「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

オーディオ談義~「楽しかった試聴会」

2010年09月07日 | オーディオ談義

楽しみにしていた5日〔日)のオーディオ仲間たちとの「試聴会」。

試聴の最中に〔真空管アンプの)整流管をマルコーニからSTCへと銘柄を替えたり、低域のボリュームを絞ったりと、いろいろあったがどうにか無事終了。


結局、メンバーは福岡からA君とB君、1時間遅れの途中から大分に単身赴任しているM君も参加して3名の友人たちとの楽しい合同試聴会となった。

全員が同じ高校の同窓生、それに理系の学部、趣味が「音楽とオーディオ」というのも面白い。

13時到着の予定だったので、きっかり12時半にシステムのスイッチを入れて暖気運転開始。まるで冬場のクルマの始動みたいだが、真空管アンプが絶好調になるには30分くらいの時間は見ておいたほうがいい。

13時きっかりに携帯が鳴ったので耳に当てるとA君からで「ただいま到着しました」、外に出てみると既に我が家への車庫入れ状態。

「やあ、やあ、お久しぶり~、お元気そうで何より。今年の夏はひどかったねえ」と、今でも進行形の酷暑だが、とりあえずお互いにご挨拶を。

すぐにオーディオ・ルームに入ってもらって、装置の概要をていねいに説明。

両君が前回見えたのはたしか昨年の11月頃だったと思うが、そのときからすると、低域を20cm口径のウーファー4発(片チャンネル)にしたのは今年の3月のことだったのでシステムがまるで様変わりしている。

低域が変わったということは、全体的に音が激変したということに等しいが両君から果たしてどういう感想がいただけるんだろうかと、久しぶりの刺激とスリルで胸がワクワク。


早速A君が持参してくれたCDの試聴に入る。

マーラーの「第2番(復活)の第一楽章」。こういう大編成のオーケストラほどシステムの良否を問う試聴盤はない。とにかく低音がしっかり出なければお話にならない。

「ウ~ン、厳しい盤を持って来るねえ!」と言ったらA君がニヤリ。聴いてみると実に録音がいい。演奏を伺ってみるとベルティーニ指揮でケルン放送交響楽団。1991年の録音だからもちろん、デジタル録音。

ベルティーニの死去に伴いマーラー全集が発売されたのですぐに購入したそうだ。

マーラーはクーベリック指揮の全集モノ〔10枚セット)を持っているが、「ドイツ・グラモフォン」なのに録音が悪くて大ハズレだったが(アナログ録音だし安かったので仕方ないが)、ベルティーニの盤ならずっと手元に置いておきたいほどに満足した。

次に聴いたのがB君持参のモーツァルトの
「弦楽四重奏曲第19番K・495〔不協和音)」。「人後に落ちないモーツァルト好き」を自認しているが、この「不協和音」を聴くのは始めて。

モーツァルトの弦楽四重奏曲は大穴的な存在で、これらが好みとは相当ハイレベルの通だと言っていいが、B君はFMラジオでこの曲を聴いて一遍に魅了されたという。

K.495という作品番号からすると、かなり後期の作品で大衆の人気を失い失意の頃の作品だといえる。

どこか淋しげで、モーツァルト特有の
「涙が追いつかない哀しさ」が全編〔四楽章)に内在している。ややとっつきにくいが聴けば聴くほど魅了されていきそうな名曲である。

音楽もいいが演奏もいいと思ったら何と第一ヴァイオリンがキュッヘル(ウィーン・フィルのコンマスだった)、第二ヴァイオリンがヴェヒターと泣く子も黙るお二人さん。(「ウィーン・ムジークフェライン弦楽四重奏団」)。

何だかこんな名曲を次々に聴かされると、オーディオなんかどうでもよくなってしまって「音楽鑑賞」のほうに”みっちり”のめり込んでしまった。

ふと「音楽とオーディオ」の関係なんて本来こういうものではなかろうかなんて思ったりした。

「いい音になるとスピーカーの存在を忘れる」とは、ハイエンドのオーディオ・マニアから散々聞かされる言葉だが、とはいえ自分の装置がまだそこまで至っていないのは明らか。

後は、ブラームスの「交響曲第一番の一楽章と四楽章」の聴き比べをやった。

M君持参のバーンスタイン指揮とA君持参のフルトヴェングラー指揮の比較で、演奏は後者に、録音は前者に軍配を上げるという意見が大勢を占めて痛み分け。

この辺になって、ようやくA君、B君、M君からぼちぼちとオーディオへの感想が洩れ始めた。

「この前来たときよりも随分と低域が締まっているし量感も不足なし」「高域が随分と聴き易くなった」「ツィーターがあるともっと(音の抜けが)よくなりそう」といったコメント。

「一切遠慮なしの正直な感想」と素直に受け取らせてもらったが
「音の抜け」についてはちょっと思い当たる節があって対応策を準備中。

一番最後の仕上げは、ジャズを聴かせてということでソニー・ロリンズの「サキソフォン・コロッサス」の「セント・トーマス」を大音量で鑑賞。

クラシックとジャズの両刀使いともなるとSPユニット「アキシオム80」(エッジレス特有の反応の速さ!)の独壇場だとひそかに自負しているのだが、自画自賛は”はしたない”のでこの辺でストップ。

結局、お帰りは4時半頃で3時間半ほどの試聴となって皆さん帰路につかれた。お土産はささやかながら我が家に植えているカボスを~。

その代わりといっては何だが、ご持参のCDをいくつか置いていってもらい翌日(月曜)の午後、早々に返送した。

「ベルティーニ指揮のマーラー全集」「不協和音」「アメージング・グレイス」〔白鳥英美子)。

           

 もちろん、じっくり鑑賞しただけで、ゆめゆめ「コピー」なんて「反社会的行為」はしておりませぬぞ!

 

 


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