昨日(月)は朝から大忙し。とうとう9時ごろになってオーディオ仲間のAさん(湯布院)に応援を求めた。
「以前からお話していましたようにスペアで持っていたAXIOM80(以下「80」)を、別のエンクロージャーにマウントしたのですが、いいのか、悪いのか、どうも判断がつきませんのでよろしかったらお越し願えませんか。ぜひ試聴していただいた上でご意見をお伺いしたいのですが。」
「いいですよ。それは楽しみですねえ。今日の午後なら空いてますから、また追って具体的な時間をご連絡します。」
経緯を説明しておこう。
これがないと「夜も日も明けない」ほどの大のお気に入りの「80」だが、この上ない繊細なツクリなので故障したときの用心のため2セット保有している。しかし、通常の使い方をしている限り(経験上、後面開放の使い方だけは絶対ダメ)、故障しないことが分かってきた。
「80はしょっちゅう鳴らしてあげないとサボり癖がありますよ」とのアドバイスもあって、この際思い切って遊んでいる「80」も使ってみることにして、1週間ほど前からコツコツと取付用の道具を買い集めてきた。
「80」の取り付けとなれば、ハイライトは「ARU」の工夫である。
「ARUっていったい何?」
いつも苦し紛れのすえに頼りにしているネットだが、今回もググってみると大助かり~(笑)。
「Acoustic Resistance Unit」の頭文字をとったもので、音響的に負荷をかけて低い音を平坦に伸ばす役目を持っている」
補足すると、要はユニットの背圧の逃がし方を微妙に調整する道具のことで、このおかげで豊かなふくらみのある音が得られるが、こればかりは実際にSP周りの作業をやった事のある人でないと分からないかもしれない。
位相、背圧、吸音材、定在波の処理など(SP周りの作業は)オーディオの宝庫である。
通常のスピーカー・エンクロージャーではスピーカーの前面の下部に大きな開口部があったり(バスレフタイプ)、タンノイの大型スピーカーに見られるように長大な「バックロードホーン」型などがあるが、「80」の製造元であるグッドマン社(イギリス)はこの背圧の逃がし方に天才的な着想を発揮したのがこのARUである。
「百聞は一見にしかず」。参考のために、「オリジナル・エンクロージャー」の裏蓋を開けてパチリと撮影。
かなり大きな開口部なのに実際に背圧を逃がすのは中央の金網の部分で周囲はビニールみたいなもので覆ってあり、極めて微妙なツクリであることが伺える。
グッドマン社が研究に研究を重ねた結果がこれだろうから、ソックリ同じものを作るといいのだろうが、まったく同じものでは面白くない(笑)。
思い悩んだあげくに近くのホームセンターで仕入れてきたのが、ステンレス製の一番細かい目が詰まった金網で、これを2枚に折り重ねて使用することにした。ややこしい理論は後回しの、長年のカンだけに頼る実験の世界である。
注文していた最後の道具のSPターミナルがようやく届いたので15日(日)の夕方から作業に取り掛かった。いったん睡眠をはさんで16日(月)の早朝5時頃からガサゴソと室内を這いずりまわって、ようやく「80」の取付が終了したのは7時ごろ。文字どおり朝飯前の仕事だった。
楽屋裏を見せるようで気恥ずかしいが、後日の参考のため写真に撮ってみた。下部に詰め込んでいる羽毛の吸音材は不要かもしれないが、どうするかちょっと迷うところ。どうせ一度の試聴では済まず、おそらくまた裏蓋を開けることになるだろうから、その時に考えよう。
ようやく、取り付け終了後の姿が次のとおり(右チャンネル)。
右側のエンクロージャーに取り付けたのが新たな「80」で、左側が現在使用しているグッドマン社指定のオリジナルエンクロジャー(以下、「オリジナル」)に入った「80」。
課題のARUはエンクロージャーの上から3番目の既存の開口部(丸い穴)に取り付けたがはたしてこの位置でいいのかな?
興味津々で試聴を繰り返してみるものの渦中にいると当事者の耳がどうもナマってしまうようだ(笑)。ここはアッサリ第三者の意見を求めた方が得策。
そう判断して冒頭のようにAさんにお願いしたわけだが、実際にお見えになったのは14時ごろだった。
さあ、試聴開始。
以下、続く。