真空管アンプの二番手選び

つい先日のこと、近くの公園でウォーキングをしていたら携帯がブルブルッ・・、相手は我が家の真空管の主治医ともいえる「北国の真空管博士」だった。

ベンチで一休みしながら「いやあ、お久しぶりです・・、お元気ですか？」

「このところブログが絶好調みたいですね。毎日楽しく読ませてもらってます。テーマが音楽やオーディオに限らず様々なところがいいですね、毎日どういう話題が出てくるか楽しみですよ」

前々回のブログで「粒ぞろいのブログを誰か誉めてくれないかなあ～」とこぼしたところなので、まさに絶好のタイミング！（笑）。

「ハイ、ありがとうございます。オーディオ記事ばかり続けているとマンネリ化して飽きられますからね。意識して違ったテーマを散りばめています。それに幅広い話題を持ち出す方がそれとなく教養を感じさせて（自分で言うかいな～笑）、オーディオ記事への信憑性を高めるのではないかと思ってます。」「その通りだと思いますよ」

「あっ、そういえば丁度お尋ねしようと思ってたんです。ときどき　よそ様　のブログを観ていたら、いとも簡単に高価なＴＲアンプを購入する記事が出てきます。それだけのお金があったら上質の真空管アンプを買えるのにと、呆れかえっていますがいったいどうしてなんでしょう。」

「それはほんとうによくできた真空管アンプを聴いたことがないからでしょう。市販の真空管アンプは結構ひどいものが多いです。ときどき修繕を頼まれますが、回路が拙かったり、トランスの選び方が出鱈目だったり、それはそれは酷いものですよ。」

「なるほど・・、そういうことですかね～」

出来のいい真空管アンプを知らないばかりに徒に「無駄遣い」をする・・、これは由々しき問題ですよ。（「無駄遣い」と決めつけるな！と怒られそうですが～笑）

そういえば、我が家の真空管アンプは１０台ありますけど、そのうち９台は信頼のおける「アンプビルダー」さんの「手作り」に成るものです。残りの１台も市販品に大掛かりな改造を施しています。言い換えると世界で1台だけのアンプばかりです。

真空管アンプばかりは市販品よりも信頼のおける方に作ってもらうのがいちばんだと思いますよ～。

ただし、そういう人材を見つけ、そして「技量」を冷静に見分ける目がほんとうに難儀なんです・・、「長い年月」と「血（授業料）と汗（手間）と涙（悔恨）」が必要ですからね～（笑）。

それでは、身近な実践例に移りましょう～。



このところ、我が家のアンプ群を席巻している感のあるＳＴＣの出力管アンプ（モノ×２台：以下「ＳＴＣ」）ですけど、およそ５０年という歳月の賜物です。

ただし、所詮は消耗品なのでその辺は割り切っておかねばなりません。いきなり真空管やトランスが昇天したら　嘆きもひとしお　なので日頃から心の準備が必要です（笑）。

そこで、次点となるアンプを確保しておく必要が出てきます。いわば二番手候補の選択です。

我が家の有資格者は名声と伝統と風格からいって「ＷＥ３００Ｂ」シングルと「ＰＰ５／４００」シングルの２台に絞られます。

まずは「ＷＥ３００Ｂ」シングルアンプから勝負です。鳴らすスピーカーは「ＡＸＩＯＭ８０」（復刻版）です。



じっくり試聴しましたが、「ＳＴＣ」アンプに比べるとほんの少し低音域にパワー不足を感じます。サブウーファーで補ってやれば黙って見過ごせる範囲ですけどねえ（笑）。

ただし、高音域にかけては鮮度といい、伸びといいまったく遜色ないです。交代要員としてはまあ合格といったところですか～。

次が「ＰＰ５／４００」シングルアンプです。



周知のとおり、この真空管は「WE300B」と並び称される東西の「両雄」です！　通常は「PX25」真空管で鳴らしてますが、人生の残り時間が少なくなったのでようやく「親分」の出番が巡ってきました（笑）。

このアンプは登場回数が少ないので球の紹介をしておきましょう。

前段管は「３Ａ／１０９Ｂ」（英国ＳＴＣ）、出力管は「ＰＰ５／４００」（英国マツダ：初期版）、整流管は「ＷＥ４２２Ａ」（１９５７年製）

球のお値段だけで〆て・・、いや自慢たらしい話は止めておきましょう（笑）。

で、肝心の試聴結果ですけど明らかに「WE300B」アンプよりも重心が下がりましたので「正しい音」に向けていい傾向です。ただし、それとは裏腹に高音域の鮮度がイマイチかなあ～。実に惜しい！

そこで、超高音域を担当している「０７５」ツィーター（JBL）の出番です。駆動している「LS7アンプ」のボリュームを二目盛あげてやると、見事に高音域の鮮度が上がってバッチリでした。

これだと、「STC」アンプがいつ故障しても立派に代役が務まりそうです。むしろエースの負担を軽減するために日常的なリリーフ役でも十分いけますね。

いやあ、良かった、良かった、これで枕を高くして眠られます・・（笑）。



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