「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

読書コーナー~「絶妙な”数字で考える”技術」~

2010年12月04日 | 読書コーナー

昨日〔12月3日)の夕方、NHKテレビを観ていたら今年の世相を漢字一字で表すと「失」が一番になっていた。(街頭のアンケート結果によるもの)

”国の誇り”をはじめ、財産や信用など「得る」よりも「失う」というイメージが強かったのだろう。高齢者の「消失」問題もある。

ちなみに自分が瞬間的に思いついた漢字の「乱」は5位。国際関係、政治経済の「混乱」、海上保安庁職員の「反乱」によるビデオ流出、リーグ3位の野球チームが日本一、横綱の連勝記録が途切れる「波乱」、梨園の御曹司の「酒乱」など。

なお、昨年、どこかのお坊さんが公表した正式な漢字は「新」だった。

今年も恒例の10日に発表される予定だが果たしてどういう漢字になるのだろうか?

閑話休題(それはさておき)。


≪絶妙な「数字で考える」技術≫(2008.2.11、村上綾一著、明日香出版社刊)

                 

本書は数字(数学ではない!)が”ニガテ”という人に向けて書かれた本。

数的センス
を養うために豊富な実例が紹介されている。代表的な事例を4つほど。

☆ ウィンカーの点滅テンポに隠された秘密

クルマのウィンカーは、1分間に約70回点滅します。これは意外なものが基準になっている。ご存知ですか?

実は、ウィンカーの点滅するテンポは、人間が適度に緊張したときの脈拍数とほぼ同じ。これ以上点滅回数が多くなると、あせってしまい、少なくなりすぎると間延びしてしまって事故が増えてしまう。

☆ とにかくNo.1

広告業界では、広告に載せるコピーはとにかく「No.1」が有効で、そのため、広告を作るときはその商品の「No.1」や「1位」を探す。

地域限定でもいいし、期間限定でもかまわない、とにかく客観データで「No.1」に出来る状況をつくりあげ大きくアピールする。

さて、どう頑張っても「No.1」が見つからなかったらどうするのだろう。

『そんなときは、「私たちは業界No.1を目指しています!」でOK』。

☆ 割合の盲点

アメリカ海軍のPRで、こんなキャンペーンがあった。

「海軍の死亡率は0.9%、ニューヨーク市民の死亡率は1.6%です。海軍のほうが死亡率が低いのです。皆さん、海軍に入りましょう!」

どこがおかしいかわかりますか?

海軍は健康な男子の死亡率、ニューヨーク市民は老人や病気の人も含めた死亡率。ニューヨーク市民の死亡率のほうが高いのは当たり前!

☆ シカゴにピアノ調律師は何人いるか?(シカゴの人口を約300万人とする)

物理学者エンリコ・フェルミに因んで「フェルミ推定」といわれているのが、仮説や推定を組み合わせて「およその数字」を見積もる方法。この調律師の問題は一番有名なもの。答えよりも、それに至る過程が大切。

 
始めに世帯数を考える。アメリカも日本と同じく核家族社会と考えて平均2~3人、計算しやすくするため3人とする。
  300万人÷3人=100万世帯

 
次にピアノのおよその台数を考える。ピアノ所有率を日本と同じくだいたい10世帯に1台程度とする。
  100万世帯÷10世帯=10万台

 
その次に調律の年間需要を考える。ピアノ1台の調律は平均して1年に1回程度とする。
  10万台÷1回=10万台

 
その次に調律師一人は年間に何台の調律が可能か考える。1日に3~4台が限界、年間に200~250日働くとすると1年間に600~1000台となる。真ん中を取って800台とする。

回答 
シカゴのピアノ調律師の数は次のとおり。
  10万台÷800台=125より、約130人。

 


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