いやあ、久しぶりに「音楽映画」を観て胸が震えるほどの感動を覚えました。
とはいえ、映画館に行ったわけではなく「光回線を利用した”ひかりテレビ”」(47チャンネル数)で鑑賞したもので、画像はソニーのテレビ(55インチ)、音は我が家のオーディオシステムで聴けるようにしたもの。
さて、その映画とは「蜜蜂と遠雷」。
原作者は「恩田 陸」女史で、本書は「直木賞」と「本屋大賞」を史上初のダブル受賞したことでも有名。
あらすじはこうだ。
「ここを制した者は世界最高峰のS国際ピアノコンクールで優勝する」というジンクスをもち、近年高い注目を浴びる芳ヶ江(よしがえ)国際ピアノコンクール。
ピアノの天才達が集うこのコンクールの予選会に、若き4人のピアニストが現れる。7年前の突然の失踪から再起を目指す元・天才少女、英伝亜夜(松岡茉優)。
“生活者の音楽”を掲げ、最後のコンクールに挑むサラリーマン奏者、高島明石(松坂桃李)。人気実力を兼ね備えた優勝大本命、マサル(森崎ウィン)。
今は亡き“ピアノの神”からの「推薦状」を持つ謎の少年、風間塵(鈴鹿央士)。熱い“戦い”を経て、互いに刺激し合い、葛藤し、成長を遂げ<覚醒>していく4人―。その先に待ち受ける運命とは。
以上のとおりだが、元天才少女と謳われた「英伝亜夜」が、急死した母親と一緒にピアノを弾く幼女時代の回想シーンで、野外の「雨音」を聴きながら、ショパンの「雨だれ」の演奏に入っていくシ~ンでは音楽の魅力全開で、あまりの美しさに思わず身震いがして鳥肌が立ったことを正直に告白します。
以下、ネットで「レヴュー」を抜粋させてもらいましょう。
「ひとつのコンクールに焦点を絞った作品なのに、4人の人物像をあれだけはっきりと浮かび上がらせ、さらには歩んできた道やこれからの未来までも想像させる点はすごいの一言に尽きる。
最後にコンクールの順位が映し出されるがあの順位はこの作品が描きたかったことを示す大きな意味を持つと思う。神童の復活でも、奇才の誕生でも、努力の勝利でもなく、才能あるもの達が高めあった日々を表すにはマサルの優勝が必要不可欠だったのではないかと思った。
演技、演出、演奏シーン、どれを取っても質の高い音楽映画。」
「音楽ってすばらしいなと思わせる作品
ピアノが弾けなくなった少女がコンクールでまた輝くという在り来りなストーリだが、展開がエモーショナルで終盤の演奏シーンは心が震えた」
「最初は恩田陸良かったね…という涙がずっと流れてた。
主人公が幼い頃に聴いていた雨音。それが馬のように跳ねて駆けていく描写が映像になっていて泣けた。ああ、映像化されるということはこういうことなんだなと。それにしてもクラシックと馬は合う。」
「思っていたより配役がスッと馴染んでいたし、何と言っても映像が美しい。構図のこだわり、落ち着いたテンポ、衣装までもが背景の一部のように映える単色。彩度が高め。ノルウェイの森を思い出す。撮影が海外の方というのがすごく分かる。クラシック映画と相性の良い品の良いお洒落さ。」
クラシック音楽がお好きな方で、まだご覧になっていない方はぜひ・・。