昨日〔12月3日)の夕方、NHKテレビを観ていたら今年の世相を漢字一字で表すと「失」が一番になっていた。(街頭のアンケート結果によるもの)
”国の誇り”をはじめ、財産や信用など「得る」よりも「失う」というイメージが強かったのだろう。高齢者の「消失」問題もある。
ちなみに自分が瞬間的に思いついた漢字の「乱」は5位。国際関係、政治経済の「混乱」、海上保安庁職員の「反乱」によるビデオ流出、リーグ3位の野球チームが日本一、横綱の連勝記録が途切れる「波乱」、梨園の御曹司の「酒乱」など。
なお、昨年、どこかのお坊さんが公表した正式な漢字は「新」だった。
今年も恒例の10日に発表される予定だが果たしてどういう漢字になるのだろうか?
閑話休題(それはさておき)。
≪絶妙な「数字で考える」技術≫(2008.2.11、村上綾一著、明日香出版社刊)
本書は数字(数学ではない!)が”ニガテ”という人に向けて書かれた本。
数的センスを養うために豊富な実例が紹介されている。代表的な事例を4つほど。
☆ ウィンカーの点滅テンポに隠された秘密
クルマのウィンカーは、1分間に約70回点滅します。これは意外なものが基準になっている。ご存知ですか?
実は、ウィンカーの点滅するテンポは、人間が適度に緊張したときの脈拍数とほぼ同じ。これ以上点滅回数が多くなると、あせってしまい、少なくなりすぎると間延びしてしまって事故が増えてしまう。
☆ とにかくNo.1
広告業界では、広告に載せるコピーはとにかく「No.1」が有効で、そのため、広告を作るときはその商品の「No.1」や「1位」を探す。
地域限定でもいいし、期間限定でもかまわない、とにかく客観データで「No.1」に出来る状況をつくりあげ大きくアピールする。
さて、どう頑張っても「No.1」が見つからなかったらどうするのだろう。
『そんなときは、「私たちは業界No.1を目指しています!」でOK』。
☆ 割合の盲点
アメリカ海軍のPRで、こんなキャンペーンがあった。
「海軍の死亡率は0.9%、ニューヨーク市民の死亡率は1.6%です。海軍のほうが死亡率が低いのです。皆さん、海軍に入りましょう!」
どこがおかしいかわかりますか?
海軍は健康な男子の死亡率、ニューヨーク市民は老人や病気の人も含めた死亡率。ニューヨーク市民の死亡率のほうが高いのは当たり前!
☆ シカゴにピアノ調律師は何人いるか?(シカゴの人口を約300万人とする)
物理学者エンリコ・フェルミに因んで「フェルミ推定」といわれているのが、仮説や推定を組み合わせて「およその数字」を見積もる方法。この調律師の問題は一番有名なもの。答えよりも、それに至る過程が大切。
1 始めに世帯数を考える。アメリカも日本と同じく核家族社会と考えて平均2~3人、計算しやすくするため3人とする。
300万人÷3人=100万世帯
2 次にピアノのおよその台数を考える。ピアノ所有率を日本と同じくだいたい10世帯に1台程度とする。
100万世帯÷10世帯=10万台
3 その次に調律の年間需要を考える。ピアノ1台の調律は平均して1年に1回程度とする。
10万台÷1回=10万台
4 その次に調律師一人は年間に何台の調律が可能か考える。1日に3~4台が限界、年間に200~250日働くとすると1年間に600~1000台となる。真ん中を取って800台とする。
回答 シカゴのピアノ調律師の数は次のとおり。
10万台÷800台=125より、約130人。