そこで4本のときに、一般的に考えられる結線が次のやり方。

1 SPユニット4本のうち2本を直列に結ぶ

4個のユニットをこの際A,B,C,Dとして縦に並べて取り付けていると仮定しよう。

まず、Aのプラス端子からSPコードのプラス線を引っ張り出す。Aのマイナス端子とBのプラス端子を単線で結ぶ。Bのマイナス端子からSPコードのマイナス線を引っ張り出す。これで16オームのSPコードが1セット出来上がり。つまり2本のユニットを直列に結ぶやり方。

C,Dのユニットについても同じ結線をすると、アンプのところで丁度2セットのSPコードが合流し、負荷が8オームとなる。うまく考えたものでこれだと負荷の方は理想的になるが、音質的にみるとそうは簡単に問屋がおろさない。

SPユニットの方が通常の結線ではないため「タメ」が利かない音になる可能性が出てくる。

そこで次の案が出てくる。

2 パワーアンプを2台使用

まず同じパワーアンプを2台準備する。1台を左チャンネル専用にし、2台目を当然のごとく右チャンネル専用とする。

ここで便宜上、左専用のアンプをL(レフト)、右専用のアンプをR(ライト)としよう。

これで左右のクロストークの問題が完璧に処理できるのが第一のメリット。たとえば、片チャンネルに録音されたコントラバスなどの重低音が別の片方のチャンネルにまったく干渉しなくなるので音質的に極めて有利に。

次に、左の音声信号をLにつなぐが、ここでLの左と右の2個の入力プラグをショートして1個にする。アンプの裏蓋を外して、ショートさせるのがベストだが少々面倒なので、近くの電気ショップから変換コードを左右セットで2個購入してきた。

   「Victor・JVC」変換コードCN-162G    

Rの方も同じことをして結線。そうすると、LもRもスピーカー端子をフルに活用できてしかもそれぞれ4オームの負荷となってめでたし、めでたし。トランジスターアンプの場合、丁度能力の8割くらいで使うのが一番音がいいとされているのでこれはベストマッチかも。

このやり方は結局、同じパワーアンプを2台準備するというのがミソなのだが、自分の場合いつ故障してもいいように同じ「L-01A」(ケンウッド)のアンプを予備に1台所有していたので助かった。こういう展開になるとはまったく予想だにしなかったが、まさに僥倖というものだろう。

というわけで、22日の午後、先駆けて実際に作業をやってみた。実に簡単で部屋の片隅で出番を待っていた予備のアンプを右チャンネル用に設置し変換コードを差し込みSPコードを端子に接続するだけ。 

                     

つまり2台のアンプで現状の片チャンネル2本のユニットをそれぞれ駆動するという贅沢な使い方になったが、効果や恐るべし!余分な音を引き摺らない締まった低音がドスンと腹に響いてくる。

音楽を聴くには、これでもう十分のような気がするが、片チャンネル4本にすると果たしてどういう低音になるだろうか、きっと量感があって歯切れがいいという矛盾を解決した「究極の低音」が出ることだろう。

フッ、フッ、フッ、その日まで、あと3日!


 


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